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サワラのおかか和え おかかに寄り添う甲州ワインの吟醸香

未利用魚を活用したフィシュルのお魚ミールパック。サワラのおかか和えという面白い商品が届く。

生食用で流水で10分ほど解凍し、開封して皿に盛るだけ。みりん、醤油で下味がついたサワラに、おかか、ごまがトッピングされている。いかにも魚の旨味のスイッチを押してくれそうな調味料に囲まれた幸せなサワラ。

大葉を添えて

サワラは漢字で鰆と書くが、春先に漁期を迎えることから「春を告げる魚」にちなむ。今の時期にぴったりのお魚。過去にはお造り、カルパッチョ、西京焼き、エスニック風のものをワインに合わせていた。

古民家レストランでの鰆のお造り

炙り鰆のカルパッチョ

サワラの西京焼き

トロサワラのグリル エスニック風

今回、サワラのおかか和えに合わせたのは山梨県の白ワイン(甲州ブドウ)、イタリア リグーリア州の白ワイン(ヴェルメンティーノ品種)。いずれも良い相性を見せてくれたが、特に山梨の甲州ワインの、透明感高い果実味、繊細な柑橘香と吟醸香を思わせる香りが調味料との繋がりよく、サワラの脂を魅力的に彩ってくれた。大葉を添えてみると、ワインの柑橘香との繋がりがさらにアップ。

さて、サワラのおかか和えとそれぞれのワインの相性について。


ロリアン, 勝沼甲州, 2019, 2,035円, 12%, 2,035円
L’Orient, Katsunuma, Koshu

L’ORIENTは仏語で「東洋」を意味、ヨーロッパに劣らぬ高水準のワイン造りを目指し名付けられたもの。その志とたゆまぬ努力が報われ、こちらのワインは2021年ロンドンで開催された世界最大のワインコンクール、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードでプラチナを受賞。受賞の年に購入し、自宅のセラーで2年弱寝ていたものを開栓。
非常に透明感高い色調。香りにはおおらかに和梨、カボス。日本酒のような吟醸香をまとう。微かに白い花とセルフィーユのハーブ香。非常に清らかで透明感が高い。
味わいには瑞々しい口当たり、穏やかな酸味。ピュアで透明感の高い風味の余韻に軽快なほろ苦さ、余韻に微かに旨味と乳製品のようなまろやかなタッチ。収穫から4年目とは思えないフレッシュさを残す。

サワラのおかか和えにワインを合わせる。厚いサワラの身、そして柔らかい筋繊維は舌にねっとり張り付くよう。サワラの脂は上品で軽快にしっとりと広がる。甲州ワインの吟醸香のようなフレーバーが、醤油、おかかに間違いのない相性。そのままサワラの脂を包みこむ。大葉を添えるとサワラの脂を爽やかにまとめてくれ、ワインの柑橘香との繋がりもアップ。相性: ★★★★☆


ルナエ, エチケッタ ネーラ, コッリ・ディ・ルーニ, ヴェルメンティーノ, イタリア, 3,729円
LVNAE, Etichetta Nera, Colli di Luni Vermentino

トスカーナ州とリグーリア州の境にワイナリーと畑をもつ。コッリ・ディ・ルーニは両州にまたがる産地の呼称。ワイナリー名のルナエの由来はラテン語の「Lunae(月)」。古代ローマ時代、ワイナリーの土地の近くに「Luna(イタリア語で月)」という名の町があり、高品質なワインを造っていたことにあやかった。
ブドウは9月半ばに手摘みで収穫。24-36時間コールドマセラシオンした後にプレス。
ステンレスタンクで定温下(15-17℃)で発酵。
香りにはフレッシュなグレープフルーツ、レモン、ライムの活力のある柑橘香が溢れる。軽快で繊細にハーブと潮の香りが絡みワインをエレガントの極みに。
味わいには瑞々しくのびやかな果実味。シャープでメリハリの効いた酸味、余韻にはグリップ感のあるほろ苦さが残り様々な表情がエレガントに。

サワラのおかか和えに。ワインの磯の香りがサワラの上品な脂と旨味に調和。が、醤油、みりん、おかかの味付けとのつながりは吟醸香のようなフレーバーを伴う甲州には劣る。相性: ★★★☆☆

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