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#Eastward はスーファミへのノスタルジーにとどまらない傑作。

あの頃を体験した人も、しなかった人も、オススメ。

EastwardはSFC時代を彷彿とさせる2Dアクション

 Eastward(以下イーストワード)についてまず説明する時、はじめに語るのは、概ねスーパーファミコン時代後期を彷彿とさせるような見下ろし型2Dのアドベンチャーゲームであるということだ。もちろん、令和の2021年にでた最新のゲームであり、20年以上前にも出ているなどということはまったくない。

 テレビゲームもスーパーファミコンの時代になるとメーカーがこなれてきたため、作り慣れないがゆえの不親切さや難解さは影を潜め、幅広い層が楽しめる安定感を持ち始めた。そういう時代だ。もっともその後のPS1の頃は新興メーカーがどっと増えたので一転してとんでもない作品も大量に出たのだが。

 緻密なドット絵で彩られる世界観と冒険の舞台のみならず、ゲームシステムもゼルダの伝説神々のトライフォースとマリオ&ルイージRPGを下敷きにしている。もちろん両方の要素を併せ持って上手く整えたゲームは当のニンテンドーも確か出していなかったはずなので、影響を大きく受けてはいるが独自のゲーム、ということになる。

 具体的にどう影響受けているかで言うと、ダンジョンの探索におけるパズル要素をゼル伝とマリルイRPGから受けており、戦闘についてはバトルに切り替わらずそのままアクション戦闘になる。つまり、バトルがコマンドアクションRPGだったマリオ&ルイージRPGを、そのまま2D見下ろし型アクションのバトルに置き換えた形だ。

 プレイヤーは操作キャラの二人を随時切り替えられ、ダンジョン攻略でも戦闘でも双方の長所を駆使して攻略することになる。片方だけで進めようとするのは途端に難しくなる程度に、上手くバランスを取っている形だ。また、ダンジョン内のパズル要素では操作キャラがそれぞれ分かれて攻略する場面もある。プレイヤーキャラが二人一組であるがゆえの要素だ。

 後半につれて難しくなる箇所もあるが、全体的な難易度は抑えめ。ゲーム進行に伴う難易度の上昇も比較的緩やかなので、ごく一部のシーンを除いてお手上げになる、という箇所は少ない。最終盤ではかなり難しいところもあるが、リトライポイントが直前にあるためゲームオーバーしてもすぐやり直せて、根気があればクリア出来る範囲だ。バチバチの死にゲーに至るまでではない。

 難があるとすれば、このタイプのゲームとしては珍しくストーリーが進むと前のエリアには戻れないところ。節目節目でエリア移動が発生し、元いたエリアでの探索は一切できなくなる。宝箱などは基本わかりやすいヒントがある他、近づくとアラートを鳴らすアイテムもあり丁寧に探せば大体は取れる。が、一部かなり難しい配置のもあったのか一週しただけではかなり取りこぼしも実際あった。収集品をコンプしないとクリアが難しくなるといったことはないが。

 回復アイテムである料理も、素材の在庫数が限られているためレシピ埋めは計画的にやらないとろくすっぽ埋まらない。モンスターからのドロップもあるが、ドロップ率はかなり低いため雑魚狩りで補填するのはとても大変だ。

 総じて、アドベンチャーゲームなのに収集品の取りこぼしについては今どきらしからぬかなり厳し目のデザインになってる。これはおそらく意図的な構成なので今後の修正とかもないと予想している。根気よく回るか、コンプリートは二週目に回そう。

 印象的なアートワークのみならず、作中BGMやキャラクター立てなども非常にチカラの入った内容で、ちょっとストーリーが進むだけでも通りすがりの町人のセリフまでガラッと変わる。なので、ストーリーの合間合間に話しかけ回るのが楽しいタイプのゲームだ。

 また、ゲーム内でプレイ出来るゲームとして、別のRPGがプレイ出来る。これも面白い。ドラゴンクエストをオマージュしたコマンド型RPGだが、7日の時間制限とゲームを初めるたびに仲間のスキルがシャッフルされるローグライク要素を付け足している。7日経つことで強制的にラスボスとの戦闘に入るため、それまでに何処まで自分たちを強化出来るかがポイントになるようだ。もっともこちらも、ゲームが最終盤に入るとプレイできなくなる。なった。まあラストダンジョンにゲーム機がしれっとおいてあるのはシリアスブレイク以外の何物でもないので致し方ないかもしれない。

Good要素

・精緻なドット絵アートワークの魅力的な世界
・丁寧にチューニングされたダンジョンのパズル要素
・町人の一人に至るまでしっかりキャラ付けされた人々
・アートワークにあったサウンド
・お値段に見合わないボリューム
・本編そっちのけでプレイしてしまうゲームinゲーム
・テキストの多いゲームだが翻訳は良質で文意の通らない内容もない(謎めいた言い回しは結構あるが誤翻訳ではない)

Bad要素

・敵が頑丈。テンポを悪くするほどではないが、頑丈
・ストーリーが進むと回収しそびれたアイテムが取れなくなる
・回復アイテムの素材量が限られており、使いみちが悩ましい
・ノスタルジックに振っているため、そこにピンと来ない人には合わない
・基本的にエリア進行は一筆書きかつポイント・オブ・ノーリターン
・まれにエラー終了する。がオートセーブなので実害はほとんどない

最後にトレイラーをはっつけておくので合わせてチェックしてほしい。

戦場へ

総じて丁寧に作られており、ボリュームも十分。Steamでも買えるが携帯モード向けでごろ寝プレイが楽しいのでもっているならSwitch版がおすすめだ。

今回はここまで。またな。

現在は以下の作品を連載中!

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ロボットが出てきて戦うとか提供しているぞ!

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パルプスリンガー、遊行剣禅のパルプ小説個人誌です。 ほぼ一日一回、1200字程度の小説かコラムが届きます。 気分に寄っておやすみするので、…

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