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デザイナー就活 内定者に聞いた、3年生の秋、冬、そして最終意思決定まで。

23卒デザイナーとして内定を獲得した先輩の就活体験をCA田口が紐解く、ReDesigner for Student 大人気イベント「デザイナー先輩インタビュー」。この連載では、以前登壇いただいた先輩3名の体験談を前後編に分けてお届けします。後編の今回は、大学3年生の秋/冬の就活状況やポートフォリオのブラッシュアップ、内定先への意思決定についてです!

前編はこちらから!
デザイナー就活 内定者に聞いた、3年の夏までに行っていたこととは?|ReDesigner for Student|note

【登壇者】

Mさん|立命館大学 IT事業会社デザイナー職 内定
ReDesigner for Student 掲載 ポートフォリオ

Iさん|九州大学 IT系制作会社デザイナー職 内定
ReDesigner for Student 掲載 ポートフォリオ

Hさん|常葉大学 事業会社デザイナー職 内定
ReDesigner for Student 掲載 ポートフォリオ

田口:大学3年生の秋以降の動きから振り返っていこうと思います。10月頃からはどんな動きをしていたの?

Mさん:
10~11月頃に、ポートフォリオを作り直しました。面接で1回使ってみると、すごく使いづらかったり最後まで見てもらえないことが分かってきたのです。先輩や紹介してもらったデザイナーさんなど様々なバックグラウンドの人に見てもらい、面接や選考に適したポートフォリオ作りを模索していきました。

ポートフォリオの作品数は少なく、インターンに沢山参加できた訳でもなくて、とにかく焦っていたのだと思います。貰ったフィードバックを反映させたり、友達を誘ってデザインコンテストに参加したり…と行動していました。

また、上記の行動はスケジュールに組み込んで立ち止まらずに行うようにしていました。私は「やることを沢山詰め込んで安心する」ところがあるのですが、それも何だか違うなぁと思うときもあって。自分の気持ちを1番良い状態に保つ方法を模索していた時期でもあります。

Iさん:
夏もそうですが、ReDesigner for Student の求人に片っ端から応募していました。周囲にUI/UXデザインを学ぶ環境がなかったので、とにかくインターンに参加して学ぼうと思いました。

応募する際は、自分とマッチするかどうかはあまり重視せず、会社を検索したりサービスを使ってみたりして、面白そうだったら即応募していました。自己分析や関わりたい事業を深く考えるよりも、会社の求人をバーっと漁る方が楽しくて、とにかく色んな情報を見て喜んでいました。

実は、建築や街作りに関心があった頃に「世の中には、私がやりたいことを既にやっている会社がまだないな」と感じていて。自分で事業を立ち上げるしかないか…とも思ったのですが、やっぱり最初は会社に入って経験を積みたいと思ったんです。そう思ってからは「これじゃないとダメ!」というこだわりがなくなりました。

そもそも私にとって、デザイナーになること自体当たり前ではなく、むしろデザイナーになれるとも思っていませんでした。だから、もう片っ端から求人に応募して、入れてくれる会社があればそこで頑張ろうと思っていました。

Hさん:
私は、就活当初から2社に決め打ちしていたので、秋以降の動きの参考になるかわからないのですが…。とにかく沢山面談をしてもらいました。第一印象は良いと感じても、働く人の本音を聞いたら違うと思うことはあると思っていたので。TwitterのDMで面談を組んでもらったり、Meetyでお話ししてみたりしていましたね。

面談の際は、合同説明会で聞いた話を深ぼるような質問をしたり、ポートフォリオのフィードバックをもらったりしていました。

Iさんの「応募する際は、自分とマッチするかどうかはあまり重視せず、会社を検索したりサービスを使ってみたりして、面白そうだったら即応募していました。」という姿勢、就職活動をする上でとても大切だなと思います。
就活は、「自分のやりたいことが実現できるか」というスタンスで進めがちなのですが、せっかくたくさんの企業と出会えるチャンスがあるので、できるだけ多くの会社を知ってほしいなと考えています。

田口からヒトコト

田口:就活後半、みんなのアウトプットがガラッと変わった印象を受けました。その裏にはどんな行動があったの?

Mさん:
1月頃、改めて「良いポートフォリオの分析」をしました。なぜポートフォリオの見栄えが悪いのか分からなかったので、周囲から細かなフィードバックを貰いました。ただ、全体のレイアウトは自分で改善するべきだと思っていたので、Pinterestで良いレイアウトを集めまくり「何が良くて何が悪いのか」を分析しました。以前あるデザイナーさんから「良いものを知らないと良いものは作れない」という言葉を貰っていて、その言葉に影響を受けたのかもしれません。

フライヤーのレイアウトも変化

Iさん:
先輩や、ReDesigner for Student に掲載されているポートフォリオを見て、構成からフォントまで出来る限り真似をして自分の作品を整理し直していました。「すごいな」と感じるポートフォリオを見つけたら、それを下に敷き、フォントや文字間も重ねてトレースする…などかなり徹底していたと思います。

アルバイト先の iQLab でデザインを学び始めた頃、「まずはPPT(徹底的にパクる)から始めよう」と言われていたんです。まずは、自分の力を過信せず良いデザインをトレースして、自分の必要な情報と差し替えて作ってみることが推奨されていました。 だからこそ「デザインは真似て学ぶ」という姿勢が染み付いていたのかもしれません。

加えて、周囲からポートフォリオへのフィードバックも貰いました。「沢山文字を書いてるけど、情報量が多すぎて全然読めない」「大事なところは大きくしよう」など沢山貰いましたね。

また、改善したポートフォリオは ReDesigner for Student に載せるようにしていました。過去のポートフォリオもそのまま残し、新旧併せて良くなった部分を見てくれるかも…と思っていました。1つ目は大したポートフォリオが出来なくても、2つ目で少し情報量が増えたらいいかと思い、段階的に作っていたところもあるかもしれません。

Hさん:
私は、秋口から面談が主な動きだったこともあり、ポートフォリオの更新が止まっています。ただ「アウトプット」には、自分のことを言葉にする、壁打ちすることも含まれていると思うので、その観点でのアウトプットの変化をお話しさせてください。

変化のきっかけは、前編でもお話ししたクックパッドの米田さんとの面談だと思っています。米田さんのおかげで面談へのハードルが下がり、色んなデザイナーさんと話すことが出来るようになりました。どのデザイナーさんもすごく学生を見てくださり、自分が気付いていない長所や短所、特徴を客観的に伝えてくれるのです。短所を聞いて悲しくなることもありましたが、改善点が分かれば「今、そう判断されているのなら、今後はこんな動きが出来そうだな」と考えていました。

そして、面談内容も少しずつ変化していきました。以前は、合同説明会を深掘る質問など、聞くことの多い面談でした。しかし就活後半は、最近の活動を言語化して思考の整理を手伝ってもらったり、その会社と照らし合わせることが多くなりました。「聞く」から「自分を出す」面談へと変化したのだと思います。

秋以降は、面談やポートフォリオを通して、学校外の人とのつながりを増やしていった方が多いですね。ただ、決して外とのつながりが増えたから、ではなく面談やポートフォリオのフィードバックを通して気づいた自分の長所や短所を、今後どういった動きにつなげられるかを考え、行動にうつしていることが今につながっているのかなと思います。

田口からヒトコト

田口:デザイナー就活中に大事にしていたこと、工夫していたことはある?

Mさん:
「自分がデザイナーとしてどう成長したいのか」をすごく考えました。成長の方向性を決める環境要因が「会社」だと思っています。誰とどんな環境(1つのことを突き詰める環境、様々なことに挑戦できる環境…など)で仕事をしたいかは、個人の特性によって異なりますよね。自分は「成長」に対して、何をイメージして何を求めるのか…の言語化に注力しました。

それから「やっておけば良かった」と感じたことなのですが、面接後に「感情の記録」をつけておけば良かったなと思っていて。ワクワクしたとか、微妙だったなとか、そのとき自分が感じたことはすぐに消えてしまうので残しておきたかったなと思ってます。

Iさん:
工夫したことは、ポートフォリオが全く作り終わらない…など、苦しいときに「誰かに見せる」ことでモチベーションを上げることです。

ポートフォリオを、Twitterに投稿してイイネを貰ったり家族に見せたりして原動力にしていましたね。家族は、デザインとは関わりがないのでフィードバックを貰えるわけではないのですが、何を見せてもとにかく褒めてくれるんです。よく実家にパソコンを持って帰って、ポートフォリオを見せて褒めて貰いました。

私のモットーは「自分の幸せは自分で作る」です。苦しくても人に頼れないタイプなので、自分で自分を幸せにする方法を模索しながら実践していました。

Hさん: 
大事にしたことは、自分の良いところだけを見せようとせず、甘えることです。企業の方と話すことにハードルを感じてしまうかもしれませんが、最初に「言語化が上手くないんです」など不安要素を伝えておくことが大事だと思います。面談のために時間をいただいているので、何も言語化できない状態でいくことは失礼かもしれませんが、自分のやりたいことや今後を一緒に考えてくれる、自分たちの企業と照らし合わせてくれるデザイナーの方は多いと思います。

あまり重く考えずに、1回接点持ってみるとか、ポートフォリオぶつけてみるとか…とにかく1歩踏み出してみてほしいなと思います。

みなさん、不安な感情との付き合い方をうまく見つけられていますね!
「就活、不安です。」という相談をよくいただくのですが、不安な気持ちを消すことは難しいので、どうやってその気持ちと付き合うと楽になれるのか、ぜひ模索していただけるといいのかなと思っています。また、Hさんの「企業の方に不安要素を伝えておく」なんかは、ぜひ取り入れてみるとよいのではと感じました。

田口からヒトコト

田口:内定先との出会いや承諾理由を教えてください!

Mさん:
短期インターンで出会いました。デザイナー志望学生の登竜門的なインターンなのですが、実はサマーインターンでは落ちていて。秋はリベンジのつもりで受けました。

参加してみると、すごく楽しかったです。初めて作るプロダクトだからこその新しい発見がありましたし、デザイナー/クリエイティブディレクターさんから「こうしたら、もっと面白いんじゃない?」といったフィードバックを貰うことも出来ました。フィードバックにも表れていますが、正しい/間違いではなく「人の心を動かすためにものを作る」体験がすごく楽しかったんです

これまであまり馴染みのない領域でしたが、次第に誰のために、なぜ私がこのプロダクトを作るのかという原点に還る視点を持つことができるようになりました。「何事からも絶対に学ぶものはある」というマインドのおかげかもしれません。

承諾理由は2つあります。1つ目は、プロダクトやデザイナーの領域が広いところです。メディア、インターネット広告、ゲームなど、手掛ける領域が広い会社ですし、募集職種も「デザイナー総合職」なので、UI/UXデザイン以外の挑戦機会もあると感じました。

2つ目は、やっぱり面接が楽しかったことです。内定先の面接では、純粋な興味を持って質問することが出来ました。まず事前に用意していた質問を投げて、返答の中から良い問いを沢山出せたという感覚があり、私も楽しかったですし面接官さんにも良い印象を持ってもらえたんじゃないかなと思っています。

Iさん:
内定先と出会ったのは秋インターンで、そのまま内定をいただきました。その後も就活は続け、2つ目の内定は2月にいただきました。最初に内定をいただいた後は、ずっと落選期間が続いてましたね。

2社から内定をいただいた段階で、もうどちらかに意思決定しようと思いました。実は最初は「狭い枠に内定した方がカッコイイ」という理由で、2月に内定をいただいた会社に入ろうと思っていて。でも少し考え直して、選考のときからずっと好きだった内定先に入ろうと思ったんです。

内定先は、本当に良いと思う方へずっと変わり続けている会社で。事業や制度など「こういう風に仕事したら面白いだろう」「こういう制度が社内にあったら面白いよね」と、どんどん声を上げて実現してしまうんです。何だか、子供のまま大人になったような会社だなと感じていて、それが好きだなと思いました。

それから面接中に「今、会社の課題はありますか」と聞いたときに「すごくある」と言われて、未来が明るいなと感じました。きっと今出来ていないことがあっても、これから絶対良くなる会社なんだろうなと、選考中に感じていたのです。人もすごく良くて「私がこの人たちを有名にしたい」と、僭越ながら思いました。

Hさん:
出会いは、3年生の5月頃に自分から申し込んだ面談です。冒頭で、就活開始当初から2社に決め打ちしていたとお話ししましたが、理由は「次も面談したいな」と思えたからです。当時の私は「自分が気軽に話せるか」をすごく大事にしていたので、深くお話が出来て社員さんとも沢山繋がれた2社に惹かれました。

内定先から内定をいただいたのが2月で、3月まではもう1つの会社で長期インターンとして働いていました。当時はもう1つの会社に志望度が傾いていたので、内定先には長期インターンが終わるまで待ってもらっていたことになります。

先に結果を言うと、私はその長期インターンで結果を出せず内定を得ることは出来ませんでした。ただ、その結果を見たときに納得したところもあって。長期インターンはすごく楽しく働かせてもらって、本当にたくさんの方々にお世話になりました。ただ過度に自分に自信がないこともあって、議論に入れなかったり、自分の意思を伝えられなかったりしました。今となっては選考を意識しすぎていたのだと思います。幸運なことに入社できたとしても、当初の自分ではその先も行き詰まっちゃうんじゃないかなと思いました。

今は内定先に入社することが本当に楽しみで、もう1つの会社のデザイナーさんから「もっと悔しがってよ」と言われるほどです。

三人とも就職活動を通して、自分の感情をとても大切にされていますよね。
「自分がどんな会社で働いているとワクワクするんだろう?」、「どんな人と一緒に働きたいんだろう?」「どんなサービスを作りたいんだろう?」って、自分の中で考えてもなかなか答えが出ないと思います。たくさんの企業の方と話してみる中で、その時々の自分の感情に注目してみてあげてもいいかもしれません。

田口からヒトコト

田口:最後にデザイナーを目指す学生のみんなに一言お願いします!

Mさん:
皆さんのこと、すごく応援しています。全く同じ就活にはならないと思うのですが、デザイナーを目指す皆さんに勇気や元気を与えるような話が出来ていたら嬉しいです。ぜひ皆さんには私が失敗したところを「自分は失敗しないぞ!」という勢いで進んで行ってほしいと思っています。

Iさん:
「まず、動く」ことを大事にしてほしいです。悩んでしまったら、目の前の求人に応募してみるとか、何か1つ作ってみるとか。そういうことで時間を満たして、苦しみすぎずに頑張ってほしいなと思います。

Hさん:
就活は、就活後も続く関係性を色んな人と作れるきっかけになるんじゃないかと思っています。就活を終えても、出会ったデザイナーさんと連絡が取れたり相談出来たりしていて、すごく恵まれているし、ありがたいなと感じています。

そういった関係を必ずしも作れと言いたいわけではないのですが、皆さんにもそんな人が出来たらすごくいいなと思っています。

以上『デザイナー就活 内定者に聞いた、3年生の秋、冬、そして最終意思決定まで。』でした。

就活は1人1人違います。ReDesigner for Student の先輩たちの経験を参考に、ぜひ自分らしいデザイナー就活を描いて行ってください。私たちもそんなあなたを全力で応援し続けます!

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