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発信時に他人の「地雷」を踏まないために気をつけていること

今や誰もが気軽に発信できるようになりましたが、一方で思わぬ地雷を踏んで炎上してしまうリスクも常に付きまといます。

1対1なら目の前の人に配慮して発言すればある程度地雷を回避することは可能ですが、このnoteのように1対不特定多数かつ相手の顔も見えない中で発信すると、つい誰かの地雷を踏んでしまうこともあると思います。

SNSでの発信と同じ状況が研修講師にも言えます。研修講師は相手の顔は見えるものの、基本的に多数の相手に対してメッセージを発信していきますので、ちょっとした一言が大問題に発展する可能性があります。

守秘義務がありますので詳しくは言えませんが、抽象的な概念を説明するために講師が使った例え話がある受講者のトラウマを呼び起こしてしまい、顧客から大きなクレームになりました。

もちろん講師としては受講者を傷つける意図は毛頭なく、使った例え話も特定の誰かを揶揄するものではありません。それでもその受講者にとっては辛い記憶を思い出す話であったので「不適切な発言」として扱われてしまいました。

私も研修講師をやることがありますので、上記の話は他人事ではありません。何気なく話した些細な一言が命取りになることもありますので、発信時には地雷を踏まないよう細心の注意を払っています。

ご参考までに私が発信時に特に気をつけていることは以下の3点です。

1.感想、意見はすべて「Iメッセージ」で発信する

「Iメッセージ」とは私(I)を主語にする言い方であり、もう一つの「Youメッセージ」はあなた(You)を主語にする言い方です。

一般的には「Iメッセージ」のほうが「Youメッセージ」を比べて相手は受け取りやすいとされています。

研修の場でもnoteでも、発信していることの大半は私の個人的な感想です。
それを如何にも「客観的事実」のように言ってしまうと、違う考え方を持っている人は反感を覚える可能性があります。

そのため、感想や意見を伝える際は主語を明確にして「これは私が勝手にそう思っているだけです」というトーンで伝えるようにします。

例:
「Youメッセージ」:皆さんは大人しいので積極的に発言してください
       (相手は”決めつけられた”と感じるので受け取りにくい)

「Iメッセージ」私は皆さんは大人しいと感じていますので、積極的に
        発言してほしいと思っています
       (あくまで私の主観なので相手は比較的に受け取りやすい)

 

2.「善悪の評価」をせず、「好き嫌い」に変換する

何が正しくて何が間違っているかは人によって判断が異なりますので、できるだけ「〇〇は正しい(善)」「▲▲は間違っている(悪)」という言い方をしないようにしています。

もし自分で善悪の評価を下してしまうと、自分とは考え方が異なる人を間接的に否定することになってしまう可能性がありますので、相手は自分を否定されたと捉えて反発する恐れがあります。

とはいえ、自分にも善悪の価値観はありますので、個人的に「正しい」「間違い」と思うことはできるだけ「好き」「嫌い」に変換し、「Iメッセージ」て話すようにしています。

(例)
「善悪の評価」を下す:多様性を認めない考え方は間違っている
          (考え方が違う人を間接的に否定してしまう)

「好き嫌い」に変換する私は多様性を認める考え方が好きです
          (違う考え方の人を否定していない)

 

3.「べき、ありえない、あたりまえ」を避ける

「善悪の評価」をしないよう心掛けているつもりでも、心の中で正しいと信じていることや大切にしていることはつい言葉に出てきてしまいます。

それが「~すべき」「~はあたりまえ」「~はありえない」といった言葉になります。

しかし違う考え方を持つ聞き手にしてみれば「お前が勝手に決めつけるな」になりますので、断定するような言葉は避け「これはあくまで私の考えにすぎない」というトーンで伝えるようにしています。

例:
「べき」で話す:社会人なら周囲の期待に応えるべきだ
        約束を守らないのは社会人としてありえない
        (決めつけているように聞こえてしまう)

断定言葉を避ける:社会人なら周囲の期待に応えたほうがいいと思います
         
社会人は約束を守ったほうがいいと思います
        
(決めつけに聞こえないようにする)

 

他にも細かいポイントはありますが、大きいところでは以上の3点になります。

地雷を踏まない伝え方が常に良いとも思えない

地雷を踏まないよう細心の注意を払って発信するのはあくまで炎上やクレームといったトラブルを避けるためであり、常に安全運転が良いとも思っていません。

というもの、実際にこのような伝え方で発信すると以下のような課題も見えてきます。

  • 誰とも一定の距離感を保つので、相手との距離が縮まらない

  • 話が当たり障りのないものになるので、面白いと感じないこともある

昭和のバラエティー番組は現在の倫理基準ではアウトのものも多いのですが、面白いと感じる人もいれば嫌悪感を抱く人もいました。

それが良いかどうかは私にはわかりませんが、今のバラエティー番組は安全運転に徹する必要があるので昔ほどのインパクトがないのかもしれません。

私も実名と所属先の社名を出して発信しておりますので地雷を踏まないよう気をつける必要があるものの、本当に書きたいことが発信できているかというと自分でも悩ましいところはあります。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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