誰かにとっての「改善」は、別の誰かにとっての「改悪」でもあった
noteのホーム画面がいつの間にか変わっていました。
個人的には特に可もなく不可もなくという感想ですが、「こっちのほうが使いやすい」という人もいれば、「前の方が良かった」という人もいると思います。
最近は色々な商品やサービスが「改善」という名のもとに仕様や価格が変更されていますが、これを「改悪だ!」と怒る人もいるのでサービスの提供側としては悩ましい問題です。
おそらく「改善」する側の人は万人に喜ばれることを考えていると思いますが、残念ながら世の中には様々な人がいるのでどんなに頑張っても全員は喜んでくれません。必ず文句を言う人がいるのが現実だと思います。
こうなると「全員は無理なら、せめてなるべく多くの人に喜んでもらおう」とマジョリティの都合に合わせて変えるという発想になりがちですが、ビジネスの世界ではお金をたくさん払ってくれる人がマジョリティとは限りません。
マイノリティのほうがお金を払ってくれるなら、むしろマジョリティの都合を切り捨ててもマイノリティに喜ばれるような「改善」を行ったほうが合理的です。
例えばアトラクションに乗るために長時間並ぶことで有名なディズニーランドで金を払えば待たずに乗れる「プレミアアクセス」というシステムを導入しましたが、何と1回2000円という結構なお値段だったりします。
2時間並ぶ替わりに2000円払える人はそうそういませんので、この「改善」はマイノリティである一部のお金持ち向けのサービスと言えます。
ただそうなると2000円も払えない大多数のお客さんはプレミアアクセスを持っている客を先に通すために待ち時間が更に長くなりますので「改悪」と感じる人も出てくると思います。
もしかしたら「何だよ!金持ちばかり優遇しやがって!」と怒り出す人もいるかもしれません。
ただディズニーランドとしてはお金をいっぱい払ってくれるお客さんに喜んでもらえるのでメリットはあります。絶対に表立っては言えませんが、心の奥底で「いや、アンタのための改善じゃないから」と言っている可能性もあります。
職場でも同じことがあり、例えばある職場では事務の負担を減らすために業務プロセスを見直し、結果的に事務を担当する社員にとっては楽になりましたが、前工程を担う営業の社員の負担が増えたという「副作用」がありました。
もちろん「全社最適」という視点で営業の負担が多少増えても事務の負担を減らした方が良いという判断ですが、少なくとも営業の社員にとっては「改悪」以外の何者でもないので納得を引き出すのは至難のわざです。
結局のところ職場で何かを「改善」するときに影響を受ける人がいるとしたら、変に取り繕って「改善することでバラ色の未来が・・・」と言うより、「これは〇〇のための改善です。申し訳ないけど一部の人には泣いてもらいます」と明言したほうが良いかもしれません。
後で「何だよ!これじゃ改悪だよ」と言われるよりも、最初から「あなたにとっては改悪です」と言って腹を括っていただくことで、実際に犠牲になる人も受け入れてくれる可能性があります。
最近は「値上げ」や「サービス内容の削減」といった消費者目線では「改悪」に感じることも多々ありますが、中で働く社員にとっては負担が減るので「改善」になります。
そういうわけで、もし自分が愛用しているサービスが「改悪だ!」と感じたらその裏で誰かが喜んでいるかもしれないと思えば、少しは受け入れられるような気がします。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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