見出し画像

【読書感想文】仕事は1冊のノートで10倍差がつく(本当の自分と向き合うノート術)(前編)

挨拶という名の蛇足

 読者諸君、ご機嫌よう。大学生から社会人へと変貌を遂げて早10ヶ月。相も変わらず仕事ができないままの私だ。

 さすがにこの状態で現状維持は不味い。しかし、獅子奮迅の働きを見せようにも、焦燥に駆られてじたばたすれば、逆効果なのだ。先輩の背中を必死に追い、その背中に衝突し、気がつけば真っ暗闇の中にいる。日々、上司の臍の茶を沸かしてばかりである。

 今、私は何を何をすべきか。どう生きるべきなのか。コペル君の如く考えることにした。ひとまず、私という人間が如何に奮闘してきたかを振り返る。

 入社後に使ったノートは3冊。数多の情報を書き記してきた。自らの健気な努力を思うと、感慨もひとしおである。感動の涙を堪えてノートを開く。開いたノートを見て思った。

───字が汚い。整理されていない。何をしてきたのか全く分からない。

 喫緊の課題はノート術となった。意味のないノートを取っていた絶望に打ちひしがれる暇などない。阿呆はただ前を向くのみである。

今回、紹介する本は……。

 今回紹介する本は『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』という、思考の整理家、鈴木進介さんの本である。彼自身、ノート術を駆使してコンサルティング業界で勇名を馳せてきたようだ。これはお手並み拝見と、池袋のジュンク堂で購入した。

本書の内容

ノートの効用

 著者によると、ノートは思考を整理するためのもの。そして、自分なりのアウトプットを形作るものだそうだ。

 ノートを使用し、落ち着いた適切なアウトプットをする事で、思考は整理される。その理由は主に3つあるようだ。

1.マインドフルネス
 頭の中を紙に書き出すことによって、ストレスが軽減し、前向きになれるようだ。集中力が高まり、自分や物事を客観視できる。そこから新たな気づきが生まれることもあるという。

2.見える化される
 ノートに書き起こすと、懸案事項、曖昧なアイデア等が見える化される。すると、それらの解像度が上がり、整理がしやすくなるのだ。ノートは第二の脳と言えよう。

3.客観視できる
 頭の外に出した文字は、他人の考えを見ているのと同じだと、脳が錯覚するようだ。自分が客観的になるスイッチとして、ノートは有効なのである。

ノートを選ぶ

思考の整理や発想を得たいときはノート。
 最終的に何かアウトプットすることを狙っているのなら、ノートを使用したほうがいい。図解や色などで、スピーディーに重要ポイントにメリハリをつけることができる。

 一方で、単に記録や共有の時は、検索、修正、コピペに優れているスマホやPCの方がメリットは大きいだろう。

ノートのデザインは直感で選んでOK
 自分の好きなデザインを選ぼう。ノートの見た目が良ければ、モチベーションのアップに繋がる。

 罫線は縦と横のラインが入った方眼式が推奨される。線がある事で整理がしやすい。しかし、線に捕らわれなくてもいい。ゆえに、思考の整理には方眼式が適しているのだ。

 大きさはB5を基準に考えると良いだろう。パッと開いたときの一覧性、持ち運びやすさ、両方を考慮したときに、B5はそのどちらも兼ね備えているのだ。もちろん、必ずB5にしろと言っているのではない。他のサイズでも大丈夫だ。

ノートの使い方

全ての情報を1ページにまとめる 
 各ページにタイトルをつけ、1タイトル1ページでまとめるのだ。そのタイトルに関する情報が1ページに纏まっていれば、一覧性が保たれる。

 タイトルが疑問形だと、なおさら良いだろう。ザイガニック効果と言って質問に答える形で思考を張り巡らせると、不思議と自分の脳が無意識のうちに答えを探し求め続けるのだ。自分に対する問いが、思考の整理に繋がる。

破って捨てる
 ノートは目的を果たしたら、破って捨てて良いのだ。情報の取捨選択、ノイズの除去、これらが思考の整理においては非常に重要となる。ノートから自分なりの答えが見つかったのなら、潔くそのページを捨て去ると良い。

1ページを分割して使う
 ノートは横向きに使うべきなのだ。そして、各ページ毎に整理するための基準となる軸を決め、補助線を引く。こうすることで、書いている最中に知識や情報がばらつかない。

 基本的には3分割が良いだろう。たくさんの要素が絡んでいても、ひとまず3つ程度に大別されていれば、頭に入るものだ。
 例えば、TODOリストを作るにしても、時間軸で整理し、短期/中期/長期の項目に分ければ、ただやることを漠然と書き連ねるよりも、断然思考が整うだろう。

前編の終わりに

 以上、前編ではノート術についての基本を紹介した。後編は、基本を使って、目的ごとに有効なノートの整理法を紹介する。基本的には2,3,4分割をどのような項目で分けるか、ということになるだろう。楽しみにしておいて欲しい。


後編はこちら↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?