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ぼっちの私達へ〜若者が羨ましい夜に〜

1人暮らしは食べもの、服も自分の思い通りに可能。本当楽しい反面、ぼっちで悩みを抱えてしまう。このコラムは題通り1人暮らしだからこそ坩堝に入るグルグルした悩みに対し私なりの答えのお話。正解のない些細だけど大問題を友人と話す感覚で読んで。申し遅れました。初めましてrereと申します。今回色んなご縁がありこのコラムを執筆。

1人暮らし4年目、22歳。TVに映る若者が羨ましい。1人暮らしを続け早4年が経とうとしている。もう1人暮らしのプロ。過言ではない。未だに慣れない。「ただいま」と声を出せば誰かが「おかえり」と返事。暖かい当たり前はなくなり部屋に木霊のよう響く「ただいま」に寂しさを感じる。紛らわす為、私の部屋ではずっとTVが付く。最近は映し出される晴れ着姿の華やかな子達を画面越しに眺める。いい。みんな若くて可愛すぎ。初回はTVに映る若者に嫉妬した私が選んだ相談。

Q、自分より若い人をみるととても羨ましく感じる自分がとても情けない。何もせずに歳をとる自分が悲しい。

いただきますポーズをする女性。永遠に歳はとりたくない。歳をとるって何。気づけば1部屋のTVに映る1月の晴れ着姿はとうの昔になり永遠の兄だと思っていた甲子園の高校球児達、五輪選手も随分と年下。そう。取り上げられる若者達を見る度、自分の歳、過去を振り返り如何に凡庸な人生だったかを考える。今の私が死んだってTVの墓碑銘には取り上げられない。嗚呼、嫌。永遠に歳はとりたくない。

年齢は熟々他人と比較されやすい指標。1年に1回みんなが等しく生まれてからどの位生たのかを数えられ18歳で大学・専門入学、20歳で就職などと年齢に応じた社会的な役割が定まる。決まりから離れると賞賛、批判が起き易い。例えば、17歳で起業。凄い反面、24歳で職に付いていないと何処か白い目で見られる。私も若くして成功する人を見て格好いいと憧れた1人。私達の中には社会に決められた○歳ならこれをしなきゃいけないという規律がある。

めっちゃ遅い開始。1Kから夢見た私のしたい。年齢の話で思い出す。私が女優の仕事に興味を持った専門学生の時のこと。舞台は学校の友人に会いたくないという理由のみで選んだ閑静な住宅街の中の1部屋。ドンキみたいに物が積み上げられた7畳1間の部屋。辛うじて空布団に包まりながら進路を悶々と考える。考え事に布団は最適。もう20になる年齢は芸能を始めるにはかなり遅い開始。「その道にはもう遅いんじゃ?」と提案されたことも屡々。実際、容姿、表現力も半人前。

〇歳はこれをしなきゃいけない規律上の私の社会的役割は就活で一流企業に入り、同期と切磋琢磨し合い仕事をこなすことから外れ自分のやりたいことを選んで。いい。通用するか。嫌、やはりちゃんと就活し社会人として経験を積むべき。嗚呼、後1、2年私が若ければ。布団の中でSNSで綺麗に笑う若者達を眺め悶々と悩む日々が続く駐車場で遊ぶ女性。悶々とした悩み事が解決しないある日、友人が私の家に遊びに来る。久々にぼっちではない空間に安心した私は悩みを取り留めもなく語り始める。みんなが就活を始める中、進路も決めずにベッド上でくだを巻く私の相談を受けた友人は飽き飽きした顔をし「紙、ペン貸して」と言いクロッキー帳の白紙上にしたいこと、望み、することと描き始める。

そう。私の顔を覗き込み「いい?不安になるのはやりたいことが不可能だから」「やりたいこと?」「そう。やりたいこと。若者を羨ましく思うのは若さを武器にした子があなたのやりたいことに近づきやすいと思っているから。でも今のあなたにだって可能性は0ではない。あなたのやりたいことをどうやったら可能か考えれば。いい」

そう。確かに若さは武器。私の女優願望、異性にちやほやされたい密かな思い、手っ取り早く綺麗になりたい怠惰も全て若さがあればある程度解決可能。若さは色んな可能性を秘めた強い魔法。歳を重ねた私に勝機はない。嫌、そんなことはない。

彼女は低い机に置かれた紙を指差し「したいことには今やりたいこと全部。望みにはその中でも一番やりたいこと。することには望みを叶える為にやらなくてはいけないことを書く」と教えてくれた。悩んだ末、書き始める。やりたいことには根本宗子の舞台に出たいこと、美味しいご飯を食べたいこと。望み、することも書きなぐり1Kの小部屋は黒々とした筆跡の私の願望で埋まる。

逆光中に映る女性。書き終わった時、ふと、モヤモヤ心がすっと楽になってくるのを感じる。知らない街にポツンと落とされ、右往左往する所に手書きの地図を差し出される感覚。地図は間違っている。縮尺も合っているかさっぱり。存在自体にホッとする。

年齢に囚われず大人の強かさで夢に挑む。どんどん若さから離れる年齢に対し不安になる。仕方のないこと。〇〇歳はこれをしなきゃいけない規律上の私達は年を重ねる毎に恋愛、就職、同棲、結婚、出産、育児などの大きな人生イベが参入し始めどんどん規律からはみ出たことへの挑戦が難しくなる。

考えてみたい。人生は既に100年時代。〇〇歳でしなきゃいけない規律はどんどん弱まる。今の仕事を続けながら空時間に自分のやりたいことを行う欲張りなやり方、今の仕事を一生懸命続け能力を身につけてからやりたいことに挑む色んな選択。そう。歳を重ねたのみ。私達の未来が全て閉じることはない。大人になりつつある私達は若さが持つ華やかな幸運パンチではなく、経験豊富な計算高い強かな心持ちで夢に挑む。

遅すぎる開始を切ったもののまだまだ私の夢への挑戦は始まったばかり。不安定な地図を握りしめ自分の布団に包まりながら望みを呪文のよう呟く日々は続く。そう。遅すぎる開始も不安を具体化し1つずつ攻略し、やりたいことに向かえた時、若い人への羨ましさも和らぐ。

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