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【教育論】「要点」「要約」「要旨」の違い

要点:その段落で一番大事なところ
要約:文章を短くまとめたもの
要旨:筆者の一番言いたいこと


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「要点と要約と要旨の違い」というテーマで話していこうと思います。


◆要点、要約、要旨


普段は創作に関する記事を投稿しているんですが、実は僕は教育学部の大学生でして、現在教育実習中ということもあり、教育に関する記事を投稿しています。


今回は国語的なテーマを取り上げます。

みなさんは「要点」と「要約」と「要旨」の違いを説明できるでしょうか? 実は僕自身、実習始めたての頃は、恥ずかしながら説明することができませんでした。担当教員に質問されて答えられなかったのです。


きっとごっちゃになっている人は一定数いると思うので、分かりやすく砕いて話していこうと思います。

この3つに関しては、考え方によって意味が変わってくるので、絶対的に定まっているわけではありませんが、一応、最も一般的とされている意味を紹介したいと思います。


結論から示しますね。簡単にまとめると次の通りです。

要点:その段落で一番大事なところ
要約:文章を短くまとめたもの
要旨:筆者の一番言いたいこと


①要点

国語の授業の冒頭で、よく段落番号を振っていた記憶がありませんか? あれは、形式段落の数を把握するためです。そして、段落ごとに一番大事なところはどこかを把握するためです。段落で一番大事なところ。それが、「要点」です。

つまり、「要点」は形式段落の数だけあるということですね。

学年が上がるにつれ要点の全てを確認する必要はなくなってきますから、要点をまとめる活動は省略されていきます。しかし、まだ文章を読み解くのに慣れていない小学生、中学1,2年生には、必要な学習です。

僕は実習先で、中学1年生の説明文の授業を担当することになったんですが、やっぱり初めにやるのは「要点」の整理です。その段落で一番大事なところに線を引かせる活動を取り入れました。

絶対的な正解はありませんので、たまに意見が割れたりしますが、その段落で一番言いたいことを捉えることを意識しながら読む力は、読解力を支えます。


②要約

次に、「要約」です。これは文章全体を短くまとめたものですね。あらすじと言い換えることもできます。

整理した「要点」を繋ぎ合わせて、無駄を省いたり、文章の接続を直したりしたら、「要約」の完成です。

そう、「要約」するためには「要点」を捉えていなければいけないのです。だから、「要点」を整理する学習って大事なんですよね。


③要旨

たまに「要約」と「要旨」がごっちゃになっている参考書があったりします。今回の実習で教材研究をするにあたり参考にした文献も、どう考えても「要約」なのに「要旨」と書かれてある箇所がありました。

この2つ、一体何が違うんでしょう。

「要約」はさっきも言った通り、文章を短くまとめたものです。あらすじです。一方、「要旨」は筆者の伝えたいことを中心とした、その文章の一番伝えたいことです。

ですから、「要約」は何文も連なることがありますが、「要旨」は1文か2文、短いものになります。


◆僕の教材では……


では、具体的に僕が扱っている教材『森には魔法つかいがいる』を用いて、要点、要約、要旨をみていきましょう。


題材『森には魔法つかいがいる』


①要点

第1段落:今井先生は、「世界中のカキを集めてカキの種(カキの赤ちゃん)をタンクの中で産卵させ、育てたい。」
第2段落:私は毎日のように、学校から帰ると研究所に遊びに行き、若い研究所たちからいろいろなことを教わりました。
第3段落:いつものように研究所を尋ねると、カキの赤ちゃんに食べさせる植物プランクトンの培養がうまくいかないと、皆、深刻な顔をしていました。





第32段落:やはり、森には魔法つかいがいたのです。


②要約

筆者は、腐葉土が植物プランクトンを増やす事実から、「森には魔法つかいがいる」という言葉を知る。筆者は、赤潮による植物プランクトンの問題をとおして、川の流域に暮らす人と漁師が「森と川と海は一つなのだ」という価値観を共有するべきだと考え、川の上流に落葉広葉樹を植える運動「森は海の恋人」を始める。腐葉土から生まれる「フルボ酸鉄」は、鉄と結びついて海に鉄を運ぶ。「魔法つかい」の正体はフルボ酸鉄だったのだ。


③要旨

森には海を豊かにするフルボ酸鉄がいる。


こんな感じですかね。何かの参考になれば幸いです。


最後まで読んで下さりありがとうございました。

20220911 横山黎



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