傲慢(ごうまん)

 すべてはこの一言に尽きると思っています。

 いつから人はこんなにも、「傲慢(ごうまん)」になったのでしょうか?
人間誕生以来、ずーっと傲慢な態度だったのでしょうか?

 少なくとも、漢字の語源を辿り、世界の宗教等を見渡せば、神への崇拝を怠ることなく、常に謙遜・感謝の気持ちがあったように思います。

 しかし、戦争は終わることなく、今も続いている・・・

 人は弱く、脆く、自らの力で生命を維持することができません。心臓等の内臓の動きも無意識に自動で動き、呼吸も意識せず自然と繰り返し行われている。

 あらゆる食物は天からの恵みであり、これだけ高度に発達した科学技術をもってしても、天然の空気、水、食物をつくることはできません。ロボットなどは作れても、生命のあるものは何一つ創造できません。

 生きとし生けるものはすべて、必ず「死」を迎えます。「死」から逃れることはできません。しかも、死の時期も自らの意志で決めることはできず、いつ突然、急遽な死を迎えるか誰にもわかりません。

 1秒後、1分後、1時間後、明日、明後日、週末、1か月後、1年後、もしかしたら…

 未来が当たり前のように訪れるだろうと思っている人が大半です。しかし、誰がそれを保証しているのでしょうか?未来への生命の維持・保持をどうやって証明するのでしょうか?

 いつ、どこで、何が起こるかわからない人生です。

 街中を歩いていたら突然、誰かに刺される可能性があります。車の運転をしていれば、もらい事故等で死ぬこともあります。安全と思われる家の中でも、コンセントにほこりがたまり、出火する可能性だってあります。突然、悪天候になって雷が落ちるかもしれません。隕石だって絶対にぶつからないという保証はありません。

 安全な場所にいて、万全な対策をとっていたとしても、避け切れない事故や災害があります。病気だって目に見えませんので、突然、お風呂上りに心臓発作で死ぬことも多々あります。

 こんな不確定要素が多いのが肉体であり、今、生きているだけでも奇跡であり、感謝であり、どれだけありがたいことか。

 親の親をずーっと辿っていけば、人間を創造した神(創造主)に辿り着きます。

 この肉体の親ではなく、精神の大元とでも言うべき「主」に対して、
我々はあまりにもその存在価値を軽視し、誤解し、感謝を述べることもなく、日々、漠然と過ごしています。

 この「愚かさ」に勝るものはなく、この大いなる「傲慢さ」こそが、あらゆる問題の元凶だと思います。

 宗教の言っているように「神様を信じなさい」とか、「祈りなさい」と言うつもりはございません。もちろん、するに越したことはありませんが、
まず、自分の心臓を動かし、呼吸を自然と行い、自動で食物を消化してくれる、その力の『大元の存在』を無視することなく、認識していただきたいです。

 子が親を慕うような愛で「親密」になり、頼り、信じ、報連相しながら人生を歩まずして、この危険だらけの世界を歩むことは難しいです、厳しいです。

 四字熟語に「傲慢無礼」「傲慢不遜」というのがあります。

 この神(創造主)に対して、傲慢で「無礼」な態度と、不遜なる行動は、どんどん親子関係(神人関係)を疎遠とし、頼りどころを失う結果となってしまいます。

 不平不満を述べ、不幸な状況だと感じている人は、今一度、この原点に立ち戻ってみてください。

 利己的になり過ぎ、利他的な要素とのバランスを見失った我々に、「天罰(点×)」として自然災害や不安定な気候変動に襲われるのも、当然と言えば当然のことなのです。

 本来なら、神を信じ、慕い、神の元で人生を歩む、宗教家の人たちが導くべき使命を持っているはずなのですが、その一番重要な神への信仰を悪用し、人類を操作しているところに、争いの絶えない世界の原因があり、明るい未来が見えにくい今の現実が訪れています。

 親子関係のように、親はどこまでも子を信頼していて、とてつもなく希望も抱いている。そして、子は成長し親を超えていき、逆の立場となります。

 親と子では圧倒的な格差があり、親は子に対して、最強の権力と権威を有しています。それをどのように使うかが親の愛の力量であり、
人間もすべての生命活動において、自らの肉体生命を、心(精神)でどうコントロールするか否かが問われています。

 愛=心(真ん中)+受

 愛とは「真心(真ん中の心)」で受け止めることです。浮ついた心でも下心でもありません。神(親)の愛を感じ、愛の中で育ち、そして愛を発していく、愛なき人生は空しく、愛の原点こそが「親子関係(神人関係)」です。

 「謙虚な姿勢」というのは日本人の得意とするところなので、これを「神(しん、親)」に対してできれば、もっと神(親)からの援助が得られ、平穏な世界へと転身していくかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?