「お腹が痛いです...」→「わかりましたすぐ手術しましょう。検査・診断はその後で。」・・・後で?
社会保険労務士の松原です。
【本日のテーマ】
「「お腹が痛いです…」→「わかりましたすぐ手術しましょう。検査・診断はその後で。」・・・後で?」
今日の記事では、最初にひとつお願いをいたします。
「社労士の質問を嫌うなら、正確なアドバイスは諦めてほしいです。」
ではどうぞ。↓
腹痛を訴える患者が病院に訪れたとしましょう。賢明な(というかふつうの)医師は、まず患者の症状を詳しく聞き、必要な検査をするでしょう。
例えば、「いつから痛いのか?」「お腹のどこが痛いのか?」「そこの部分がどのくらい痛むのか?どんなふうに痛いのか?」など。
そして一般的には、「いつから」と「どのくらい」の積に応じた治療が選択される(とされているはず)。医師の思考に思い浮かぶいくつかの診断候補のうち症状や検査数値で該当しないものを順に除外し、最後まで残った“疑わしき診断名”に基づいた治療を選び説明・提案する。
これが標準、デフォルト、っつーか当たり前のはずです。
だから、検査をせずに手術を行うことはない。詳しく調べなければ、正確な診断も治療もできないから。
ところが。とにかく結論を急ぐご相談のお客様には、
なぜかこの理屈が通じません。
障害年金相談の場面。「もらえる?もらえない?」と即答を求める方が稀におられます。面談でも電話でも。電話の場合、一方的に箇条書きっぽくご相談条件を捲し立てるように述べられ、「で、もらえますかね?」と質問される方もおられます。ホントにすみません。そういうのはご勘弁ください…
障害年金の相談応答には、全く見通しがわからないケースもあれば、ほぼ断定的回答ができるケースもあります。共通する条件は、「述べられた情報や持参された資料に誤りが一切何もなく、全て事実として正しいと仮定」されること。つまり、「(それらの情報を真正なものと前提とする限りにおいては)あなたは障害年金を受けられるでしょう」と判断できる場合もあるということです。
なので、前提条件に的外れなものや勘違いがあるようなら、全く違う回答にもなりうるということ。だから、「わからない」という話になります。事前の情報収集は、回答が真逆になるレベルに重要ということなのです。
そんな情報収集ですが。実務的には“質問”によって把握します。当然、ご相談の方に許可は取ります。「個人情報を根掘り葉掘り聞きますよ」と。なぜなら、相談後の雑談になってから「あれはどう」「これはどう」って重ねて聞くのはご迷惑なので。そんなことになったら普通、(こいつめんどくさいな。さっきその話しただろうがよ)って思う。私がご相談のお客様の立場なら、(最初に聞けよ)って絶対思います。
だから、そうならないよう支援者は準備をする。どなたにも同じように必ずする質問と、ケースごとの質問。それらを一通りお尋ねします。聞かないとわからないからです。わからないと、返事のしようがありません。
でも実際の場面でどんなことがあるかというと。
「そんなことまで言わないといけないのか!」
と、中断されることも稀にあるのです。
だから初めにお断りしているのです。。。
ワケありのご相談であればあるほど、
その“ワケ”を確認しないと
お返事できないこともあるのです。
まるで検査も診断も省略して、今すぐに手術して欲しい!!と頼まれているようなものになっちゃいませんでしょうか…適切な診断や治療が必要であるのと同じように、障害年金の受給可能性を判断するには詳細な情報が必要不可欠なのです。
一応、あえて繰り返しますが、
検査・診断の前に手術なんかしません普通。
まー、なんだかんだ言うものの、リードが拙い
社会保険労務士が悪いのですが。。。
ただし、もう少し言わしてもらいます。
繰り返しになりますが、質問を通じて状況を把握することは、適切なアドバイスを提供するために省略不可能なプロセスです。そしてこのプロセスは、相談者の利益を最大化するためにこそ欠かせないとも考えます。だからこそ聞くのです。しかも質問が下手くそだと答えも中途半端になるので、あえて生々しい話を聞くこともある。そうすることが相談者のためになると考えているからです。
だから、相談される方は支援者が多くの質問をするのでそれにお答えください。それこそが最良の結果を導く一環であるとぜひご理解いただきたいのです。真に良き支援者は、適切な質問を通じて相談者の問題点を炙り出し、それに応じた具体的な支援を提供する用意があるのですから。
質問によるコミニュケーションを誤ると、間違いを含んだアドバイスを受ける可能性も高める。これは、医療だけでなく障害年金相談においても同様なのです。
支援者が質問を通じて得た情報は、相談者へ最適な支援を提供するための基礎となります。ですから、質問を通じて情報を収集するプロセスを軽視せず大切にしていただきたい。その一手間が最終的には、あなた自身の利益につながるのです。支援者のひとことひとこと、とりわけ「質問」を軽視するのはとても危険です。
まとめ:
あなたの相談相手が(そんなことまで聞くの?)という質問をし、あなたの話を聞いてくれているなら、それにはきちんと答えた方が良いとご提案いたします。質問が多いのは、あなたのことを思っての展開に間違いありませんから。
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