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プロレス場放浪記~第4回・好きです かわさき 電流爆破~



はじめに

率直に言って、私は深く感動していた。

屋外で行われた電流爆破デスマッチを見て、多くの人達が盛り上がっている光景に。

そして、その電流爆破デスマッチが、プロレスファン以外の人達に受容されていた雰囲気に。


2024.5.11、川崎フロンターレが企画したイベント『ボーイズビーアンビシャス』内で行われた、電流爆破デスマッチ。

当初は2022年夏に予定されていたものの、台風によりサッカーの試合自体が中止に。
それに伴い中止となったイベントが、約1年9ヶ月振りに実現したのである。



高圧電流が流れる電流爆破バットを用いて、相手選手を爆発させることが勝負の分かれ目となる電流爆破デスマッチ。


プロレスファンの中でも「めっちゃ面白い!」、「あれはプロレスじゃない!」と意見や賛否が分かれる試合形式なのだが、その電流爆破デスマッチを、サッカーの試合前に会場近くの広場で行うというのだ。

これはもう、行くしかない!


そして、電流爆破デスマッチを観に行く為にサッカー場まで足を運ぶのだから、どうせならサッカーの試合も見ておきたい!


ということで、電流爆破デスマッチ⇒サッカーのハシゴ観戦をしてきました!


今回は、川崎フロンターレの本拠地でもあるUvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)周辺で過ごした1日を記事で振り返っていきます。


整理券と、魅惑のユニフォーム

今回の『ボーイズビーアンビシャス』内で行われるプロレスの試合は全2試合。
2試合目の電流爆破デスマッチのみ、開催当日に整理券350枚が配布されるのだという。

サッカーの場合、J1リーグ公式戦で土曜の昼なら、1万人台は当たり前のように来場するだろうし、単純計算で考えたら整理券の倍率は相当高くなるはずだ。
それに、今回行われるプロレスで、リングの場所や席配置もどんな感じになるのか分からない。


念には念をと言うことで、私は整理券が配布される約2時間以上前に現地に着くよう行動した…。

朝9時頃の武蔵小杉駅前の様子。


バスを使って会場周辺まで近づくと、徒歩5分程で目的地に到着。


会場周辺は飲食売店やグッズ売店などのテント設営が行われている最中で、私が見渡す限りスタッフやイベント関係者が殆どだった。
今回プロレスが行われる等々力野球場横のスペースでは、既に選手達がリングを設営しており、場所は間違っていないと安堵したのである。

整理券の列が見当たらず、近くにいたスタッフの方に確認したところ、「今設営しているところで、もう少ししたら並べると思います!」という回答をいただいた。


つまり、私は期せずして、整理券待機1番目の男になってしまったのである。
(正直、結構人がいると思っていたので想定外…)


9:30頃から整理券列が形成されるも、最初の1時間は50人もいない状況で、寧ろ近くにあるグッズコーナーに並ぶ人達の方が多かったほど。グッズ待機列の長さを見て、「サッカーって凄いんだな…」と私は圧倒されてしまった。


電流爆破の整理券を求めて並んでいる人達の殆どはフロンターレのユニフォームを着用しており、水色に染まる待機列に圧倒された。
プロレスファンと思しき格好をしている人は、私も含め少数だった。

当日の座席表
整理券と言うよりは、色が付いた箇所に入れる【優先エリア入場券】で、色の付いた箇所より外側でも試合は観戦できた。


そこでふと、私の脳裏に浮かんできたのだ。

「ユニフォーム、欲しくなってきちゃったな…」


サッカーのユニフォームは、決して安い買い物とは言い難い。基本的に1.5万円~2万円弱は覚悟しないといけないことは、プロレスファンになる前にサッカーチームを応援していた時に痛感していることだ。

それでも、今年リリースされた"カルチャーユニフォーム"に私は目を奪われた。


ユニフォームの背番号やネーム欄は川崎大師で浄書されたものが採用されているという凝った作りで、しかも限定品。

背番号入りだと22,000円という高額出費なので非常に迷ったのだが、無事整理券を手に入れた後にノリと勢いで決断した。


「明日からの自分が稼いで頑張ってくれるよ、きっと!」

家長昭博!!!!


クレカの支払いが怖いね!!でも、一片の後悔なし!

でも、川崎大師の浄書には勝てなかった…。
(あれは欲しくなる🥺)

カラビナ付きミニポーチもおしゃれ


その後、電流爆破デスマッチを観戦しに訪れた知り合いの方と遭遇し、乾杯🍻


この頃には、スタジアム周辺にも多くの来場者が訪れ始めていた。



青空とプロレスと電流爆破

そして、この日の主目的であったプロレスの試合がスタート。

13時過ぎから始まった第1試合は、前述した整理券が無くても観戦可能だったが、この時点で既に人が多い。

あきば栞(プロレスリング・シークレットベース)
ミス・モンゴルとパンディータの掛け合い
最後はミス・モンゴルが2人纏めてフォール!


第1試合が終了すると、一旦観客は観戦スペースから退場して、改めて整理券番号順に列を形成⇒入場していくことになった。


今回、整理券は【立見席】と【階段席】の2種類が存在していたのだが、前述したプロレスファンの方から「1番目なんだから、どうせなら立見の真ん中を狙った方がいいよ!」と後押しを受けて、立見席の最前列中央へ。


そのプロレスファンの方によると、今回電流爆破デスマッチに出場する大仁田厚の団体・FMW-Eでは、電流爆破デスマッチが見れる最前列のチケット代は30,000円もするのだという。

一概に比較できないとはいえ、前述した22,000円のユニフォームを購入した直後だと、相当おトクな話にも聞こえてきた。
最前列は不安だったけど、ポールポジションを確保できたことに、まずは一安心…。

整理券配布時に渡された耳栓。
フロンターレのホスピタリティーの高さに感動…。


そした、待ちに待った電流爆破デスマッチがスタート。

入場シーンの時点で既に出来上がっている会場の空気感は流石!


リングアナによる入場コールが終わるやいなや、両陣営による大乱闘からゴングが鳴った。


ほどなくして、電流爆破バットで1度目の爆破。


以前、大田区総合体育館の後方席で聞いたことのある電流爆破バットの爆破音に比べると、火薬の量は抑え気味。
ただ、それでもインパクトは抜群で、会場からは大きなどよめきが起こる。


直後に大仁田が3vs1の状況で追い込まれるも、毒霧で反撃!
この日は風が強いこともあり、大仁田の吹いた毒霧が風に乗って最前列の観客にかかる(笑)。
汚れなかったからOKだ!!!


そして、大仁田名物・長机へのパイルドライバー!


しかし、大仁田が再び空いてチームに捕まってしまうと、2度目の電流爆破バット!

シャッターのタイミングが僅かにズレただけで見映えも違う。難しいね。


直後に大仁田達が反撃攻勢に転ずる。

リッキー・フジのカミカゼ!!


大仁田もパイルドライバーで破損した机の残骸を用いて、相手チームの怨霊や櫻井匠の頭部をメッタ打ち!
この時の木屑も、強風に乗って客席へ飛んできた。まさに体験型アドベンチャーのようだ。


最後は大仁田達が3vs1の状況で櫻井を追い込むと、大仁田と雷神矢口が電流爆破バットを握り、櫻井をサンドイッチする形で爆破!


この一撃が決定打となり、大仁田厚が見事勝利!
会場中からは、大仁田コールが自然発生した。


試合後、GLEAT所属の河上隆一が登場して、大仁田と電流爆破デスマッチでパートナーを組みたいと直訴!
イベントプロレスで他団体の選手がサプライズで直訴してきたの、初めて見た…。
でも、その心意気やヨシ!!!


「お前、GLEATをクビになってもいいのか?」と河上に問いかけた大仁田は、フロンターレサポーターの水色で染まる観客席の中に、北海道コンサドーレ札幌の赤いサポーターを発見。
1人だけ他サポの中に混ざって観戦していたコンサドーレサポーターを絡めながら、単独で乗り込んだ河上を讃えると、タッグ結成を受諾!


初めてのはずなのに、めちゃくちゃ馴染んでいる2人(笑)。


最後は大仁田の「1、2、3、ファイヤー!!!」で、イベントプロレスは大団円を迎えたのである。


前線も爆破していたサッカー

電流爆破デスマッチが14:30過ぎに終わると、15:00開始のサッカー観戦に間に合わせるため急いでスタジアムへ。

この日はRIZINとのコラボということで、スターティングメンバー紹介はレニー・ハート!
テレビで聞いていた声が生で聞けるの、テンション上がっちゃいますね!

これが噂のレニー・ハートか…
選手ビジュアルもRIZIN仕様!


そして、試合前の始球式は、総合格闘家の上田幹雄と所英男によるPK対決方式で実施。


なお、この最中に大仁田は【等々力1年出禁】になったとのこと(笑)。
芸が細かすぎるよ!!


そして、川崎フロンターレvs北海道コンサドーレ札幌の試合がキックオフ。


この日は何と言っても、バフェティンビ・ゴミス!


前半だけでハットトリック達成と、試合前までノーゴールだった事が信じられない大活躍。
サッカー素人の私から見ても、ゴミスにボールがピタっと収まっているのがハッキリ分かるほど、違いを見せていた印象。


後半に入るとコンサドーレも立て直したことで一進一退の攻防が続くものの、前半に奪った3点のリードを守り切ったフロンターレが勝利。


試合後のMVPも、満場一致でゴミス!!


まとめ

プロレスファンですらアレルギー反応が強く出やすい、大仁田厚と電流爆破デスマッチの存在。

劇薬とも言えるこの2つを川崎フロンターレは上手く扱いながら、会場中に多幸感をもたらし、晴天も味方したことで非常に思い出深い光景となった。


こういう言い方をすると燃えそうだけど、川崎フロンターレのプロモーション担当とかイベント企画は「プロレスが上手いな」と実感。

大仁田の【等々力1年出禁】のくだりも含めて、まさに分かってるとしか思えない扱い方だったから(笑)。


そして、終始ノリが最高だったサッカーファンの皆様に感動!
「電流爆破デスマッチなんて要らない!」って言うプロレスファンも少なくないので、徹頭徹尾歓迎ムードが絶えなかった光景に、思わずグッときました。


電流爆破デスマッチも見れたし、サッカー観戦でハットトリックも見れたし、ユニフォーム買っちゃったし、こういうプロレス観戦もアリだよね!

楽しかったです!



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