マガジンのカバー画像

ミュージック・マガジン編

100
ミュージック・マガジン誌「50年の邦楽ベスト100」で取り上げられているアルバムを扱った記事たちのまとめです。
運営しているクリエイター

2023年6月の記事一覧

プラスチックス『ウェルカム・プラスチックス』(1980)

アルバム情報アーティスト: プラスチックス リリース日: 1980/1/25 レーベル: Invitation(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は39位でした。 メンバーの感想The End End  なんて不敵な笑みを浮かべているんでしょう、肩肘張っちゃってどうするの?とでも言いたげな顔でコーナーを突いた球を投げ込んでくるからタチが悪い。リズムボックス担当のメンバーは、“インベーダーが上手いからリズムボックスのボタン押すのも上手いだろう”ということでリズ

坂本龍一『B-2 UNIT』(1980)

アルバム情報アーティスト: 坂本龍一 リリース日: 1980/9/21 レーベル: アルファレコード(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は64位でした。 メンバーの感想The End End  一曲目からホントに最高。オウテカなんかにハマっていた頃、同時に出会って超興奮したのをよく覚えている。“アンチYMO的なものを”と意気込んで作った作品であるわけだけど、どう考えても結果として『BGM』以降のYMOの雛形になっているサウンドだと思う。その辺、教授にとっては

山下達郎『RIDE ON TIME』(1980)

アルバム情報アーティスト: 山下達郎 リリース日: 1980/9/19 レーベル: AIR/RVC(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は22位でした。 メンバーの感想The End End   “映える”音になったな、という感想。私の知っているヤマタツになられた…うーん、決して嫌いではないんだけど、楽しむことはできるんだけど、なんか好きって言えない。お洒落であろうとしているものが肌に合わないのかもしれない。  どちらもほとんど知らない頃、うっすらしたイメージ

大滝詠一『ロング・バケイション』(1981)

アルバム情報アーティスト: 大滝詠一 リリース日: 1981/3/21 レーベル: NIAGARA(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は3位でした。 メンバーの感想The End End   “良い音”とは必ずしもハイファイであることとは一致しないのだ、ということを聴くたびに思い知らされる。これはローファイの魅力ともまた別の位相の話で、ガラスのような、ビニールのような、とにかく声とこちらの間に何かが一枚挟まっているようなボーカルの質感や、エコーによってそれぞ

INU『メシ喰うな!』(1980)

アルバム情報アーティスト: INU リリース日: 1980/3/1 レーベル: ジャパンレコーズ(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は20位でした。 メンバーの感想The End End  田中宗一郎氏が“ポストパンクとはつまるところ、冷や水を浴びせること”というようなことを言っていたのを覚えているのだけど、「つるつるの壺」の“オイ!!!!!”でまさにそれを感じた。メタでパンクをやってる感じ。全部を斜めに見てる感じが、俺たちのツボなのかな…  全曲、結局のと

Phew 『Phew』(1981)

アルバム情報アーティスト: Phew リリース日: 1981/6/25 レーベル: パス・レコード(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は29位でした。 メンバーの感想The End End  「KODOMO」の、フィードバックを上げたディレイによってフランジングしながら伸びていくパーカッション、ハイパーポップのそれじゃん。  音程が一定な歌を聴くと、能とか念仏とか祈禱とか、そういう印象を受ける。そこから結びつけて音色に触れると、テクノロジーの中に何か魔術的な

イエロー・マジック・オーケストラ『BGM』(1981)

アルバム情報アーティスト: イエロー・マジック・オーケストラ リリース日: 1981/3/21 レーベル: アルファレコード(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は46位でした。 メンバーの感想The End End  聴くといつも思うのは、やはりリズムマシンというものが登場すると一気に馴染みのある“テクノ”になるな、ということ。記譜でもヘッドアレンジでも直線的なプログラミングでも自然にはこうならない、16ステップのループに乗っかって作らないとこうはならない気

暗黒大陸じゃがたら『南蛮渡来』(1982)

アルバム情報アーティスト: 暗黒大陸じゃがたら リリース日: 1982/5 レーベル: Ugly Orphans Records(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は13位でした。 メンバーの感想The End End  10代で聴いてたらデカい衝撃を受けてたかも。素晴らしいと思うのだけど、個人的な嗜好として、あまりにも肉体的なアンサンブルに出会うと怖くなってしまって入り込めないというのがあり…なんだか、よく分からないのだけど、自分の中の何らかのコンプレック

山下達郎『FOR YOU』(1982)

アルバム情報アーティスト: 山下達郎 リリース日: 1982/1/21 レーベル: AIR(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は22位でした。 メンバーの感想The End End  スティーリー・ダンの『Gaucho』やドナルド・フェイゲンの『The Nightfly』を想起する音像。  最近レコードプレーヤーを手に入れたのだけど、少ない手持ちのレコードを聴いたり色々調べたりしていて思うのは、“良い音”と“原音に忠実”みたいな観念はイコールではないというこ

ザ・スターリン『STOP JAP』(1982)

アルバム情報アーティスト: ザ・スターリン リリース日: 1982/7/1 レーベル: クライマックスレコード(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は52位でした。 メンバーの感想The End End  カッコイイ。「ロマンチスト」と「ワルシャワの幻想」だけでも、歴史に名を残すパワーがあると思う。人を変える力を持った歌というやつ。  とはいえ、急かされながら新曲を量産しなければいけない状況だったことを差し引いてもアレンジ/プロダクションは総じてあまり達者では

佐野元春『VISITORS』(1984)

アルバム情報アーティスト: 佐野元春 リリース日: 1984/5/21 レーベル: EPIC(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は28位でした。 メンバーの感想The End End  この企画では初めて80年代だ!!ってなった。この音、今までの人たちは出してなかった。PCM音源の到来?フェアライトとか、シンクラヴィアとか、そういった類の音がする…例えば細野の『S-F-X』を聴くと、何のことを言ってるのか分かるはず。(私は細野晴臣の歴史しか知らないので、事あ

戸川純『玉姫様』(1984)

アルバム情報アーティスト: 戸川純 リリース日: 1984/1/25 レーベル: ¥EN(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は82位でした。 メンバーの感想The End End  近く聴いた、そして坂本龍一が手がけたPhewと比較するなら、細野プロデュースのこちらの方がよりシンガーとしての地力によって立つ作品だという印象。様々な声色と熱量を使い分けて歌詞とメロディの持つ力を最大限に発揮させている、或いはシンガーの力をよく引き出したプロダクションである。  

竹内まりや『VARIETY』(1984)

アルバム情報アーティスト: 竹内まりや リリース日: 1984/4/25 レーベル: MOON(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は97位でした。 メンバーの感想The End End  あ、相容れない…「ふたりはステディ」の歌詞で流石にひっくり返ってしまった、この夫婦、ちょっと陽キャすぎる、、、  山下達郎のソロ作品と比べるのが適切かは分からないけど、リバーブの質感が違う。透き通ってどこまでも抜けていく感じじゃなくて、少しくぐもった質感。楽器の音もパキパキ