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『プロレス総選挙』の結果を見て、私が感じた事

はじめに

2022.8.13、テレビ朝日系列にて『プロレス総選挙』が放送されました。


第1部が地上波で1時間、第2部はYoutube&メタバース六本木、第3部は地上波深夜帯(一部地域のみ)と、媒体を変えながら長時間にわたり、1位~50位までを紹介する形式で進められました。


『現役で凄い選手は誰か』というコンセプトの投票で、結果に関しては悲喜こもごもといった所…。

ただ、私の中で非常に気になったのは、「ブシロード人気投票じゃん」とか、「どうせ(新日本プロレス中継を放送している)テレ朝だから…」といった、新日やスターダムと言った特定の団体に偏っているとされる意見や反応でした。


この意見は、正直分からなくも無いです。
地上波で放送された第1部で紹介されたファンのコメントなんて、収録場所は新日の会場(大田区総合体育館)やスターダムのポップアップショップ(タワーレコード新宿店)が殆どでしたし、その点で公平なのかという疑問は私自身感じました。


ただ、私も『プロレス総選挙』に投票してみて、『ブシロード総選挙』だと言いたくない理由が幾つかありました。
私なりの疑問点や感想等も幾つかあるので、そうした内容を今回は書いていきたいと思います。


①そもそも、投票の為に動いていたのか?

今回の総選挙企画は6月にリリースされたのですが、「私は投票しました!」と表明していた人が、以前行われたNumberの総選挙に比べても非常に少ない印象…(体感)。


「投票の存在を知らない」、「知っていたけど投票しなかった」などの理由もあるとは思いますが、そもそも、今回の結果に不満を述べている方の中で、「私はこの人に投票したよ!」というアクションを表明していた方は果たしてどれだけいたのだろうか、と私は考えてしまったのです。


選考委員によって決められる『東スポプロレス大賞』や、編集部が決める『週刊プロレス』の表紙とは違い、今回の総選挙は、私のような一般人にも開かれている企画でした。

各順位の詳細の票数までは明かされなかったものの、『ブシロード総選挙や!』と言う前に、キッチリ投票したことを表明して周囲のファンを巻き込むことで、結果を変えていける余地は十分あったと思うんですよね。


実際、1位~50位までに13選手がランクインしたスターダムなんかは非常に分かりやすく、前述した企画のリリース段階から、所属選手が引用リツイート等で反応を見せていました。


私が見る限り、所属選手の複数人が企画にしっかり反応していた団体を他に知りません。
今回の企画に向けて統率を取っていたかまでは分かりませんが、スターダムは良くも悪くも、ちゃんと選挙に"勝つ"ためのアクションを、選手も団体もごく自然と実行していたわけです。


この辺りも、今回の結果に反映されていた気がします。
意外と馬鹿にできない、1票を貰うための地道な働きかけと言いましょうか。
「それが、他の団体やファンの間でも出来ていましたか?」と…。


そんな事を考えた時、過去に私のフォロワー様が話していた事が、改めて胸に刺さるのです…。

「『〇〇(選手名)を呼んだら話題になる』って思ってもらわないと。」

「テレビ番組にレスラーがゲストに出るのはチャンスなのだから、ファンの方から話題にして、『〇〇呼んだら盛り上がるね』ってしていくのも大事じゃないかな?」



②知られる機会の母数

こういう総選挙系で噴出しがちな、新日本プロレスやスターダムに対する批判ないし諦観ですが、この2団体は「色んな人に知られる機会」の母数を多く有している以上、結果に現れるのは致し方ないと思うのです。

電車内でのラッピング広告出稿や、地上波番組がある事など、他団体が中々持っていないアドバンテージが確実にあるわけで。


ただ、これだけのアドバンテージが物事の全てを決定づけているなんて、私は思っていません。
国内業界1位の新日は、他団体に比べても圧倒的認知度とブランド力があるわけですけれど、コロナ禍に一気に動員数を増やしたというスターダムの場合、①で取り上げたようなコツコツ発信している事実も見逃せない訳で。


私の体感になりますが、スターダムの場合、公式Twitter・選手・ファンのいずれかが発信するツイートを、毎日必ずTwitterのタイムラインで見かける印象が強いです。
既存の国内女子団体ですと、スターダムと東京女子プロレスは、この点で他よりアドバンテージがあるんじゃないかと。


そして、ファンは、団体や公式のようにはいかないまでも、寄与できる点は十分残されていると思うのです。

正直なところ、結果を嘆いているよりも、「この選手凄いから!是非!」と言われる方が、前向きに観戦を考えるキッカケになりやすい。
(しつこくない程度の)布教活動は大事だと、私は考えています。



③地上波仕様と、プヲタ目線の違い

今回、私は第1部(1位~15位・TVer)と第2部(16位~30位・Youtube)を視聴していたのですが、地上波とネット配信では、取り上げるテイストに違いを感じる事もありました。


例えば、地上波ですと、鷹木信悟がアニマル浜口ジム出身という個所から"アニマルイズム"が強調されていたり、Youtuberという点が押し出された高橋ヒロムだったり、プロレスファンからは然程話題になっていないような「そこを押すの…?」というポイントがありました。


ただ、プロレスを知らない方に対しては、テレビでも馴染み深いアニマル浜口の存在だったり、人気職業として成立しているYoutuberだったりは、限られた時間内に紹介する上で有効なフックになるんだろうなあ、と私は感じた次第です。


一方、ネット配信だった第2部では、事前に聞いた質問から選手のパーソナルな部分を掘り下げるなど、既存のプロレスファンが楽しめる内容だと感じました。

ただ、28位にランクインした林下詩美を紹介した際、"林下詩美の友人の写真"として【中野ぅたみ】が話題に上がったのですが、プロレス好きじゃない人からすると「同一人物やんけ」と不粋に突っ込まれる可能性もあるんだろうなあ、と思ってしまったり…(よせ)。

試合中の林下詩美から出てしまった、【中野ぅたみ】の振る舞い


故に、今回の企画は地上波と配信で住み分けが出来ていて良かったんじゃないかなあ、と私は思いました。
(とはいえ、地上波の1時間はあっという間だったのも確か…)



まとめ

今回の総選挙の結果に関して、プロレスラーやファンからの反応も様々でした。


悲しむ者に喜ぶ者…。
反応は様々でしたが、私の中で確実に言える事が2つあります。


1つ目は、【選ばれなかった=その選手に魅力がない】では決して無いということ。

2つ目は、選ばれなかったのは(多少なりとも)理由があるということ。


選ばれなかった事実に悔しさを感じたとしても、『ブシロード総選挙や!』と他責にして嘆くだけでは、未来なんて何も変わらない訳で。
それは、政治も同様の事。

実際、私が今回投票した5選手は、全体の結果とイコールにはなりませんでした(最高位は林下詩美の28位)。
1位の入江茂弘、2位の杉浦貴は全体の50位圏内にも入らなかったですし、宮原健斗の48位も正直ショックが大きいです…。


しかし、今回ランクインされなかった・結果がふるわなかった事で、「投票する選手を変える」とか、「投票した選手の応援をやめる」といった行動には繋がらない訳で。
「何で○○が入らないんだ!」と嘆き悲しむくらいならば、投票してから石を投げる方が精神衛生上まだマシですし、好きを他者に広げた方が建設的だと私は思うのです…。


実際、企画自体はTwitterのスポーツトレンド入りするくらい話題になった訳ですし、地上波第1部ではプロレスの話題に疎そうな出演者から、鋭い視点でコメントが出た所も個人的には面白かったです。
このタグを使って、推しを布教するのもアリだと私は考えています。


そんな『プロレス総選挙』の個人的MVPは、後藤弘央紀!


第1部で行われた1位~15位の発表を、番組開始時からソワソワして見守ったものの、結果はランク外…。
それでも、ランク外と分かった段階で、後藤の代名詞となっている #消灯 でしっかりオチをつけてきた逞しさは、もっともっと評価されてほしいのです。


やっぱりパパが強いんだ!!!!


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