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9:メンバーの採用

私はDeNAを創業した南場智子氏を尊敬しています。
南場氏の著書「不格好経営」には、以下の記載があります。

創業期から一貫して多大な時間とエネルギーを費やしてきたのが採用活動である

出版された2013年当時、コンサルタントだった私はこの一文を読み、南場氏の考えが全く理解できませんでした。
自分と同じ戦略コンサルタントであった南場氏が、なぜ戦略より採用に重きを置くのか、当時の私は理解できなかったからこそ、この一文をペンで色付けし、逆に、心に残る一文となっていました。

この南場氏の言葉を、実感を伴って理解できるようになったのは、自分自身が創業してからです。

経営者になった私は、毎日「決断」の連続です。
事業の戦略に関わる大きな決断もあれば、どの備品を買おうかというレベルの小さな決断もあります。

1つ1つの決断の積み上げが事業を形成していると考えると、自分の思い通りに事業を運営しようと思えば、全て自分で決断するしかありません。
しかし、事業が大きくなればなるほど、全部自分で決めることはできなくなります。また、事業をスピード感を持って進めていくには、担当するメンバーが権限を持って、その場で決断していってもらった方がよい場合も多いです。

したがって、スピード感をもって事業を大きくするためには、一つ一つの決断を任せられるような、信頼できるメンバーがいることが事業にとって、非常に重要となってくるのです。

私の場合、FOOD JEWELRY株式会社では、組織作りに時間がかかったため、大変苦労しました。
立ち上げた最初の1年目は、百貨店での催事など単発でしか売上が立たず、社員を雇用することもままならなかったためです。
そのため、業務を任せられるメンバーがおらず、経営から現場の仕事まで全部やらざるを得ませんでした。催事の度に現場の責任者として売り場に立ち、生産量が足りないときは生産に加わりました。
2年目に、東京の渋谷ヒカリエに常設店を持つことになり、社員を採用できることになって、ようやく組織作りをスタート。販売と生産それぞれに社員を雇用し、権限を委譲することによって、私は経営の仕事に集中できる環境がようやく整いました。
確かに、現場を把握し、お客様の声を聞き、メンバーと信頼関係を作る、という意味では有意義な1年目でした。
しかし、経営者の時間の活用方法としては、バランスを欠いていたとも思います。経営者の時間はとても貴重です。自分の時間を何に投資するかによって、事業は大きく変わります。
事業を拡大する上で、適切な人を適切なタイミングでチームに採用することは経営者として最も重要な仕事だと痛感した経験です。

ポイント9:適切なタイミングで適切な人を採用することは、経営者としての重要ミッションの一つ

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