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「他の人はできているのに、どうして私はうまくできないんだろう」に終止符を

買い物しようとスーパーまで出かけて、セルフレジに商品を全て通したところで「財布忘れた……!」と気づく、リアルサザエさんな私。

「そろそろ洗濯終わったかな」と洗濯機をのぞきにいってみればスタートボタンを押し忘れていて終わるどころか始まってもいない洗濯物とご対面だし、朝に電子レンジを開ければ夕食用に温めたまま忘れていたおかずを発見する。

けっこうポンコツ度合いが高いのです。

だから、いしかわゆきさんの新しい本のタイトルを見たとき、「これは読まなきゃいけない!」って思いました。

この本ね。
『ポンコツなわたしで、生きていく。』


いしかわゆきさんの前作『書く習慣』も好きだし、noteで発信している文章も好きなんですよねー。

ゆるっと等身大の発信で、するする〜っと読めちゃって、ぽんっと心の共感ボタンを押されるの。いつも。

今回のタイトルにもゆるふわって入っている通り、発信を見てるとゆるふわっとした人柄なの。
でも、それでいて、お仕事はバリバリこなしている印象なの、いしかわゆきさんって。新R25で著名人へのインタビュー記事をたくさん書かれているし、noteのイベントに登壇されていたり、プレスリリースなんかも手掛けている!

ポンコツに生きていて、なんでこんなに仕事できるん?って思うじゃん。その秘密、知りたいじゃん。

ポンコツと完璧主義

わたしは、「どうして普通の人ができていることが、自分にはできないんだろう」と思ったら、ポンコツのはじまりだと思っています。

引用:『ポンコツなわたしで、生きていく』47ページ

ほうほう。

「なんであの人も、この人も、みんなできるのに私はうまくできないんだろう」って、これまでに何度思ったかわからないよね。
ってか、こんなふうに思ったことない人っているのか......?ってくらい、私にとって自然なことかも。

とくに社会人になって、「結果」を出さなくちゃいけなくなってからはよりいっそう、そう思うことが増えた。

でね、ポンコツは悪ではないし、治すものでもないから、受け入れて生きていくしかなくて。
その方法のひとつに「完璧主義をやめよう」って提案をしてくれています。

お気づきですか。完璧主義って全然完璧じゃないんですよ。

引用:『ポンコツなわたしで、生きていく』60ページ

わ・か・るー!

完璧主義ってやっかいで、完璧にしたいがために完璧にできないならやらなくていいや的な思考になったりするし、完璧にしたいからいつになっても終わらなくてアウトプットの量が減ってなかなか前に進めなかったりする。

これ、いろんなところで聞くので「完璧主義をやめるほうがうまくいく」って本質なんだろうなーって思っています。

私も意識してはいるけど、気を抜くと完璧主義が出てきちゃうからね、引き続き完璧じゃない自分を許していきたい。
そして、自己肯定感を上げていきたい。

仕事に対する強い想いって、なくてもいいんだ

さて、この本の中でいちばん気になっていた、お仕事について。

私、仕事で実現したい強い想いみたいのが特になくて、それがコンプレックスでした。なんのために働いているのかと考えても、いちばんは「お金のため」でしかなくて。

そりゃ、家族のためにとか、人の役にたちたいとか、困っている誰かを救えたらいいなとか、そういうのもなくはないよ?

でも、社会人やって専業主婦やってフリーランスになった今でも、「私は世の中のために仕事を通してこんなことがしたいんだー-」みたいのは見つからなくて。
なんていうか、大人として未成熟すぎるって思っていた。

「わたしたちは自分の幸せのために働いていて、お金を稼ぐのも、自己実現をするのも、すべては自分の幸せに必要だから」っていうのを読んで、そっか、自分の幸せのためでいいんだって思った。

なんのために働くのか、それっぽいことが言えなくても、「自分の幸せのため」ってシンプルに考えていいんだなって。

驚いたのが、バリバリ自分のやりたい仕事をこなしているように見えるいしかわさんが、

そして、いっちょまえにこんな本を書いているけれど、わたしには、「やりたいこと」がありません。

引用:『ポンコツなわたしで、生きていく』210ページ

って言っていること!

えぇ!ないの!?
成功している人って自分のやりたいことを知っている人だと思ってたよ!?

このことには、特に就活中に一番悩んでいたかもしれません。真っ白なエントリーシートを前に「やりたいことなんてないんだが......」と白目を剥いていました。
むしろ、まわりの就活生たちがガツガツとやっているのを見て、よくもまぁそんなにやりたいことや入りたい企業があるもんだと羨ましく思ったものです。

引用:『ポンコツなわたしで、生きていく』211ページ

え、ちょ、同じなんだが……!

これもまた「やりたいことがあってそれに向かって生きているのが、しっかりとした大人」みたいな思い込みが自分にあったんだな。他の人はできているのに、自分にはそれもない.......みたいな。あ、ほら、ポンコツのはじまり!

やりたいことがなくても大丈夫だよって、お仕事できている人に言われて安心しました。

認めきれていなかった自分の薄皮をむいていこう

どうやら私、自分のポンコツさを知りつつも、どこかで「どうして自分はうまくできないんだろう。こんなはずじゃないのに」って認めきれていなかったみたいです。

それが、この本を読んでちょぴっと「こんなはずじゃないのに」を脱ぎ捨てられたような気がする。

玉ねぎの皮をむいていくように。
まだ茶色い薄皮がところどころ残っているから、これから少しずつむいていこう。
(ところで、玉ねぎの皮ってどこまでむくのが正解なんだろね?半分だけ茶色が残るときとかあるよね。自分がいいって思えるところまでむけばいいか。)

買い物しようと町まで出かけたが、財布を忘れたサザエさん。そのあとに続くフレーズは「愉快なサザエさん」なんだよね。

同じく財布を忘れた私はちっとも愉快だとは思えず、スーパーと家を急いで往復したのがただただ暑かったし、なんだよもうってちょっとイラついた。ネタになるな、とも思ったけれど。

自分のポンコツさを完全に認められたとき、「めっちゃ笑える、愉快!」って思えるのかもね。

そのへんにあるものをしおりにする派。
今回は、娘が作ったけど「いらないから」ってくれたネコ型パソコン。かわいいでしょ。


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