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クロムツの麦味噌漬け 白百合醸造の甲州ワインの吟醸香

最近、クロムツづいているのかもしれない。
昨年のNoteを見るとワインと合わせたことはなかったが、ここ1ヶ月で3度目のクロムツ。2月に未利用魚を活用したミールパックのフィシュルの初回注文分が届き、そのなかにクロムツを使った商品が入っていた。それを食べてから柔らかな身に織り込まれた甘美な脂に虜になり、先日はデパ地下の惣菜コーナーで黒むつの醤油麹焼きを手に取っていた。

今回はフィシュルのクロムツを使ったもう一つの商品、クロムツの麦味噌漬け。月に一回6商品が届くプランを注文し、以下のものが届いた。5つは実食済み。
ここまで食べたもののなかでは、クロムツの煮切り醤油漬けとブリの和風カルパッチョがお気に入り。ブリの和風カルパッチョには仕上げにゴマを散らすと、さらにブリの旨味が際立つ。樽発酵させたリッチな風味の甲州ブドウのワインと素晴らしい相性を見せた。

・ニベのハーブオイルマリネ(実食済み)

・サバのハーブオイルコンフィ(実食済み)

・クロムツの煮切り醤油漬け(実食済み)

・ブリのトマトマリネ(実食済み)

・ブリの和風カルパッチョ(実食済み)

・クロムツの麦味噌漬け(今回実食)

今回のクロムツの麦味噌漬けが最後の6品目。

こちらは加熱用商品で、流水で10分少々解凍の後、フライパンで軽く両面を焼いて盛り付け。

麦味噌の醸造香がクロムツの甘美な脂を引き立てる。麦味噌は粕漬けや西京味噌とは異なった角度から、穏やかに、素朴に魚肉の旨味に寄り添う。

合わせたワインは山梨の甲州品種に加えて自然派の造りのワインを2種。南アフリカのスパークリングワイン(シャルドネ品種)、フランス ロワールのシュナンブラン品種。

特に甲州ワインとの相性が魅力的。最近、樽発酵された甲州を飲んでいるが、今回のものは樽を使わずすっきりと仕上げたタイプ。ワインが含む吟醸香のニュアンスが味噌の醸造香と繋がり良い。ほかの2つの自然派ワインは特有の酸味がやや強く、クロムツの脂の甘みへの寄り添いが期待未満。こういうワインは料理も酸が強いものに合わせるのがおススメ。イワシなどの南蛮漬けに合わせてみたい。

クロムツの麦味噌漬けとそれぞれのワインの相性について。


ロリアン, 勝沼甲州, 2019, 2,035円, 12%, 2,035円
L’Orient, Katsunuma, Koshu

L’ORIENTは仏語で「東洋」を意味、ヨーロッパに劣らぬ高水準のワイン造りを目指し名付けられたもの。その志とたゆまぬ努力が報われ、こちらのワインは2021年ロンドンで開催された世界最大のワインコンクール、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードでプラチナを受賞。受賞の年に購入し、自宅のセラーで2年弱寝ていたものを開栓。
非常に透明感高い色調。香りにはおおらかに和梨、カボス。日本酒のような吟醸香をまとう。微かに白い花とセルフィーユのハーブ香。非常に清らかで透明感が高い。
味わいには瑞々しい口当たり、穏やかな酸味。ピュアで透明感の高い風味の余韻に軽快なほろ苦さ、余韻に微かに旨味と乳製品のようなまろやかなタッチ。4年目とは思えない。

クロムツの麦味噌漬けにワインを合わせる。味噌の醸造香にワインの吟醸香のようなニュアンスが絶妙に重なる。そのまま、クロムツの甘い脂を引き立てる。相性: ★★★★☆


エルギン・リッジ, MCC, ブリュット ブラン ド ブラン 2015, シャルドネ, 南アフリカ, エルギン, 12.5%, 2,960円
Elgin Ridge, MCC Brut Blanc de Blanc

畑では化学薬品や農薬は一切使せず、ビオディナミ農法に沿って畑の手入れを行う。
エルギン・リッジは南アフリカ屈指のクールクライメイトを誇る銘醸地。
琥珀がかった強い色調、細やかな泡が力強く持続的。開栓翌日も力強い。
香りには蜜漬けの花梨、洋梨のコンポート、自然派系の作りに典型的なビネガー香り。モカのビターなニュアンスと熟成による落ち着いた果実香が重なりグリップのある芳香。
味わいには酸味が攻撃的ながらその奥の奥に、リンゴのリキュールの微かな甘み。余韻にはほろ苦さが残りゆるゆると長く風味が持続。
クロムツの麦味噌漬けに。ワインの力強い蜜の香り、酸味、モカに、料理がやや圧倒される。ワインのブドウの滋味に味噌の香りとクロムツの脂の相性は良い。相性: ★★★☆☆


ドメーヌ・ニコラ・ジョリー, サヴニエール, レ・ヴュー・クロ2015, 約3,000円(5年前に特価で購入)
Domaine Nicolas Joly, Savennieres les vieux clos

ロワールを代表するワイナリー。ニコラ・ジョリーは、コロンビア大学で経営学修士号(MBA)を取得、その後ウォールストリートで働く。モルガンスタンレーなどで勤務した後、1976年に仕事を辞めフランスへ帰国。母が運営していたワイナリーを継ぎ、ワイン造りを始めた。農薬や化学肥料を一切排除、「ビオディナミの伝道師」と称される自然派。
香りには花梨、黄色い花、りんご蜜、イーストこう、ビネガーやフェノリックなタッチ、トマトリキュール、ニュアンスに富む。
味わいにはパワフルでやや攻撃的な酸味を伴う底力のある果実味。旨味と滋味溢れる中に奥に微かに甘美な蜜のニュアンス。ゆったり続く余韻にもビネガー系の酸味あり。

クロムツの麦味噌漬けに。ブドウの滋味がクロムツの脂を包みかけるが、攻撃的な酸味がそこに分け入ってしまう。相性: ★★★☆☆

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