映画『コンフィデンスマンJP英雄編』を観て、僕が泣いた理由。
――結論、僕が泣いた理由は「それまでの物語を知っているから」だと思います。
【#208】20220124
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。是非、最後まで読んでいってください。
今回は「シリーズ物にファンがつきやすいのは何故か」というテーマで話していこうと思います。
☆『コンフィデンスマンJP英雄編』
先日、映画『コンフィデンスマンJP英雄編』を観てきました。
もうね最高でした!!!!!
ほんっとに最高。
大好き(笑)
すみません、取り乱してしまいました。
とりあえず熱は伝わったと思います。ちょっとずつ丁寧に魅力を分解していこうと思います。
『コンフィデンスマンJP』は2018年にテレビドラマとして放送されたのが始まりです。コンフィデンスマン、すなわち信用詐欺師の物語です。騙したい相手を信用させてから仕掛ける詐欺師のことですね。
メインキャラクターは3人。
美しき天才詐欺師ダー子。
お人好しの詐欺師ボクちゃん。
百戦錬磨のベテラン詐欺師リチャード。
この3人が、超大物から大金や財宝を奪っていくエンターテインメントでございます。
しかし、罪深きダークヒーローをして描いているわけではありません。ターゲットにする超大物は基本的に大悪党でもあるのです。つまり、見方によれば、騙しを果たすことで、誰かを救っているともとらえられるわけです。
視聴率こそあまりふるいませんでしたが、確実に人気は得ており、これまでに2本の映画が公開されていました。『ロマンス編』と『プリンセス編』です。どちらも大ヒット!
映画化を機にこの作品を知った人も中に入るのかなと思います。
僕はこの作品の脚本を担当している古沢良太さんが好きで、ドラマ放送前から、これは絶対に面白いやつだ!!とワクワクしていました。案の定、それは間違いではなかったようです。
今回でシリーズ三作目の映画。
ダー子たち3人が、「一週間で大金を稼いだ者が『英雄』の称号を手に入れられる!」というバトルをしようと決めるところから物語は始まります。元マフィアのスペイン人が所有する躍るヴィーナスを奪うために、3人があれこれ騙し合っていくのです。しかし、そんななか、国際警察インターポールをはじめ、ダー子たちは追い詰める者たちが現れて、物語は想像もしえない展開を見せるのです。
本当の「英雄」は誰なのか。究極的な騙し合いが幕を開けます。
ということで、前置きが長くなりましたが、『コンフィデンスマンJP英雄編』の魅力を4つに分けて語っていこうと思います。
1、圧倒的エンタメ
2、シリーズ物
3、視点を変えていく演出
4、今求められている英雄
☆圧倒的エンタメ
まず、「圧倒的エンタメ」を追求した作品であることが魅力の一つです。
コメディですから、全体を通して笑えます。ゲラゲラ爆笑するわけではありませんが、にやにやがずっと続く感じです(笑)
特に前半はコメディなので、コンフィデンスマンJPの世界へ入りやすいしくみになっているわけです。
それから、今回はロケーションが最高!
舞台はイタリアのそばに浮かぶ島国、マルタ共和国です。海はきれいだし、街並みはきれいだし、見てるだけでわくわくします。エンタメ映えするロケーションだなと思いました。
コメディとして上質な作品ではあるんですが、それだけではありません。今回、僕、泣いちゃいました。物語の終盤、不覚にも泣いてしまったのです!!
せっかくですから、僕の涙の理由を分析してみようと思います。
#涙の理由を分析するな
#ロマンもくそもない
☆シリーズ物にファンがつく理由
僕が泣いたのは、ダー子がボクちゃんとリチャードへの想いを口にするシーンです。その台詞と、ダー子の晴れやかな表情を目にしたら、もうたまらなくなっちゃって、、、。
たぶん、この作品をはじめてごらんになった方も、あのシーンに物語の重心があることは分かるでしょうし、心を動かされると思います。「なるほど良いシーンだなあ」と思うはずです。
ただ、涙は流すほどではないと僕は考えます。
つまり、僕が泣いた理由は他にある。
結論、僕が泣いた理由は「それまでの物語を知っているから」だと思います。
僕は連続ドラマも、スペシャルドラマも、映画2本も全部見ました。3人の物語を知っています。
詐欺師ですから、嘘いつわりの多い3人です。しかし、なんだかんだいって3人で協力して目的を達成してきました。
嘘いつわりの多い日々のなか、
一つ確かなことは、
3人で過ごした時間。
それだけは決して動かすことのできない事実です。
時に本当にぶつかり合いながらも、結局は運命によって導かれ、また共に生きる道を選んできたんです。
そんな3人の物語をふまえて、僕は例のシーンを観たわけです。
だからこそ、ダー子が、他の2人と一緒にいる理由を口にしたとき、泣いたのです。得も知れぬ感動を覚えたのです。
人を大きく動かすのは、やっぱり「物語」だなあと思いました。そして、圧倒的な物語をつくるためには、それなりに「長さ」が必要です。
「シリーズ物」にファンがつきやすいのは、そういうからくりかなと再認識しました。
えっと、すみません。一つ一つの魅力に時間をかけすぎましたので、次回、他の魅力について語っていきます(笑)
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
横山黎でした。