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【DTM】温かい音【作曲】

【Roadroller Sound Studio】(@RBYYYYYYYYYYYYY)です。

本日は音楽のことを考えていた際に、何となく今現在の自分のことを分析できた気がしたので、備忘録として残しておこうと思います。


世間では「共感覚」と呼ばれているものがあり、その中でも特に有名なものが「色聴」
音楽や音を聞いて色を感じる知覚であり、共感覚の中で最も発生率が高いと報告されているものです。

ちなみに僕にはその感覚は全くありませんが、音楽や音を聞いて「温かい」か「冷たい」かは分かります。
これも共感覚の一種かと思い、少しだけ調べてみたのですが、どうやらこの感覚は含まれていないようですね(名付けるとすれば「温聴」とでも言いましょうか…)

この感覚をすごく簡単に説明すると、低音は温かく、高音は冷たく聴こえるというものです。

昔からこの感覚はあったわけですが、どうして今さら音の温度について意識するようになったかと言うと、ミックスとマスタリングについて考えていたことがキッカケでした。

音楽制作の過程はよく料理に例えられたりするわけですが…

・作曲 … レシピの準備(音素材の用意)
・ミックス … 調理(各パートのバランスを調整)
・マスタリング … 盛り付け(最終的な音量調整等)

以前は作曲家と、ミックス・マスタリングを専門とするエンジニアで作業分担をすることが多かったのですが(※ トップレベルになれば今でもそうです)現代はPCさえあれば、誰でも比較的安価に高品質な音楽制作ができる、そんな素晴らしい時代になったので、逆に言えば最初から最後まで、作曲から完パケまでこなせるクリエイターが求められる時代になってしまったわけです。

今やクリエイターは作曲だけでなく、ミックス・マスタリングに関する知識や技術も最低限必要であるということですね。

結論から言えば、ミックス・マスタリングに正解はありません
音楽ジャンルによっても良いとされる音も変わってきます(例えばダンスミュージックは低音を出した方が良いなど)

ただ、あくまで僕のイメージですが、現代の大衆音楽のミックスにおいては可能な限りドライに、可能な限り低域をカットする傾向にある気がします。

・ドライ=リバーブ(残響)成分が少ない
・低域をカット=キック(バスドラム)やベースが目立たない(小粒感)

これに反するミックスをした場合、現代のリスナーからどう思われるか。

「何だかモコモコしてる」

おそらくこういった第一印象になるかと思われます。
(リバーブ成分が多かったり、低音域が重なると発生しがちな現象)

しかし、それが果たして不正解のミックスなのかを考えてみました。

僕がサウンドクリエイターになろうと思ったキッカケはゲーム音楽を作りたいと思ったからなのですが、その原点はやはり子どもの頃から長く親しんだ「スーパーファミコン」でした。

そこで改めて当時のスペックを確認してみたのですが…

■スーパーファミコンの音源チップ

スーファミ_音源チップ

かくいう僕も全然詳しくないので簡単にしか説明できませんが、スーパーファミコンは劣化した音が出てるということです。

共感してくれる方がいらっしゃったら嬉しいのですが、スーパーファミコンの音ってモコモコして温かくて、ちょっとザラザラしてるって感じたことはありませんか?(超絶感覚論)

「劣化」と書いてしまうから良くないモノと思われがちですが、あの音こそがスーファミにしか出せない味のある音、僕が音楽に温度を感じるキッカケとなった音なのです。

そしてあの時代、多くの人々がそんなスーファミのゲーム音楽に心奪われたことも揺るぎない事実かと思われます。

今の時代にスーファミのような音を出すのは間違いなく世の中のニーズには合っていないのですが、あのモコモコした音域や曲の雰囲気をあまり削らず、曲によっては多少残しておくのも悪くないんじゃないかなって最近思ったんですよね。

時代がスッキリした音楽で満たされれば満たされるほど、ちょっとだけモコモコした温かい音楽がひとつの特徴になり得るのではないかと。

「素人っぽい」
「EQ処理が甘い」
「ひと昔前のサウンドっぽい」
「クリアなサウンドじゃない」...etc

DTMをやっている方々にはこういった感想を抱かれる可能性はありますが、一般の方々に「この人の作品って何かよく分からないけど温かく感じるんだよな~」って思って頂けたらそれだけで十分…というか本望ですよね。

もちろんこれを現代が求めるミックス・マスタリングが出来ない言い訳にするのではなく、サウンドクリエイターとしての自分を少しでもブランディング化していく上で大事なことなのではないかと思ったので、今回記事に残させて頂きました。

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