見出し画像

デザイナー就活 内定者に聞いた、3年生の夏までに行っていたこととは?

23卒デザイナーとして内定を獲得した先輩の就活体験をCA田口が紐解く、ReDesigner for Student 大人気イベント「デザイナー先輩インタビュー」。この連載では、以前登壇いただいた先輩3名の体験談を前後編に分けてお届けします。前編の今回は、就活を始めた頃の取り組みやポートフォリオ、サマーインターンについてです!

【登壇者】

Mさん|立命館大学 IT事業会社デザイナー職 内定
ReDesigner for Student 掲載 ポートフォリオ

Iさん|九州大学 IT系制作会社デザイナー職 内定
ReDesigner for Student 掲載 ポートフォリオ

Hさん|常葉大学 事業会社デザイナー職 内定
ReDesigner for Student 掲載 ポートフォリオ

田口:大学3年生の4〜5月頃から振り返っていこうと思います。4〜5月はもう就活始めていた?それとも他の活動をしていましたか?

Mさん:
4月は、ある団体でコンポスト事業に携わっていました。食堂や飲食店から出る生ごみを回収して堆肥化を行い、栄養価の高い良質な堆肥を地域の農家さんに提供する事業です。立命館大学のマネジメント学部では、食についても学ぶため「食品ロス」「コンポスト」などの言葉には馴染みがありました。初めは1人でコンポストへ可能性を感じていたのですが、SNSで発信していると徐々に似たキーワードを持つ学生が集り、団体としての活動が始まりました。

元々「しっかり考えて決める」というより「やってみたいことは調整してやる」タイプです。デザイナーも、なれる根拠なんて全くなかったけど「やってみないと分からないよね」と思い、進んできました。

Iさん:
5月は、大学で就活イベントに誘われて、やっと「就活かぁ」と思い始めた頃でした。ただ私は、何でも早めにやりたいタイプなんです。周りの友人が既に就活を進めていると聞いて、焦って色々と調べ始めました。

実は初めは、デザイナー就活ではなくビジネス就活をしていました。建築が好きだったので、建築や不動産の仕事がしたいと思っていたんです。しかし、大学で学んだ建築と実際の業務にギャップを感じたり、私が作りたいものは建築じゃないなと思ったりと、悩んでいた時期でもありました。
デザイナー就活をするようになってはじめて「ポートフォリオというものが必要なのだな」と知り、企業との共同プロジェクトを作品としてまとめ始めました。

Hさん:
5月はインターン早期選考に参加していたのですが、当時の私には課題発見力がなく、結果が全く伴いませんでした。そのときは「やばい、もう就活終わりだ」とすごくショックを受けていましたね。

しかし、その後に参加したデザイナー学生向けの合同説明会で、「落ち込んでいてもダメだ。インターン に参加するためにポートフォリオを作らなきゃ」と思うことが出来て。その一心で恐る恐る、合同説明会に登壇していたクックパッドの米田さんにTwitterのDMでポートフォリオについて相談しました。

当時は、就活や内定を全く意識していませんでした。就活を意識し始めたのは本選考前からで、それまではインターンのことで頭がいっぱいだったんです。私は、地方総合大学の芸術系学部に所属していますが、ポートフォリオに載せられるような作品はなく、とにかくインターンでスキルアップしなきゃと焦っていました。

この三人に限らず、就活がぐいぐい進んでいく学生さんの共通点は、「美大に通っている」とかそういうことではないなと思っています。

■自分のやってきたことを、(サービスや広告としてのアウトプットがなくても)ポートフォリオとしてまとめる作業を始められている
■そしてそのポートフォリオを誰かに見せながらブラッシュアップを図っている

ということが重要そうだな、と感じています。

田口からヒトコト

田口:3人が「デザイナーになりたい」と志したタイミングはどんな時でしたか?

Mさん:
デザイナーになると決心したのは8月です。それまでは、コンポストをビジネスとして自立させたいと思っていたのですが、心境に変化がありました。

コンポストは出来上がるまでに半年以上かかるため、 明日からお金が回ることはありません。本当にこの問題に向き合うためには、1度社会に出てスキルや知識、人脈を築いた方が還元出来るものが大きいんじゃないかと思いました。

そんなときに、団体のサイトをデザイナーさんから教わりながら作成する機会を得ました。サイトの構成を一緒に考えることが団体の未来を考えることにも繋がり、ビジョンも明確にすることが出来ました。自分たちだけでは、この言葉、色は出てこなかったと思いますし、そんな状況を補うデザイン手法や考え方に共感し「自分に合ってる」という感覚を抱きました。そのデザイナーさんは「ビジョン作るのもデザインだからね」と仰っていて、ちゃんと作るってこういうことなんだなと、デザインにビビッときた瞬間でした。

Iさん:
1番初めにデザインに出会ったのは、高校3年生の終わりでした。早期に大学入学が決まり、入学後を見据えて苦手な英語をNHKで克服しようと英語番組を片っ端から見ていました。そのときに見つけた「デザイントークス+」という番組でデザインを認識し、興味を持つようになりました。

特に印象に残っている回は、ゲストに原研哉さんと深澤直人さんが出演していた回です。お二人とも業界のトップを走っているような方で、明確に「自分はデザイナーじゃないな」と思った瞬間でもありました。

しかし大学に入り、知らないうちにデザイン業務に携わって楽しさを感じていたことに気がつきました。iQLabという会社でアルバイトをしていたのですが、チームで数字達成するために色々と改善を行っていて、それがUXデザインだと分かったんです。デザイントークス+で認識したデザインの幅が広がる感覚がありました。

それから、ReDesigner for Studentのプラットフォームでも掲載されたポートフォリオを見て、美術系の大学じゃなくてもデザイナーになれることが分かってきました。それでも、全然勇気が出なくて、結局ズルズルとビジネス就活していました。

そんなときに、うえだりさんのnoteを読んで号泣して、「これはもう、やるしかない」と一歩踏み出すことができました。この1ヶ月半で内定を取れたというnoteを、私は大学3年生の6月に読んでるんだから絶対なれるはずだと思って頑張りましたね。

Hさん:
大学の先生の勧めで行った、ある企業の商品開発説明会の影響が大きかったです。

実は、高校では美術コースを専攻していて、大きなキャンバスに展示用の絵を描くことに楽しさを感じていました。その後、AO入試の一環で大学のUXデザインの授業を受け、アートではなくデザインの道を進むことにしました。ただ入学当時は「もっとガツガツUIやUXを学ぶ機会がほしい」と授業に少し物足りなさを感じることもありました。

そんなときに商品開発説明会へ行き、ユーザーの課題から商品を開発していることを聞いて「え、めっちゃかっこいい。私のやりたいことだ」と思ったんです。誰かの何かを解決するために皆んなで知恵を出し合い生まれた商品が、その先の生活を豊かにする…というデザインの裏側を初めて知り衝撃を受けました。

どうしても「決心した」「ビビッときた」という言葉に注目をしてしまうと思うのですが、何かに対してビビッとくるような「心構え」というか、手を動かしながら悩んでいるという点が大事かなと思っています。
今この瞬間に「自分は決心がついていないな」「悩んでいるな」という人も落ち込む必要はないと思います。たとえばこの記事を最後まで読んで、「次こういうことをやってみようかな」と感じられれば、それが後から「あれは決心だったのかもしれない」と気づくかもしれません。

田口からヒトコト

田口:正直、就活をやり始めたころは順調でしたか?

Mさん:
理想と現実に差を感じて「本当にデザイナーになれるのかな」と動けていない状態が続きました。しかし、そんな悩みを相談した人から「中途半端だよね」と言われ、すごく悔しくなったんです。そこから、もういいやと開き直り、取り敢えずお母さんに「私、デザイナーになるわ」と宣言して、本格的に始動しました。

具体的には、まず”勉強の仕方“を勉強しました。

  1. 未経験でデザイナーになった人のnote、youtubeを見る
    →デザインの勉強ロードマップを引くことが出来ます。

  2. 内定した人のポートフォリオを見まくる
    →ポートフォリオとは?から、就職活動で通用するポートフォリオとは?を認識します。

理想像が見えてきたら、計画を立ててインプットとアウトプットを繰り返す泥臭い日々を送りました。本当にnoteに書いている方法で合っているのか…と不安を感じることもありましたが、私よりnoteを書いた人の方がデザインに詳しいだろうと思い、まずは「素直に乗る」ことにしていました。

Mさんの「まずはやってみる」という姿勢は、本当に僕も見習いたいです。「まずはやってみる」ってよく聞くフレーズなんですけどね。僕もなかなかできないです。
「まずはやってみる」が上手くできない人は、ちょっと変換して「ごちゃごちゃ考えない」とか「考える前に手を出してみる」みたいに捉えられるといいかもしれません(自戒)

田口からヒトコト

田口:夏のインターンは参加していましたか?

Mさん:
夏のインターンは、30社くらいエントリーして通ったのは2社でした。応募時期は6月末で、まだデザイナーになると決心出来ていない時期です。提出課題も、クオリティは低いし自信のないまま提出するし…と絶望して。ただ、2社通ったときに「あ、良いと思ってくれる会社もあるんだ」と希望を感じたんです。選考には落ちても「スキル不足で不合格だけど、人柄や今までやってきたことは評価している」などフィードバックをしてくださる会社もあり、全て否定されている気持ちにはなりませんでした。

明るい側面ばかりに捉えられそうですが、当時はもう何も手につかない、何もやりたくない、と泣いてしまうときも多々ありました。

Iさん:
夏のインターンは、受けた企業のうち3分の1くらいが通過しました。印象に残っているのが、あまりポートフォリオに触れられなかった面接です。

そのときは、園芸の取り組みを掲載したポートフォリオを提出したのですが、面接では園芸の話ばかりになって。通過後に通過理由を聞いたところ、「話題は何でも良くて、思考の深さと幅を見ていたんだよ」と言われました。

Hさん:
参加した夏のインターンの中でも、印象に残っているのがクックパッドさんです。実は、TwitterでDMを送った米田さんがそのことを覚えてくれていて。私の突っ込む姿勢、いい意味での行儀の悪さに期待している、と伝えてくれました。

はっきり書き記しておきたいのですが、夏のインターンに行けた/行けなかったで就活の結果が決まるわけではないです。
これもどうしても「行けたか行けなかったか」に着眼してしまうと思うのですが、大事なのは「手を動かし続けたか否か」です。この三人は、その結果として夏インターンに行けた、というのが正確かなと思っています。参加未定の人も、秋インターンに備えて自主制作などしましょう。だいじょうぶ!

田口からヒトコト

田口:ポートフォリオはどんな風に作ってましたか?

Mさん:
様々なチャンスに挑戦して作品を増やしていきました。例えば、インターン先でイベントを開催する際にLPを作る必要があると聞き「作りたい」と手を上げました。もちろん不安もありましたが、周囲も「やりたいならやりなよ」と応援してくれました。

また、別のイベントではチラシも作りました。イベントの企画も行っていたので「どういう人に来てほしい」「こういう印象でやりたい」などを理解しており、主体的に取り組みました。

Iさん:
ポートフォリオは、田口さんに相談したところ「取り敢えず1つ作れ」と言われて、Adobe XDもFigmaも使ったことのないまま、初めてアプリのUIを作ってみました。画面が3枚くらいしかなくて、今見るとこんなアプリないやろと思ってしまうのですが…。

ただ、夏の段階ではこの作品でも企業さんからお声がかかることもあり、ReDesigner for Student などからやり取りをすることが出来ました。

Hさん:
1番初めに作ったのは大学2年生の後期で、前期の授業をまとめたものでした。就活用ではなく、初めてUIを作った作品だったので「ポートフォリオにまとめておかなければ」と思ったんです。というのも、先輩のポートフォリオが廊下に飾ってあったので、そうするものなんだと思い真似をしながら自主的に作りました。

三人とも泥臭いですよね。
ポートフォリオって答えがないんですよね。ないので、自分なりに「良いポートフォリオってなんだろう」って考える必要があります。それを考えるにあたってインプットが必要です。
ここで「うまい人のポートフォリオ見ると凹むなあ」という気持ちが邪魔すると思うのですが、それは健全だと思います。「やっぱ自分もこれくらい上手くなりたい」という気持ちが大なり小なりあることの裏返しです。
Iさんのように後から振り返ったらボロボロでも、やっぱりインプットとアウトプットを両立させることがだいじです。いいからやっていこうぜ、です。

田口からヒトコト


以上『デザイナー就活 内定者に聞いた、3年の夏までに行っていたこととは?』でした。
その後、秋からは少しずつ就職活動が本格化していきます。ReDesigner for Student の先輩たちは、どんな会社と巡り合い、どのように就職活動を進めていったのでしょうか?

次回をお楽しみに!

ReDesigner for Student に興味を持ってくださった方へ
ReDesigner for Student は、デザイナーを目指す全ての学生のためのプラットフォームです。デザイナーを目指す学生がデザインの力を信じる企業と出会う機会をつくっていきます!

最新の求人情報やイベント情報などは公式Twitterアカウントで随時更新中!
公式Twitter