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この料理家のレシピが天才すぎる④しらいのりこさん編/高山惠

 フードコーディネーターの資格を取得して早15年。当初思い描いていた華々しい活躍はできていませんが、今後この資格をどう生かすべきか? そんなことを考えることが結構あります。

【高山惠 プロフィール】
ライターとして現在は雑誌「DIME」「BE-PAL」(小学館)、「週刊プレイボーイ」(集英社)、他さまざまなWEB媒体で執筆。
フードコーディネーターの資格を取得し、「食」のコーディネートも行う。

 今回、noteで記事を書くことになり、すぐに思いついたのは自分なりの“食”についての記事でした。フードコーディネーターとして自分なりの料理レシピを掲載してみることも考えましたが、ライターとして仕事をする日常に追われる中、どうしてもその準備ができる自信がない。そんな時に思いついたのが、自分が大好きな料理家の方の大好きなレシピを紹介することでした。おこがましいですが、自分なりに「このレシピすごいんです!」と、自信をもって皆さんに紹介する。ソムリエのようなことができたら面白いんじゃないかな? そう思ったのです。

料理家・今井真美さんの「えのきの素揚げ」で、えのきの美味しさに目覚める!

 最近、週1回くらいの割合で夕飯に作りまくっているレシピがあります。それが、今井真美さんの「えのきの素揚げ」です。(https://note.com/imaimami/n/n2f942161145d)

 石づきを落としたえのきを割いて、油で素揚げすれば完成。美味しく揚げるためのポイントなどは今井さんのnoteを観ていただきたいのですが、とにかくシンプルな料理です。

えのきあげ
▲美味しくできました!

 私にとって、キノコ類の中でもえのきは「あってもなくてもいいもの」でした。ほかのキノコと違って歯ごたえがなく、鍋などに入れてもなんだかフニャフニャしている。大して味もない(ように感じる)。しかし今井さんのえのきの素揚げに出会ってから価値観が変わりました。 

 素揚げすることでえのきにパリッとした食感が出るのはもちろん、素材の味わいも感じられる。えのきってこんなに美味しい食材だったのか! 子どももスナック菓子のような感覚でポリポリと食べています。そして、大人はお酒がすすむ。

料理家しらいのりこさんの蒸し鶏、まさかのレンチンでしっとり食感の鶏むね肉ができるとは!

 そしてもうひとつ、週1回くらいの割合で作りまくっているのが、料理研究家しらいのりこさんのレシピ「蒸し鶏」です。
(https://note.com/shirainoriko/n/n44e4496cead3)

 こちらはコンビニで売っているサラダチキンをイメージしてもらえると分かりやすいかもしれませんが、それよりも断然美味しい! ほんのり塩味が効いたしっとりとした食感の鶏むね肉は、もも肉とは違うさっぱりとした味わいが魅力です。高たんぱく低糖質だし、ダイエットにもオススメ。

蒸し鶏
▲断然ヘルシーですし、レンチンでできちゃいます

 しかし鶏むね肉には、もも肉と違って調理法を間違えるとすぐぱさぱさになるという欠点があります。特に高温調理は厳禁で、しっとりと柔らかい食感にするためには低温でじっくり火を通すのが鉄則。もしくはお肉を柔らかくする「蛋白分解酵素」が多く含まれる玉ねぎや舞茸、パイナップルなどに漬け込む方法も有効です。もも肉よりリーズナブルですが、手間がかかる食材なのは間違いありません。

蒸し鶏過程
▲しらいさんのレシピではネギの青い部分としょうがを入れますが、
我が家は薬味系の味は嫌がられるので入れていません

 しかし加熱方法としてしらいさんが蒸し鶏で使うのは、なんと電子レンジ! ざっくり説明すると、塩と酒で味付けをした鶏むね肉をポリ袋に入れ、水1リットルが入った耐熱ボウルにそーっと沈めてレンチン。そのまま15分放置すればできちゃうのです。詳しい調理法は、上記でリンクしているしらいさんのnoteを見てください。

 そのまま食べても美味しいのはもちろん、細かくしてサラダに入れてもいい。ラーメンに入れて鶏チャーシューにしても最高ですよ。

 私はこのレシピに出会うまで、こういった蒸し鶏の加熱に最適なのは、低温でじっくり火を通すことができる低温調理器だと思っていました。もしくは、炊飯器の保温機能を使うという裏技もあるようですが、我が家は炊飯器がない。米はもっぱら鍋で炊いています。そのため私はこれまで鋳物ホーロー鍋などを使って低温調理を再現したりするなど、さまざまな試行錯誤を繰り返していました。

 しかし、しらいさんのレシピに出会ったことですべて解決。レンチンでいいじゃん! となりました。こうしてまた、「低温調理器を買おうかな~」という私の野望は先延ばしになっています。

 しらいのりこさんは夫であるシライジュンイチさんと「ごはん同盟」というユニットで活動されています。しらいさんは調理担当で、企画や執筆を担当されているのは夫のシライさん。このスタイルは新しいなと思うのと同時に、料理家やフードコーディネーターとして活動するために“執筆”という要素は確かに重要かもしれない。そんなことに気づかされました。

 よく考えてみれば、人気料理家とされている方々はほぼ全員といっていいほど自己プロデュース力が高く、その分野において文章力を発揮されている方ばかり。皆さんのnoteやブログを見ても、本当に文章がうまい。私からすると「料理家としても才能があって、さらに文章も上手なんて、ずるい」と思うほどです。そう考えると私にとって料理家の方々は、やっぱり尊敬してやまないスーパースターなのです。

 これから私もライターとしてフードコーディネーターとして、自分にできることは何だろうと問いつつ、料理の神々に少しでも近づけるように精進していきたいと思います。
 ひとまず、今回でこのシリーズはいったん区切りとさせていただきます。
 また機会があればお会いしましょう!

おわり


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