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『小難しいことを言っているが本当はただイチャイチャしたいだけのダウナー不思議系ボクっ娘彼女の耳かき(CV.こりす)』台本・解説【ASMRシチュエーションボイス】

※本記事では動画作品
『【耳かきASMR / CV.こりす】小難しいことを言っているが本当はただイチャイチャしたいだけのダウナー不思議系ボクっ娘彼女の耳かき【タッピング / 男性向けシチュエーションボイス】』の一部ネタバレを記載しています。

まだ視聴されていない方は、先に下記リンクより視聴を推奨します。



こんにちは、レファルです。
この度、私が企画・脚本・編集を担当した
ASMRシチュエーションボイス動画
小難しいことを言っているが本当はただイチャイチャしたいだけのダウナー不思議系ボクっ娘彼女の耳かき』が公開されました!!

クレジット(敬称略)

声優 ・耳かき・タッピング・他一部SE(本):こりす(YouTube)(Twitter)
イラスト・サムネイル : 勇魚 (Twitter)
脚本・編集 : レファル

本記事はこの動画で用いられた台本を公開、
また当作品の解説をするものです。

ぜひ併せてお楽しみください!!



台本

以下、台詞部分と他一部を抜粋。

(※(聞き手「(セリフ)」)は筆者が想定する聞き手からの返答例であり、音源化される際は無音となる部分です)
(※位置指定はイメージです。適宜アレンジを加えていただいても構いません)




(本編 ―起―)


(やや右・遠距離)
ヒロイン 「おかえり」

ヒロイン 「ドア、閉めて」


SE (ドアを閉める音)


ヒロイン 「ん」

ヒロイン 「こっち、来て」
(ここまで)


SE (近寄り、隣に座る)


(左・中距離)
ヒロイン 「……うれしい」


聞き手 「えっ?」


ヒロイン 「ううん、何でもない」

ヒロイン 「……さっきまで本、読んでた」

ヒロイン 「今回はSF」


聞き手 「SFって言うと……宇宙とか機械とか、小難しいやつか?」


ヒロイン 「難しい話も好き。でも、これは簡単。王道なタイムトラベルもの。初心者にもおすすめ。読み終わったら貸す」


聞き手 「ははっ、ありがとな」


(沈黙)

SE (ページをめくる音)


ヒロイン 「……時空(じくう)連続体(れんぞくたい)という考え方がある」

ヒロイン 「ボクたちのいるこの三次元の空間。ここに時間軸を足して、四次元にしたもの」


聞き手 「なんか……難しそうだな」


ヒロイン 「考え方そのものは難しくない。空間と同じように、時間も連続しているというだけ」

ヒロイン 「今日が終われば明日(あした)が来る。明日(あした)が終われば明後日(あさって)が来る」

ヒロイン 「今日使ったお金は明日(あした)になったからといって戻ってくることは無い」

ヒロイン 「キミが今日食べちゃったプリンはもう、二度と戻ってこない」


聞き手 「だからごめんって」


ヒロイン 「責めてるわけじゃない。例として挙げただけ」

ヒロイン 「この考え方の面白いところはここから」

ヒロイン 「んっ……」(息遣い)
(ここまで)
(※本を閉じ、姿勢を変えて聞き手にもたれかかるイメージ)


SE (衣擦れ)


(左・密着・有声音囁き)
ヒロイン 「……例えば、ボクがタイムマシンを使って今日のお昼に戻ったとする。そこにはまだプリンがある。そのプリンの容器に『ボクの』って書いて、キミが食べちゃわないようにする」

ヒロイン 「するとボクは無事にプリンにありつくことができる。でも、これでめでたしめでたしじゃない」

ヒロイン 「プリンを食べることに成功したボクは、タイムマシンを使う理由がなくなる。そうなるとタイムトラベルの事実も無くなり、プリンに書かれるはずだった文字も消える。『ボクの』って書かれていないボクのプリンは、またキミに食べられてしまう」


聞き手 「聞いたことある。タイムパラドックスって言うんだろ?」


ヒロイン 「そう、タイムパラドックス」


SE (ここからしばらく両耳タッピングを織り交ぜる)


ヒロイン 「『キミがプリンを食べる事実』と『ボクがプリンを食べる事実』は本来同じ時間軸で起きた出来事。それなのに、連続していない」

ヒロイン 「この問題をどう解決するかは作品によって様々。だから面白い」
(ここまで)


(本編 ―承―)


(左から右へ移動しながら)
ヒロイン 「ちなみに世界の捉え方は他にもたくさんある」

(右・密着・有声音囁き)
ヒロイン 「世界五分前仮説って知ってる?」


聞き手 「あー、名前だけは聞いたことある気がする」


ヒロイン 「この世界はつい五分前にできたもので、ボクたちの持つ五分より前の記憶はすべて作られたまやかしに過ぎない」

ヒロイン 「そんなまさか、とは思うけど、でもそうじゃないってことを証明することは、誰にもできない」

ヒロイン 「……だからと言って、プリンのことが帳消しになるわけじゃない」

ヒロイン 「仮にそれが作られた記憶だったとしても、ボクの恨みという感情は今ここに存在している事実」


SE (タッピングここまで)


聞き手 「めちゃくちゃ根に持ってんじゃねえか。だからごめんって」


ヒロイン 「……ふんだ」(拗ねたように)
(ここまで)


(本編 ―転―)


(右・中距離)
ヒロイン 「……横になって」


聞き手 「え?」


ヒロイン 「耳掃除、させてほしい」


聞き手 「急にどうしたんだよ」


ヒロイン 「いいから。ほら、おひざ来て」
(ここまで)


SE (横になる)


(左・近距離)
ヒロイン 「……綺麗だね。最近誰かに掃除してもらった?」


聞き手 「…………」


ヒロイン 「なんて。そんなわけないよね」


SE (左耳に耳かきを入れる)


ヒロイン 「……さっきの続き」

ヒロイン 「ボクたちの記憶が作り物じゃないって証明することはできないって話」

ヒロイン 「実は……記憶だけじゃない」

ヒロイン 「ボクたちの存在もまた……んっ……作り物かもしれないってこと」

ヒロイン (1分ほど息遣い)

ヒロイン 「……胡蝶(こちょう)の夢(ゆめ)って聞いたことある?」

ヒロイン 「この世界は誰かの見ている夢や空想でしかなくて……ボクたちの存在こそまやかしかもしれない」

ヒロイン (1分ほど息遣い)


SE (耳かきここまで)


ヒロイン 「ふぅ~」(息を吹きかける)

ヒロイン 「反対向いて」
(ここまで)


SE (衣擦れ)


(右・近距離)
ヒロイン 「入れるよ」


SE (右耳に耳かきを入れる)


ヒロイン 「……ここにいるボクは、本当は存在してなくて……んんっ……そんなボクに耳かきされているキミは……この世界の住人じゃないのかも」

ヒロイン 「それを否定することは……誰にもできない」

ヒロイン (30秒ほど息遣い)

ヒロイン 「……だから……たまに不安になる」

ヒロイン 「この幸せが全部幻で、目が覚めたらキミがいなくなってるんじゃないかって」

ヒロイン 「だからこうして……触って確かめている」

ヒロイン 「キミの存在や、キミのことが好きって気持ちを」

ヒロイン 「……キミは、ボクのこと……好き?」


聞き手 「────」


ヒロイン (1分ほど息遣い)

ヒロイン 「……ずっとここにいてほしい」

ヒロイン 「どうか、いなくならないで」

ヒロイン (30秒ほど息遣い)


SE (耳かきここまで)


ヒロイン 「ふぅ~」(息を吹きかける)


(本編 ―結―)


ヒロイン 「終わった。起きていい」

ヒロイン 「それとも、もうちょっとおひざの上にいる?」
(ここまで)


SE (起き上がる)


(左・中距離)
ヒロイン 「……世界って、何だろう」

ヒロイン 「知ってる? ハチドリには、人間には見えない色が視えている」

ヒロイン 「ボクたちは自分の目で見ることでしか世界の在(あ)り様(よう)には気づけない。それなのに、その目というフィルターを通した時点ですでに歪んでしまっている」

ヒロイン 「じゃあ、世界って……なに?」

ヒロイン 「……一つ、賭けてみようよ」

ヒロイン 「キミがここに戻ってきてから、すでに五分以上が経過している」

ヒロイン 「あのドアの向こうにちゃんと世界が続いているか、賭けをするの」

ヒロイン 「負けた方が勝った方の言うことを何でも一つ聞く。いい?」


聞き手 「そんな賭け、成立するわけ──」


ヒロイン 「ちなみにボクは……続いていないと思う」


聞き手 「…………どうして」


ヒロイン 「根拠なんて無い。ただ、そっちの方が素敵」

ヒロイン 「もしこれまでの仮説が全部本当で、この世界にはボクたちしかいないのなら、ボクたちはこの世界のアダムとイブってことになる」

ヒロイン 「結ばれるために生まれた存在って、ドキドキする」
(ここまで)


SE (移動)


(やや左・遠距離)
ヒロイン 「……どうしたの? 早く開けて」


聞き手 「もし、世界が続いてたら……俺が賭けに勝ったら、何でも言うことを聞くんだな?」


ヒロイン 「もちろん世界が続いていたら何でもキミの言うことを聞く。えっちなお願いでもいい」

ヒロイン 「でも続いてなかったら……」

ヒロイン 「そのときはまた、タイムトラベルして帰ってきて」


聞き手 「…………」


ヒロイン 「行ってらっしゃい。また、一緒にいさせて」




台詞部分:1,766文字

PDFより引用


感想もお待ちしております。



台本の二次利用について

非商用利用に限り可とします。
商用利用に関しては応相談。
一部アレンジ等の改変も歓迎です。
また、利用にあたり以下の行為を禁止します。

  • クレジット表記無し
    (報告は任意としますが、していただいた際には喜んで拝見・拝聴します)

  • 成人向け作品、公序良俗に反する作品、その他違法行為に利用

  • 再配布

  • 本作品に携わったクリエイターを始めとする第三者への誹謗中傷に利用

  • 無断転載、改変による転載、自作発言

上記の禁止行為、
二次利用に関する規約は予告なく変更する場合がございます。
当台本を利用したことで生じた、
いかなるトラブルに関する責任は一切負いません。
よろしくお願いいたします。





※ここからネタバレ。

解説

「結局ヒロインは何を言っていたの?」
「タイムトラベルってどういうこと?」

そんな疑問が尽きないと思います。


今回のお話を紐解く上で必要な考え方として、
メタフィクション』『第四の壁』といったものがあります。


みなさんはこの二つの単語に聞き覚えはあるでしょうか?

無かったとしても、その内容を聞けばイメージが湧く方も多いのでは
ないでしょうか。

つまるところ、この物語はフィクションであり、
本作のヒロインは自身がフィクション作品の登場人物であることに
薄々気づいている
という点が、この作品における前提であり、
重要な要素となっています。

その上で改めて聴けば、彼女の言うこと、言いたいことが
何となく分かってくるのではないでしょうか。

住む世界の違う二人の人間。
ずっと一緒に居たいのに、絶対にそれが叶わない儚さ。


彼女の言う「タイムトラベル」も、言ってしまえば
シークバーの操作」に対するメタファーだったんですね。

聞き手はタイムトラベル……つまり繰り返しこの作品を視聴することで、
何度でも彼女との時間を過ごすことができる。

所謂「ループもののような体験が本作のコンセプトでした。




──ところで、あなたはお気づきでしょうか?

この作品に隠された、もう一つの秘密を。



概要欄


タイムスタンプ


制作者コメント


サムネイルイラスト


???






















おまけ

ここまで読んでいただきありがとうございます。
おまけとして、今回サムネイルも担当していただいた
勇魚様へ提供した、原案画像(編集:レファル)を公開します。

今回キャラデザの発注もフォント選択も某有名ロボットアニメ作品をリファレンスにしています。


ちなみに

本作におけるオノマトペ周辺の台詞は、
すべてこりす様のアドリブ演技となっております。

ボイス依頼のご相談をさせていただいた際、
ご提案いただいたものをそのままお願いした形です。

ぜひそれを踏まえた上で、繰り返しお楽しみください。

この場を借りて感謝を。
ありがとうございました。



では。



レファル

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