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老舗企業がデジタル人材採用を成功させる5つの秘訣


デジタル人材採用についてよく聞かれるので、乱文で恐縮ですが、少しまとめてみました。

①【行動する】事業責任者や経営者自らが動く

  • エージェントさんへのオリエンは自ら行う。部下や人事任せにしない。オリエンは、責任者の想い、人柄、一つ一つの言葉、全てが大事。それをエージェントさんに全身全霊で伝え、エージェントさんはそれをできる限り再現性高く候補者に伝えてくれます。人任せにして伝言ゲームになると想いや情報が減衰し、ピントの合わない面接が増えて疲弊します。フェーズにもよりますが、エージェントさんや人事とは隔週か月一でPDCAを回しながら打ち合わせをする。

  • エージェントさんも得意分野が異なるので、ちゃんとそれを見極め協業をする。

  • ダイレクトリクルーティング(ビズリーチ等)を活用して自分でスカウトを送ってみる。まずはミニマムで良いのでスカウトメールを購入して面談をたくさんする。コツがわからなければダイレクトリクルーティングの会社の営業かカスタマーサクセスにどんどん聞く。スカウトメールをおかわりしてダイレクトリクルーティングを学びながら習慣化する。当社の役員や幹部自ら、昨年から送るようにしてもらってます。

  • IT人材やデジタル人材採用を強化したいのであれば、うまく言っていれば別ですが、スピードと質を上げたければ、IT企業、スタートアップ企業、人材紹介会社出身で経営層と伴走できるようなHR人材も初期の高いで1−2名採用した方が良いと思います。採用、採用広報などを質とスピードを上げてくれます。徐々に既存人事にもノウハウを蓄積しつつ。

②【ターゲットアプローチ&ターゲット理解をする】年間200人くらいには人材に会い続ける

  • 週4-5人会えば年間200名くらいに会うことになります。それだけ会えば人材の目利きもできるようになりますし、短期的に採用に繋がらなくても、一生涯で何某かのご縁になるので、一つ一つの出会いを大切にします。私はおそらく300名は年間で会ってると思います。採用は習慣かのように10年以上やってるので3000名以上は会ってると思います。

  • たくさんの人に会えば、どんな人材が、どのような会社でどんな想いで働いてるかわかるようになり、ペルソナ、ターゲット理解が深まります。願わくば、誰がどこで働いてるか、転職したなどの流動的な把握もしておくとベターです。マーケティングで顧客理解と言われるのと違い感じです。故に、人事や採用に関わる人(募集元のマネジメント)はマーケティング知識と行動は必須だと思います。

③【採用広報をする】会社を知ってもらう努力をし続ける

  • 老舗企業はデジタル経験のある特定の職種に対しての採用広報をほとんどしてきていないので、ソフトウェアエンジニア、デジタルマーケティング、Ops、データサイエンティスト、プロダクトオーナー、プロダクトマネージャーなどの人気職種を採用するには、それらのターゲットに魅力的に映るように会社を知ってもらう努力を続ける必要はあります。自らが外に出て話したり、社内の様々なタレントやアセットを軸に多層的に会社の魅力を伝えたり、格上げしてくれるような会社と並んだり、上述の人材が魅力を感じるような発信を継続的に行います。

  • 多くの会社が、「営業職」「マーケティング職」「IT職」などざっくり募集しているので、専門性の高い中途社員の応募はきづらいですし、マッチングもしずらいですし。他社やIT企業、スタートアップ、コンサル企業などの採用ページやJDを定期的にチェックして学んで、全く異なる募集要項になっていると思うので、取り入れた方が良いです。

  • 採用候補者は自分達で思ってるより、自社が本当に知ってほしいことはほとんど知りません。全く知らない、または異なったイメージを持っているくらいの心構えでいた方が良いです。大手企業は過去からの企業努力や資産である、認知度があるので、ある一定募集がきます。ただ上述のように専門性の高い人材が来なくて、採用手法のやり方も大きく変えないので、採用がうまくいかないケースが多いです。

④【採用を文化にする】リファラル採用が根付くくらいまでを目指す

  • DX責任者や経営者であれば、まずは5-10人くらい自らリファラル採用で優秀な人を探してくるくらいの採用力が必要だと思います。 会社や新規事業を立ち上げる時は当たり前のようにやります。それくらいの気概と行動力が必要です。

  • リファラル採用は文化や採用の当事者意識醸成、離職率低減など様々な効果が見込まれますが、人材紹介手数料は理論年収の30-35%と言われてるので(優秀だったり稀有な人材はもっと高い)、1人で5-10人リファラル採用したら採用費用として換算すると1000万円〜3000万円くらい会社のお財布やP/L財に優しい貢献になりますしね。リファラルの社内インセンティブを制度化している会社は10-50万円/人くらいの話を聞きますが、会社としてはお釣りがたくさん出ますよね。リファラル採用を一人一人が頑張るだけで、こんなにも簡単に利益を作れるのです。1000人の会社であれば、仮に全員毎年1人リファラル採用したら毎年数億円の利益貢献になります。

  • まずは自分で仲間を見つけてきて、今度はそこからまた広がっていきます。ゆくゆくはリファラル採用が文化と根付くまで人事や事業責任者と意識の醸成や仕組みを作り上げていくのが理想だとは思います。なかなか簡単ではありませんが。DXや変革は組織全体の前に経営者自身やDX責任者の意識と行動そのものを変化が鍵だと思います。

⑤【差別化をする】他社とは違うことをやる

  • デジタル人材はテックジャイアントやメガベンチャー、スタートアップ、外資系企業、一部の超大手企業で人材の取り合いです。最近は勢いのあるベンチャーだと1000万円から2000万円を超えるオファーレンジで、+SOといったパッケージなので、top-notch優秀な人の給与水準がこの5-6年で高騰してます。給与や環境ではそれらの企業と正面から競うにはなかなかタフです。top-notchでなくともデジタル人材は需要が高く採用競合が多いので、上述してきたような当たり前のことだけやっても結果に繋がらない事が多々あります。なので、他社がやらないこと、意外に思われる事をチャレンジしてやることが大事です。老舗企業はこの辺り慎重になり大体やらないので、チャレンジしないことが大きな機会損失であり、実践すれば機会です。

  • 差別化をした上で、候補者のキャリアイメージや価値観に合わせて、Value propositionを伝え、ストーリーにする。

  • とはいえ企業として、そもそもの収益性をさらに良くして、テックジャイアントや外資系企業、最近のメガベンチャーのような給与水準に劣らないようなビジネスモデルにしていくのも大事かと。

⑥目標を明確にする
XXまでに何人採用する。逆算して、XX X人の面接、XXXのコンタクトをする。これらの期限と数字を明確にする。事業部と人事部の目標の間にボールが落ちないようにする。

ちなみにこの2年のパイオニアはスタートアップが一つ作れるくらい優秀なデジタルやデータ、マーケティング、スタートアップ経験者それなりの人数入社してくれてます。
多くのデジタル人材が入社してくれ、Chief Technology OfficerもChief  Data Officerも入ってくれたので、私はChief Digital Officerで入社しましたが、DigitalがつくChiefの必要性を感じなくなり、昨年からChief Digital Officerという役割は一旦doneです。Chief Digital Officerは本質的には不要だと思っており、できる限り早くChief Digital Officerの存在がなくなる事、組織にデジタルやデータが当たり前になることが本望であると思います。
なんかアルファベットばかり文字文字してしまいました…

※当社もデジタルやデータが当たり前になっているかというとまだまだですが。

私が入社した時はデジタル人材(定義がなんなのかですが)と言われる人は社内にほとんどいませんでした。もちろん採用は私1人だけでやってるわけではなく、組織一丸となってますが、採用に関しては入社した時のマイルストン通りのイメージで進んでます。

これら先述の活動はDXと言っている会社の経営者やDX責任者の基本の仕事だと思います。DXや変革、AI等と言っている時だけの活動ではなく、組織を成長させ続けるのであれば、永続的に、だと思います。責任者クラスだけではなく、現在の組織や現状に危機感を感じている人がいて、リーダーシップのある人であれば役職問わず今から行動した方が良いと思います。
ちなみに、基本的に主務である通常業務があるので、これらの採用活動全般はexta workだと私は思ってます。

上述したことは、何も難しくなく、やるか、やらないかだけです。資格も免許も何もいりませんが、意識と行動力につきると思います。

私の知っているメガベンチャーや成長しているスタートアップの経営者は呼吸をするようにこれまで書いたようなことを日常的に行っています。これだけと属人的になるので、組織に文化として根付かせたり、人事と共にナレッジ化していくことで、永続的に優秀な人材を採用できる文化や仕組みになっていくと思います。

お金が潤沢にあれば、お金を使って採用は色々できます。とはいえ採用も大事ですが、オンボード、定着化など、制度や文化そのものを変えていかないと、今度は離職に繋がるので、持続可能性がありません。

成長のセルフチェックという記事を書きましたが、育成、日々の習慣はとても大事です。

言わずもがなかと思いますが、老舗企業は"人事"や"人"が最大の投資領域だと思います。事業部や人事、全社員が当事者意識を持って、意識も時間もお金も最も投資する領域にしていく必要があると思ってます。

採用とB2Bマーケティングは個人的には瓜二つだと思うので、B2Bマーケティングやっている人が採用チームに入ったらかなり良い感じになると思います。

当社も成功とまで言えないので、偉そうなタイトルになってしまいましたが、当社もまだまだ山の登り途中で、やる事盛り沢山ですので、言うは易し、引き続き頑張ります。

デジタル人材採用に絞った投稿になりましたが、当社で言うと多くがプロパー社員でカーエレクトロニクスのプロフェッショナル集団です。当社の強みであるモノづくりの文化や歴史、実績、人材と、上述したようなデジタル人材や他様々職種との融合で、多種多様なアイデンティティが活躍して成果を出し続ける組織が老舗企業の今後の在り方の一つでは、と個人的に思ってます。

それと、私はこれらの採用に関わる活動は会社で誰かに頼まれてるわけでもなく、自分の年間の目標に入ってるわけでもなく、人事管轄や広報管轄でもありません。

当社も多種多様な職種をオープンしております、今後も募集拡大していきますのでご興味がある方はぜひ👇

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