【イベントレポート】映画『四月になれば彼女は』公開記念トークイベント「小説を映画にするということ」
おはようございます、れいちぇるです。昨日のイベントの興奮が冷めず、深夜4時にパソコンと向き合っています。
昨日は、note社で行われた、映画『四月になれば彼女は』公開記念トークイベント「小説を映画にするということ」というイベントに参加してきました。
登壇者は、以下の御三方。
なんとも豪華なトークイベント……!川村さんいわく、ヨーロッパでは映画の作り手が裏話を話すイベントはよくあるそうなのですが、日本では珍しいらしく、その貴重な場に参加することができました。
以下、イベントのレビューとなりますので、参加できなかった方はよかったらご覧ください。(※ネタバレも含みますのでご注意ください!)
映画化までの道のり
小説『4月になれば彼女は』は8年前の作品で、今回の映画化にいたるまでにも映像化の話は多数きていたそう。原作者の川村さんは「小説を書くときは映像にできないものを書く」と決めているという。
川村さんと山田監督の出会いはショートフィルム『ティファニーブルー』。
初めて観ましたがめちゃくちゃ感動しました。ドラマ「この恋あたためますか」が大好きだったので、森奈々さんと仲野太賀さんのタッグ最強!
対して山田監督と脚本家の木戸さんはもともとプライベートで映画の話をする仲だったようで、山田監督は「はじめて実写映画を撮るなら木戸さんの脚本で」と決めていたんだとか。
川村さんは原作者でありながらもご自身も監督を務めることから、クリエイターへのリスペクトがすごく、はじめに映画化の話をしたときも「山田監督の解釈でこの小説に向き合ってほしい」と言ってくださったと。
それゆえ、原作にとらわれず新しいアイデアも受け入れてくれたという。
小説を映像化することの難しさ
御三方の話を聞いていると、やはり小説を2時間の映画におさめるのは大変な苦労があったようで……。
小説の章と台詞を組み替え、形作っていく作業はパズルのようだったと。
さらに、2時間という枠の中で、小説に出てくるすべての登場人物を出すことが難しかったと、山田監督も脚本家の木戸さんもおっしゃっていた。
小説はサブプロットが面白いほうがいいが、映画はそうはいかない。どこを削るかはとても議論したという。
また、ストーリーの要となるラブレスや藤代のキャラクターといった抽象的なものを具体化することにも時間を費やした。藤代が何を失って、何を取り戻すのかが、一番の軸であったとのこと。
山田監督と木戸さんで特に話し合ったのが、藤代と、春・弥生との二つの恋愛を表現することだったそう。
大学時代の藤代と春の恋愛、現在の失踪した弥生を追いかける藤代、世界各国から手紙を送る春。この三つの時間軸をわかりやすく表現するのに苦労したと。
映画『4月になれば彼女は』オリジナルのキャラクターがいる。それが竹野内豊さん演じる、春の父親・伊予田 衛(いよだ まもる)。
映画では、いびつな形の親子関係が、藤代と春の関係をはばむ要因となっている。そのため、父親役は主演の佐藤健さんに負けない顔面にしようと決めていたと川村さんは言う。
いろんな愛の形を肯定したかったために、この親子関係のシーンも取り入れたんだとか。
質疑応答コーナーで多かった質問
映画を鑑賞した人の中で印象に残っているシーンの一つが、洗面台の排水溝が詰まっている場面ではないだろうか。私も鑑賞後帰宅して、手を洗いながらあのシーンを思い出して余韻に浸っていた。
昨日の参加者の中にも数人そのシーンについて質問している方がいて、あのシーンの思惑を山田監督がこう語っていた。
日常のどこにでもある小さな埃の集積が大きな問題になっていく。
これは「私たちは愛することをさぼった」という弥生のセリフを見事に映像化させたシーンだと思う。
それは、ワイングラスを割ってしまった弥生に対して、すぐに片づける藤代もそう。弥生にとって思い入れのあるワイングラスを、何も言わずすぐさま片づる藤代。その対比こそが小さな心のすれ違いなのだ。
こんなふうに解説を聞いてみると、もう一度映画館へ足を運びたくなった。この週末にでももう一度観に行こう。
山田監督と藤井風
恐れながら、質疑応答で「藤井風さんとのエピソードをお聞かせください」と質問をさせていただいた。
山田監督が藤井風さんのMVを撮るのは今回がはじめてではない。
2021年にリリースされた「青春病」のMVの監督を務めたのが山田監督だ。
映画のクラインクイン時から、このエピソードの死生観を描けるのは彼(藤井風)しかいないと山田監督は確信。その心はクランクイン後も変わらなかったという。
デモテープがあがってきたときに、エンドロールに対して30秒足りず、川村さんから「ブリッジ(Bメロと大サビの間)の要素を足してほしい」とお願いしたところ、
この部分ができあがった。
「生死を超えて繋がる」という歌詞から、生まれたときから死ぬまで存在する愛と考えた時に親子愛だと思い、あの「満ちてゆく」のMVができあがったと山田監督。
ちなみに川村さんは「旅路」のような曲をイメージしていたと。「旅路」もめちゃくちゃ名作なのでぜひみなさん聴いてみてください!
(旅路は弟も結婚式で使っていたので思い出の曲)
ちなみに…
イベントの最後に「質問をした方の中から3名に『4月になれば彼女は』オリジナルグッズTシャツ(非売品かな?)をプレゼントします!」とのアナウンスが!
質問された方も複数名いらっしゃったし、登壇者の御三方の印象に残った質問をした方にプレゼントとのことだったので、「風さん」の質問をした私は印象に残っていないだろうと諦めていたら……
まさかの川村元気さんから「せっかくピンクの洋服を着てくださっているので……!」と直接手渡していただきました🥹本当にありがとうございます!
(『四月になれば彼女は』というタイトルに合わせて、ピンクの洋服をチョイスして行ったので、スタイリングした自分ナイス!と心の中でガッツポーズでした💪🏻)
この週末はこのロンTを着て映画館に観に行くぞ!
ちなみに、映画『4月になれば彼女は』に関しては、鑑賞直後にレビュー記事も書いているので、気になる方はそちらものぞいてみてください。
以上、映画『四月になれば彼女は』公開記念トークイベント「小説を映画にするということ」のイベントレポートでした。
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