64.突き刺す詩
先日友達と下北沢で飲んだ夜
音楽を聴く時、何を重要視しているのだろうかという話になった。
互いに好きな曲のメロディーやBメロのココのコードが…とか
思い思いに述べ合った後、
最終的にどの曲も、この歌詞が刺さる。というところに落ち着いた。
ライブハウスでブッキングイベントに出演して
出会わせていただいた方々で、この人の音楽が好きだと気付く時は
「この歌詞まるで自分に言われてるみたいだな」といつも思う。
それは書き手が自分に向けた言葉だったり、
もしかしたら、特定の相手に向けて書いた言葉なのかもしれないけれど。
曲を聴きながら私に言ってるんじゃないか…
どうしてこんなに分かってるの…と
確信を突かれたようにハッとしてしまう瞬間がある。
そういうアーティストに出会わせてもらえる今の環境が
どれほど恵まれているのかと考えると、
日頃お世話になっている会場さんには本当に有難い。
そんな中最近、私の楽曲をカバーしてくれるアーティストさんがいたり
ライブを観に行きたいです!と連絡してくれる仲間がいたり
ブッキングライブではトリを任せていただいたり…
私もそういう年齢になってきたのだと、嬉しい反面、焦る気持ちも大きい。
誰か1人にでも、突き刺さる詩を書きたい。
書きたいのだが、そのたった1人に突き刺すのがどれほど難しいことか。
伝えたいことを100%曲で言い切ることのなんと難しいことだろう。
ライブの曲間で楽曲の説明を補足するのが、ダサいなと思ってしまうけれど
曲で言い切ることもできていなければ、本当に言いたいことは
きっとずっと伝えられやしない。
いつも自分の為に書いてきたけれど、
現実世界にいるあの人へ向けて書いた曲も生まれた。
誰かのために、なんて烏滸がましくて言えないけれど
ありがとうを言いたい人がたくさんいる。
ずっとひとりぼっちと勘違いしていた時の自分に
今こんなに音楽が繋げてくれた仲間がいることを教えてあげたい。
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