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イベントに必要な「制限」と「余白」

ーー参加してくれるみんなの満足度を高められるように、また、自分の思い描くイベントにするために、どこを「制限」して、どこに「余白」をつくるのか、考えることは必要だなと思いました。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。


最近は音声配信も始めました。毎週金曜日22:00から僕のお気に入りの本を紹介するライブ「FAVORITE!!」を開催しています。興味を持たれた方は是非遊びに来てください。



今回は「イベントに必要な『制限』と『余白』」というテーマで話していこうと思います。


📚「FAVORITE!!」を振り返る

一昨日、「FAVORITE!!―お気に入りの本を紹介する会―」を開催しました。自分のお気に入りの本1冊を5分間で紹介する本のイベントです。

会場となったのは、「The FAVORITE」というクラフトビールバー。上水戸にある古民家をリノベーションした場所で、木のインテリアが魅力的です。そこでご飯を食べたり、お酒を飲んだりしながら、本を紹介し合っていました。



今回はそのイベントを振り返ると共に、今後の展望を話していこうと思います。

結論からいうと、イベントには「制限」することと「余白」をつくることが必要だよねという話です。一見矛盾することをいっているようですが、丁寧に綴っていこうと思います。


※昨日の記事はこちらから↓↓↓


📚進行に必要な「制限」

まず、僕がやってよかったなと一番に思ったことが、「5分間で紹介する」という制限です。これは何も僕が考えたわけではなくて、ビブリオバトルの公式ルールから借りたものでした。

ビブリオバトルは、自分のおすすめの本を5分間で紹介する書評合戦のこと。リスナーは1番に読みたいと思った本に1票を投じ、一番票を集めた本がチャンプ本となるわけです。

ビブリオバトルの公式戦では、全バトラー5分間で話すことを強いられています。4分でもだめだし、6分でもだめ。時間を使い切ることを原則として守らないといけないのです。

そもそも今回のイベントはビブリオバトルを定着させたいという思いから始めたものでした。でも、「ビブリオバトル」という言葉は使いたくありませんでした。バトルという言葉に抵抗を感じる人は少なくないだろうし、本家ビブリオバトルのように1番を決める必要はないと思っていたからです。

かといって、ありふれた「読書会」という単語も使いたくなかった。そこで、開催場所の名前を取って、「FAVORITE!!」というイベント名にしたというわけです。お気に入りの本を紹介するというコンセプトが成立するのでこれ以上ないイベント名だと思いました。

話を戻しますね。

イベント名は違えど、ビブリオバトルの「5分間で紹介する」という要素は入れておきたくて、今回のルールに設定したんです。

人数にもよりますが、ひとりあたりの持ち時間は5分くらいがちょうどいいんですよね。聴き手も5分なら飽きずに聴ききることができるし、話す側にとっても目安になる時間があることで話の流れを組み立てることができる。

さらに、僕のように会の進行を務める側にとっても都合がいい。一般的な本を紹介する読書会って、ひとりあたりの時間は特別決まっていないんですよ。だから、時間管理が難しい。人によっては3分で終わっちゃうし、15分くらいしゃべってしまう人もいる……って具合に。

ただ、5分で本を紹介するというルールを設けることで、さらにタイマーを示すことで、その時間を見ながら話していくので、かかる時間に幅が無いんですよね。実際、昨日やってみたところ、参加者全員5分前後で発表してくれて、時間調整がしやすかったんですよね。



また、同じ理由で、紹介する本を1冊だけにしたことも良かったなと思います。1冊にすることで、参加者によって冊数がバラバラになることもないし、ディスカッションの時間でもその本を掘り下げようという動きが見られたので。

イベントの進行を円滑にするためにも、時間の管理が難しい部分に「制限」を与えてしまうのは必要なことだなと振り返りました。


📚「余白」で柔軟性を高める

「制限」が必要とはいえ、全て制限して時間通り、台本通りになってしまっては、イベントの面白みには欠けます。予定調和のイベントで得られる満足度はそこまで高くありませんから。満足度を高めようと思ったら、予想を裏切らないといけません。予想外の出逢いがあったり、つながりが生まれたり、面白いくだりが展開したり……。

しかし、予想を裏切る必要があるということは、その分、予定よりも時間がかかってしまうということです。とすると、イベントには、その裏切りに対応できる「余白」が必要であるという結論にいたります。

具体的に一昨日の出来事を例に挙げて考えていきますね。



ひとりあたりかかる時間は、紹介5分、ディスカッション2~3分なので、少なくとも8分といえます。当日まで5人参加のイベントのつもりだったので、全体で40分くらいかかる想定になります。少し伸びてもいいように本を紹介し合う時間は1時間にしていたんです。

しかし、当日3人の飛び入り参加が決まったので、参加者が8人になりました。つまりこの時点で確定で1時間はかかるわけで、少しでも話が盛り上がったら1時間半、2時間と伸びるおそれがありました。

実際、一昨日全員が本を紹介し合うのにかかった時間は1時間50分。個人的には1時間くらいでイベントを終えて、そのあとは自由にフリートークしてもらうつもりだったので、ちょっと長いなあという印象です。

途中、参加者からの申し出もあり15分くらい休憩を入れたし、仕方ないといえば仕方ないんですが、もう少しコントロールできたらよかったなと反省しました。



また、本を紹介するイベントで一番盛り上がるのは、紹介する時間……ではなくて、ディスカッションの時間なんですよね。本を通して、参加者同士でコミュニケーションを取るからイベントの価値が高まる。そして、裏切りが生まれる可能性が高まる。

そう考えると、今後「FAVORITE!!」を開催するとしたら、ディスカッションの時間を長く設けるべきだなと考えました。

ディスカッションの時間を2,3分にしたのは、ビブリオバトルの公式ルールがそうであったからです。フォーマルな公式戦ではより時間管理が大切になってきますし、バトルという性質上、メインは「本を紹介する時間」になってくる。だから、紹介に5分、ディスカッションに2,3分という時間配分は納得できます。

ただ、僕がつくりたいのは、交流に重きを置いたカジュアルな読書イベント。本を紹介する時間よりもディスカッションの時間が長くなる想定でスケジューリングした方がいいかもしれません。



参加してくれるみんなの満足度を高められるように、また、自分の思い描くイベントにするために、どこを「制限」して、どこに「余白」をつくるのか、考えることは必要だなと思いました。

来月の第1週、10月7日(土)にも同じようにThe FAVORITEで「FAVORITE!!―お気に入りの本を紹介する会―vol.2」を開催しますので、興味を持たれた方は是非、参加していただければと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20230903 横山黎


FAVORITE!!
-お気に入りの本を紹介する会- vol.2

日時:10月7日(土)19:00~20:30
場所:クラフトビールバー「The FAVORITE」
※お気に入りの本を1冊ご持参ください。

参加はこちらから!



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