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うさぎ企画「森田創」

うさぎ企画の「森田創」さんに、お話を伺いながら、焼津市のモビリティ事業を体験させていただきました。

『森田創』

『森田創』(合同会社うさぎ企画・代表社員)

1974年5月、神奈川県川崎市出身。大手鉄道会社に23年間在籍し、広報課長を経て、日本初の観光型MaaSを伊豆半島で立ち上げた。2022年4月独立。「人づくり・場づくり・足づくり」のキーワードを掲げ、多様な人材マッチング、交流拠点の造成、交流と組み合わせたモビリティによる地域活性化を静岡県を中心に展開。静岡県焼津市の取り組みは経産省スマートモビリティチャレンジの国内8地域に選ばれた。国土交通省の国土審議委員会専門部会の委員も務めるなど、ポストコロナの新しい働き方・住まい方・移動を最前線で追求する姿は注目を集めている。作家としても実績があり、『洲崎球場のポール際』(講談社・2014年刊)は第25回ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。



インタビュー

■キャリアアップか独立か

大手鉄道会社で実施していたMaaSの実証実験が終了に近づいた頃、そのタイミングでキャリアアップの話が上がってきました。出世をして管理職となると、現場でのお仕事が難しくなります。自分は足で現場を周り仕事をすることが好きだったため独立を考えるようになりました。MaaSの実証実験を進めていく中で培った、人と人とのつながりが交通手段だけで解決できない、地方活性化の課題にコミュニティの存在が必要になることを自分の力で実証していきたいと思い独立を選択しました。

※MaaSとは
MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるものです。
(国土交通省 日本版MaaSの推進 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/japanmaas/promotion/

■独立後の事業選択

MaaSを鉄道会社で取り組んだ際に感じたのは、簡単に色々な乗り物に乗れるようになることは、人をうごかす理由にはならない、と言うことでした。それは景色や人との触れ合いなど、その先に目的がある時に、人はそこに行く動機になると言うことです。特に新型コロナウイルスが蔓延した後、人々は外へ出ることの抵抗感が強くなっていきました。そのため、MaaSだけでは事業は成り立たないと考え、そこで考えたのが独立後、最初の事業で行った、副業人材マッチングだったんです。そこで、人が訪れ仕事をして、繋がっていく、人と人の輪とMaaSを組み合わせることで地域活性に繋がると感じました。

■地域活性へ

大人数を連れてくることで、地元が活性化すると考えていましたが、コロナで考え方も変わり、人数よりも質が大事であると気づくことができました。たかが数人ではなく、その人たちが繰り返し通ってもらえるになれば、1回の大人数よりも経済効果は大きいと考えています。副業マッチング事業を進めていくうちに。30人の人たちが2週に1回通うことで800人の方が来たときと同じ効果が見込めるんです。その地域が好きになることで、観光客や事務所、セカンドハウスなどの動きにも繋がっていきます。少ない人でも地域の関わりを、増やしていく事が重要だと私は考えています。

■コワーキングスペースではなく、コミュニティスペース

副業人材マッチングを行っていく中で、サービスの利用で地域内外の方々が、繋がっていくのを目の前で見ることができました。そんな地域内外の方に交流していただける場の提供が地域活性化になると思いコワーキングスペースとして利用もできるコミュニティスペースとして運営しています。

■人材マッチングとMaaS

副業人材マッチングの経験がなければ、今実施しているモビリティ事業はできていなかった思います。副業で焼津に来てくださった方々は東海道線でいらっしゃるのですが、町として栄えている焼津港までは、移動手段が少ない状態でした。自転車で10分ほどの距離がバスでは、40分もかかってしまう現状で、副業で訪れた方もですが、旅行者や地元の住民の方々の移動手段も少ない状態です。現在行っている実証実験を通して、公共交通機関として機能するのか、利用される利用者満足度を得られるのか、実験を行っている段階です。今後の結果次第では実用化を行い地域に根付いていくことを目指しています。

■今後について

コミュニティと交通手段をかけ合わせたビジネスモデルはまだ少なく、これから需要が増していく産業で有ると思っています。近い将来ローカル線などコストが高い公共交通機関は、維持が難しくなって行きます。その地域で生活している人は、移動手段の選択肢が少なくなり、移動の機会や交流の機会を失って行くことになっていきます。そのため、コストも控えめなコミニティとモビリティの需要は、今後増していくと考えています。今行っている実証実験が成功すれば1つのパッケージ化し必要とする地域や自治体へ提供できる実績と収益構造の確立していければと思います。



焼津市『焼津PORTERS』

2024年1月29日(月曜日)焼津PORTERS

森田さんも関与している焼津PORTERSにお邪魔させて頂きました。

集中スペース・事業者スペース・トイレ・シャワー
建設中のホテル

建物は移転して使用されなくなった漁港で、少し前までは漁業用の網の保管場所として使用されていました。

ワーキングエリア

中はリノベーションが進んでおり凄く綺麗でした。

ワーキングエリアからの景色

ワーキングスペースからは海が見えるなどロケーションも最高で、都会の喧騒とは違いノビノビとした気持ちで仕事ができる空間となっていました。



焼津市モビリティ 「つなモビ」 体験

つなモビ

車はゴルフカートに近く小さいながら5人乗り(運転手除く)、移動速度は30kmで見た目は可愛いですが、意外とスピードが出ました!

つなモビ乗車券

今回は森田さんに街を案内頂いた様子をお届けします!

津波緊急退避施設

まずは焼津の漁港(うみえ〜る焼津)を案内して頂きました。
ここは津波緊急退避施設で焼津港を一望できました。

津波緊急退避施設からの景色

この日は天気も良く海がきれいに見えました!

津波緊急退避施設からの景色

続いては昔の名残が残るマルハチ松村・川直前を案内いただきました。

森田さんから説明
看板
仕切り板

海が近く、水害が多かった地域のため、水害対策の仕切り版を支える柱が今でも残っており歴史を感じることができました。

焼津

最後は焼津駅まで乗せて頂きました。
走行中も速度が早すぎず風景を楽しみながら乗ることができました。
今回は森田さんのご案内で、焼津の歴史など様々なことを学びながら街を周ることができました。つなモビを利用する際は、自分でリサーチをしながら街を巡ることで、焼津についての新しい発見が沢山出てきそうです。



まとめ

森田さんとお話をする中で、人柄の良さや、ビジネスだけでは無く地方課題に対しての熱い想い、その取り組みを伺うことができました。
今回はお時間を頂きありがとうございました。
当社でも地方の課題に対して考えており、地方採用やフルリモート採用、地方拠点作成など、地方の雇用創出を目指して取り組んでおります。

また、初めての焼津市でしたが、コワーキングスペースやカフェも多く、ワーカーにとって優しい街だと感じました。まだ工事中で未完成な焼津PORTERSですが、フードコートが併設されており、カフェとしての利用も想定されており、仕事のみならず人が集まる場所として設計されていることが伺えました。今後はホテルが開業するなど新しいコミュニティースペースの形として出来上がっていくことが楽しみです。
モビリティでは、実際に体験をさせて頂き、焼津の事を知るキッカケとなりました。実証実験中ではありますが、600円で乗り放題で、行きたい場所に直線的に連れて行ってもらえるタクシーと、料金が安価なバスの、いいところを併せ持ったサービスで、歩くには距離が有るけど、タクシーを使う程ではない距離感に合ったサービスだと思いました。
今後、このようなサービスが広まって行き各地方で、観光やビジネス、暮らしやすい環境が、整って行けば首都圏一極集中の今、地方の課題に1つ希望が有るのではないかと思います。

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