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夢追翔のDream on ~走り続ける一人のにじさんじライバーの軌跡 にじさんじのありふれた日常 そのさん


森ん中の小さなライブハウスで作曲と歌をやってます。
僕の作品が、世界中のあなたに届きますように。                                            「夢追翔のJUKE BOX」 Youtube自己紹介より

にじさんじが「ライバーが夢を追う場所」と言われ始めたのは、実は2020年に入りRaindropsをはじめ、メジャーデビューするライバーさんが増えて来たころだった気がする。その前、seedsが出来た頃は、むしろわけのわからない軍団が、わけの分からない時間に集まってどんちゃん騒ぎをしていた印象が強烈にあった。

しかし、2019年の混沌の時期から、ひとりだけまっすぐ「バーチャルの垣根を超えて、ひとりのアーティストとして認知されること」を目標に掲げ、まっすぐ活動し続けてきた男がいる。

今回は「夢を追う場所」としてのにじさんじを象徴する男、夢追翔くんについてかいてみよう。


夢追翔の活動は、「死にたくないから生きている」の投稿から始まっている

夢追翔くんの記事は、ほえるーさんのものが鮮明で詳しい

この記事からは、実際のフラスタ事情まで知ることができる


司会と脚本 ーー個性をあえて消すこと


--Eighty percent of success is showing up.                                                             Woody Allen -film director, writer, actor , comedian


2019年2月3日の「にじさんじの日」放送で初めて司会を行った

最初に夢追くんの司会を見たのは人狼でだった。機材トラブルなどが起きても瞬時に雑談などで、間を持たせる姿にびっくりしていた


司会は「あえて個性を消さなくてはできない」ことである。本人曰く、お金を稼ぐために行っていた仕事で人前で話す経験が多く、話すこと自体に苦手感はなかったが、それでも緊張していたために台本を丸憶えしたり、人との絡み方のパターンをいくつも作り上げていたという。

相手の出方をうかがうということは、一見、受け身で積極性に欠ける行為に見えるかもしれない。しかし、想像してみてほしい。突然うんちを投げつける悪魔や、下ネタ全開の先生をはじめ、それぞれベクトルがバラバラの人々のあいだにはいって、その全ての会話のパターンを考え込んでいたとなれば、それはとんでもない努力量である。



嘔吐プレゼンの際には、「推しに一番病んでいて欲しい」と言い放ち、とんでもないマシュマロやライバーの闇をまるで実話のように描いて提出した(実話ではなく、あくまで二次創作なのでご安心を…)


にじさんじの中で、司会や脚本に入るということは、色々な人との力の差を感じることでもある。2019年にリリースされた「人より上手に」は、当時伸び悩んでいた時の心情がくっきりと表れている。(個人的には、個性ではなく「上手」という言葉を使ったのがポイントかな…)


PUNPEEの夢追人は夢追くんがお休みしていた時期にリリースされた一曲。

Singer As Jukebox ーー虎視眈々と牙を磨いた2020年、そしてファーストアルバムへ

OxTのUNIONを投稿するに際して、夢追くんは合計7時間に及ぶ練習放送を敢行。「どう夢を追っているか」をも見せる結果になった。

2020年に諸事情でお休みをしてからの夢追は、ゲーム実況と歌に活動を振り切っていく。それは良くも悪くもそれまで自分を象徴していた「司会」という役割から、自らが夢の主人公になる道を選んだことになった。


夢追の憧れの人は緑仙。シンガーや企画をやる人として先に活動を続けていた緑仙は、(性癖含め色んな意味で)近くにいながら憧れの人だった。2020年にはお互いごたごたがあったので、何故か3D配信で反省会(?)をすることになった。


夢追の声の武器は、ラップにも耐えうる英語発音力と、hihiAにも届く超高音ボイスだった。これは、彼が初期から歌い続けているアレクサンドロスから受け継いだものと考えられる。アレクサンドロスの曲は、J-POP界の中でも最高難易度と言われる


司会のように、誰かに囲まれた形ではなく、「夢追翔」本人を知りたいとなると、この二つの動画がおススメ

2020年からの夢追の活動は、虎視眈々と牙を研ぐように、活動を続けて言った。時には謎のデトロイトBANに泣き、NierやMotherの実況を続けながらも、ひたすらに楽曲制作とカバー曲に打ち込んだ。そして先日ついに1stフルアルバム「絵空事に生きる」が発売された。

01.弱きに寄り添う
02.僕のあたまから出ていけ
03.ミタサレナイトガール
04.大嫌いだ
05.カケル
06.人より上手に
07.オリジナリティ欠乏症
08.死にたくないから生きている
09.青空を睨む


夢追くんの歌詞は、もはや解説とかが必要がないほどまっすぐである。そして、その多くは、配信者が抱える悩み、承認欲求、自己嫌悪を歌の中でまるで疑似体験させるものになっている。

これらの歌詞が、果たして夢追君本人の体験なのかはわからない。ただ、一つ分かることがある。それはこれらの曲は、夢追翔がにじさんじのライバーとして、他のライバーの中に居なければ、ここまで純度が高く歌うことはできなかっただろうということである。自らも、あるいは他のライバーさんもにじさんじの中でトラブルに巻き込まれなかったり、悩むことがなかった人はほとんどいない。そのライバー同士のふれあいの中で得たものを、まっすぐに歌にしたのが、夢追君の歌である。



夢追翔の存在は、常に絵空事を描き続けるにじさんじライバーたちの姿のOrigin(起源)として、いつまでも輝き続ける。


(おまけ)

タイトルは、AerosmithのDream onから

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