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変態プロレス放談

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しがない変態プロレスファンが、プロレスを中心に気付いたこと・感じたことを徒然なるままに書いてみました。 ひとつよしなに…!🙇🙇🙇
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#スポーツ観戦記

事件は現場で起きている~2024.8.21『GLEAT』無配信興行で感じた"三現主義"~

はじめに 2024.8.21、GLEAT後楽園ホール大会。 この日の後楽園ホール大会では、ある試みが話題を集めた。 それは、GLEATの通常興行で実施している【後日配信も含めた動画配信】を一切行わない、無配信形式のハウスショーだったからだ。 過去に横浜ラジアントホールや関西でも開催実績のあるGLEATハウスショーだが、都内で行われたのは今回が恐らく初めて。 しかも、会場規模は過去の2大会に比べて一番大きい。 毎大会、生配信ないし後日配信で必ず映像を出してきたGLEA

初めてWWE日本公演を見た話

はじめに2024.7.27、両国国技館で行われたWWE日本公演を観に行った。 私にとって、この日が人生初のWWE観戦だ。 今回、観戦するという投稿をした時に他の方からこのような反応をいただいたのだけれども、私は元々、海外のプロレスに対して興味や関心を抱いてこなかった。 それは、海外のプロレスが嫌いだからという訳では決して無くて、現地で追えるところに愛着を抱くタイプだからなのかもしれない。 野球でもサッカーでも海外リーグより国内リーグに興味を持つタイプで、プロレスも同じ

そこのけ そこのけ 未来が通る~2024.7.13『清宮海斗vsYOICHI』~

はじめに2024.7.13、プロレスリング・ノア日本武道館大会。 大会終了後に起こった拍手と、会場を後にする観客達の良い表情が、この大会の素晴らしさを物語っていた。 中でも、大会の最後を飾った『清宮海斗vsYOICHI』によるGHCヘビー級王座戦は、プロレスリング・ノアの歴史に新たな1ページを刻む素晴らしい試合になった。 NOAH生え抜きの新世代同士による一戦で示されたのは、NOAHの未来だけではなかったと私は思う。 清宮とYOICHIが上げてきた地力。 2021

現実という名の光について~2024.7.3『上谷沙弥vs世羅りさ』~

はじめに2024.7.3、新宿歌舞伎町。 2024年も下半期に突入したばかりという夜の繁華街を歩きながら、数十分程前に見た試合の熱と余韻に浸っていた。 帰宅してすぐにノートパソコンを立ち上げて、ミラーレスカメラからSDカードを取り出してPCに差し込み、Spotifyで好きな音楽を聴きながら会場の客席から撮影した写真データをハードディスクに移していた最中、ランダム再生していたプレイリストから上記の曲が流れてきた。 私はnoteを書く時は、撮影した写真、自分の感想、最近自

ハートに火をつけて~2024.6.22『安納サオリvs岩田美香』~

はじめに「岩田だってそんなサオリ求めてねえぞ!!!」 国立代々木第二競技場に包まれた静寂と緊張を切り裂く、男性客の叫びがこだました…。 「黙ってろ!!」 リング上で安納サオリを叱咤していた なつぽい、安納サオリに勝利した岩田美香が、ヤジが放たれた客席の方向に叫び返した。 大会終了後はヤジに対する批判的意見も見られた中、スターダムの岡田太郎社長が観客と選手をフォローした内容を投稿するという、異例の事態に発展した。 2024.5.21に行われたプロレスリング・ノア後楽

復帰戦の効能について考えたこと~2024.6.9『AMAKUSA&宮脇純太vsアレハンドロ&クリストバル』~

はじめに2024.6.9プロレスリング・ノア後楽園ホール大会で、約10ヶ月ぶりに戦列復帰を果たしたAMAKUSA。 その復帰戦を終えてリングを降りる直前、目元を拭い下を向く1人の選手がいた。 彼の名は、宮脇純太。 2016年8月にデビューした、NOAHのJr.ヘビー級レスラーだ。 復帰したAMAKUSAではなく、パートナーを務めた宮脇が泣いている。 何となくだけど、外野から見ていて、思い当たる節は一つだけあった。 2023.8.10、プロレスリング・ノア後楽園ホール

2年越しの理想形~2024.5.29『小峠篤司vs秋山準』~

はじめに 2022.6.12、『サイバーファイトフェスティバル2022』で組まれた『樋口和貞&遠藤哲哉&秋山準vs稲村愛輝&小峠篤司&中嶋勝彦』によるDDTvsNOAHの対抗戦。 戦前に注目を集めたカードにもかかわらず、開始から間もなくして遠藤が中嶋の張り手一発でレフェリーストップ負けという、あまりにも衝撃的な結末で試合は幕を閉じた。 今振り返ってみても相当の賛否を生んだ一戦だったと思う。 私はこの試合そのものの評価を付ける事は出来ないし、それは難しいと感じていたけ

あなたに、ここに、いてほしい~2024.5.30『室田渓人vsマスクドミステリー』~

はじめに「今日、ガンバレ☆プロレスのイベントがやってるみたいなんだけど、俺、そのバーに行ったことがないんだ。」 2023.9.5、下北沢にあるバーで一杯だけ引っかけに行った夜に、偶然バーで出くわした知人から、このような告白を受けた。 知人と言っても、私より歳が一回りも上の先輩だ。 プロレスがキッカケで知り合った私達だけど、その知人と会う度に「こんなプロレスのカードがあったら面白くない!?」と言われることもしばしば。 でも、そのドリームカードが本当に実現したら面白そうな

プロレス場放浪記~第5回・痛快屋外プロレス 風雲!千葉城~

はじめに一生のうち、一度は生でプロレスを観たい場所がある。 SNS上に出てくる他の人の写真がキッカケで、そのように感じた会場は幾つかあるけれど、行けない理由は様々だ。 プロレスの興行の開催数は多いけれど、地方などの遠方にある場合。 その場所で中々プロレスの興行が行われない場合。 (年1回のイベントプロレスに多い) 今回訪れた場所は、後者にあたる。 年1回、夏に入る時期に開催される、2AWの千葉城プロレスだ。 SNS上で目にしていた、千葉城を背景にした選手の入場シ

プロレス場放浪記~第4回・好きです かわさき 電流爆破~

はじめに率直に言って、私は深く感動していた。 屋外で行われた電流爆破デスマッチを見て、多くの人達が盛り上がっている光景に。 そして、その電流爆破デスマッチが、プロレスファン以外の人達に受容されていた雰囲気に。 2024.5.11、川崎フロンターレが企画したイベント『ボーイズビーアンビシャス』内で行われた、電流爆破デスマッチ。 当初は2022年夏に予定されていたものの、台風によりサッカーの試合自体が中止に。 それに伴い中止となったイベントが、約1年9ヶ月振りに実現した

『WRESTLE MAGIC』を生観戦した感想を振り返る

はじめに 2023年秋~冬にseason1(全5大会)、2024年4月にseason2(全4大会)が開催された、プロレスリング・ノアの『MONDAY MAGIC』。 「NOAHの熱い戦いを連続ドラマのように多くのプロレスファンの皆様に楽しんでいただく」というコンセプトの下、月曜夜に開催された同ブランドでは基本的に全カードが当日発表。 参戦選手や試合数、試合形式すらも殆ど分からない中で行われる実験的な大会だったが、結果的に全9大会が満員。season1初回を除けば前売段階

『MONDAY MAGIC』season2を全部生観戦した感想を振り返る

はじめにプロレスリング・ノアが2023年に立ち上げたブランド・『MONDAY MAGIC』。 2023年10月~12月にかけて全5大会が開催されたseason1は、ブランド名通り月曜開催という条件でも、初回を除く大会が前売り段階で完売する盛況っぷり。 season1最終回では、2024年4月に全4大会からなるseason2が発表されると、チケットも全4大会が前売り段階で完売。 2024.5.4に控える『WRESTLE MAGIC』に向けた強化月間とも言うべき側面も強いs

DO YOU WANNA DANCE WITH ME?~2024.4.11『拳王vs清宮海斗』~

はじめに 2010年代後半から、プロレスリング・ノアの看板カードに定着したライバル関係がある。 それは、『拳王vs清宮海斗』だ。 2019年11月の両国国技館メイン、日本武道館でもタイトルマッチが複数回組まれるなど、近年はビッグマッチでの対戦が多い両者の一戦は、これまでに11回実現した。 戦績では7勝4敗で拳王が勝ち越しているものの、直近2試合はGHCヘビー級王座戦で清宮が連勝中。 過去にGHCヘビー級王座戦5回、GHCナショナル王座戦2回と度々タイトルと団体の舵を

約束~2024.3.30『中嶋勝彦vs安齊勇馬』~

はじめに「あの三冠戦は何なんだあ!!!あれをどう思う!?」 2024.3.30、東京都大田区。 プロレス観戦終わりに偶然遭遇した年長の知人に会うや否や、肩をゆすられて、いきなりこう言われた。 咄嗟に「これは一緒に飲みに行かないといけないな…!」と察した私は、知人に提案する形で、蒲田駅近くにある中華料理屋まで移動する事にした。 会場から店までの移動中に交わした知人との話は、この日の全日本プロレス大田区総合体育館大会で組まれたメインイベント・『中嶋勝彦vs安齊勇馬』で占め