5冊読了(10/12〜10/31)
1『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
2『ルビンの壺が割れた』宿野かほる
3『孤独の価値』森博嗣
4『星をさがす』石井ゆかり
5『ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ 』とに〜
もう12月ですねぇ。
一年が長いとか短いとか特に感じないので、「もう」とか付けてみましたが、別に「もう」とか思っていないです。
12月ですねぇ。
年末は何かしら一年のランキングが発表されますね。
本についても色んなジャンルのランキングが発表されて、やはりその上位にあるものは興味が湧いて読んでみたくなります。
なかでも僕はミステリー小説のランキングには興味を持ってしまいます。
「このミステリーがすごい!」「本格ミステリベスト10」「週刊文春ミステリーベスト10」など、ミステリーだけでも色々な種類があります。
もう全部の一位を読みたいくらいですが、それは絶対に不可能なので、その中でも厳選して読んでいくことになります。
ランキングに踊らされるなんてミーハーで浅はかな感じはしますが、まあ魅力を感じて興味持っちゃうもんは仕方ないですよねー。
書いてて思いましたが、僕も自分で読んだ本のランキングをつけて記事にしましょうかね。
今年一年読んだ本の、特に良かったものを紹介する形で。
小説とそれ以外に分けて順位をつけようかな。どうしようかな。
まあ何かしらの形で、一年の総決算みたいなものを出したいと思います。
さて、
1は映画化もされて話題の作品ですね。
2019年に本屋大賞を受賞した作品でもあります。
僕は瀬尾まいこさんは『強運の持ち主』という一冊だけ読んでました。
優しい描写で肩肘張らずに読める作家さんだなぁという印象でした。
これはオーディブルで読みました。
島田奈歩さんの朗読が聴きやすくてとても良かったです。
お話も面白くて感動的でとても良かったです。
親が次々と変わっていって、現在4人目の父親と二人で暮らす女子高校生が主人公です。
幼少の頃からの過去を振り返る形で、現在の状況になった経緯が語られていきます。
大人の都合で家族関係や住む家をたらい回しにされるのですが、それを悲観的に捉えない主人公の姿が清々しく、読んでいて元気をもらえる一冊でした。
読んでいる最中に映画化の話題が発表されたのですが、主要人物の3人のキャスティングが絶妙だなぁと思いました。
映画も観たいです。
2も数年前から話題になってた作品ですね。
文庫で読みましたが、単行本で出版されて本屋に並んでいる時からずっと気になってはいました。
「ネタバレ禁止!」「衝撃のラスト!」みたいにミステリー好きの心をくすぐるような宣伝文句が満載だったんですよね。
ただまあ、そこまで期待せずに読みました。
この手の感じで話題になる本は、期待通りの感動を覚えるものは少ないので。経験上。
それでも買って読んでみたくなったのは、手にとってパラパラめくってみた時の、文章の読みやすさと、いかにも何か仕掛けが施されているんだろうなという印象と、ページ数の少なさによってでした。
感想としては、やはり期待せずに読んで良かったなぁという感じでした。
うーん、やはり宣伝文句を見すぎたという感じですかね。
意外な展開があるってことは、序盤の印象とは違う展開になっていくんだなぁと思って読み始めちゃうわけで、最初の感じでなんとなく、こういう感じだろうなぁ、と思っちゃって、それが当たっちゃったわけです。
もちろん序盤で具体的に物語の真相がわかったわけではないですが、大まかな感じでは当たってて、ラストの展開を見て、うーん、まあ、そんな感じしたよねぇ、って思いました。
それも過剰な宣伝文句を見ちゃってたからで、まっさらな状態で読んでたらどうなってたかわかんないですけど。
まあ読んでいて楽しかったといえば楽しかったので、読んで後悔するほどのものではないですが、充分に作品の醍醐味を堪能できなかったという意味では、やはり宣伝文句に踊らされるのはよくないな、と思いつつ、でもあの過剰な宣伝がなければそもそもこの作品を読まなかったかもしれないわけで、なんともいえないですね。
作者の宿野かほるさんは覆面作家さんで、年齢も性別もわからないですね。
そのことは大変興味をそそるので、今後もこういうテイストの作品が出されるなら読んでいきたいですね。
ページ数の少なさは必須条件ですけど。
続編みたいな作品は既に出てますね。
続編ではないのかな。
『はるか』という作品ですね。
たぶん読みます。
3は森博嗣さんの新書です。
最近は新書にハマっているし、中でも森博嗣さんの作品にハマっています。
小説も大好きですが、やはりもともとご本人のものの捉え方や考え方が優れているので、こういうエッセイ本もとても面白いです。
言いたいことをズバッと言ってくれるような痛快さもありつつ、飄々とした優しさもあって読んでいて気持ちが良いのです。
特にこの「孤独」をテーマにした一冊は良かったです。
人間関係や寂しさについて、漠然と、不満や不思議に思っているようなことを言葉にしてくれて、それを論理的に展開していってくれます。
こういう風に捉えればいいのではないかと語りかけ、ではなぜこういう風に捉えられないのか、などと全てを論理的に紐解いていってくれるのです。
そして孤独は決して悪いことではないという結論を導いてくれます。
孤独という一貫したテーマについて書かれた本ですが、話題は教育や芸術についても裾野を広げます。
なのでどんな人の胸にも響く一冊だと思います。
いま孤独感を持っている人はもちろんですが、そうではなくても、孤独というものに関心や恐怖を持つ人は多いと思うので、そんな方にはぜひ読んでもらいたい一冊です。
4は占星術師の石井ゆかりさんの本です。
僕は正直、占いにも天文学にも、知識も興味も薄いのですが、数ヶ月前に読んだ『月で読む あしたの星占い』という本がとても良くて、著者自身に好感と興味を持ったのでまた別の本を読んでみました。
太陽、月、惑星、12星座などの占星術における意味合いや、天体での周期や見つけ方について紹介してくれています。
石井ゆかりさんは、当然ですが宇宙の星々に関する知識が豊富で、それを教えてくれる語り口が優しくてとても良いです。
何より、星占いを信じる人にも信じない人にも公平な立場でそれを説いてくれるので、僕のようなタイプでも読みやすいです。
頑張って勉強しようと思って読んだわけではないので、夜空を見上げてあれは○○座だとわかるほど覚えられたわけではないですが、自然と夜空を見上げて星を眺める時間ができたなぁと思いました。
天文学を勉強するのにも良い本だなぁとも思いました。
テレビで活躍するような占い師さんはパフォーマンスとして魅せなければならないので、相手の過去を言い当てたり、未来に起こることを予言したりして、その様子を本人も周りも大仰に振る舞ってショーにしますが、占いって本来そういうものではないんだなぁと、石井ゆかりさんの本を読むとわかります。
気分や体調の浮き沈みがあるのは普段の生活で体感できることで、それと同じように運勢にも周期的なものがあって、それが星の動きと連動しているかもしれない、という非科学的な考えが星占いです。
でもその考えが古くから信じられてきて現在まで継承され続けているというのは事実で、星の周期は未来の予測がつくものなので、もしかしたらそれに連動してあなたの未来の運勢の浮き沈みもわかるかもしれない、わかるならそれに則した備え方やスケジュールの立て方をした方がより良い人生になっていくかもね、という助言となるのが占いの在り方なのだと学びました。
なので占星術は学問に近いものだと思います。
お客さんの運勢を言い当ててお金を得るとか、パフォーマンスとして披露して名声を得るとかというものじゃなく、知識が豊富な人がそうでない人に教授してその知識を生かすかどうかは本人次第、というものではないかと。
だから自分でも占えるように、天体と占星術の知識を与えてくれる石井ゆかりさんの本なら今後も読んでいきたいなと思います。
5は西洋絵画の入門書みたいな本です。
西洋絵画の入門書みたいな本を色々読んでいってます。
これも必死に勉強しようということではなく、なんとなく興味はあるのでちょっとぐらいは知っておきたい、という感じで読んでいってる分野です。
著者のとに〜さんはアートテラーという肩書きで活動されている方だそうです。
もともと芸人さんだった、とかなのかな?
正直とに〜さんもアートテラーも知りませんでしたが、でもこの本は自分にちょうど良さそうと思って買って読みました。
西洋絵画の歴史に関する疑問をQ&A方式で答えていって総ざらいしてくれるような内容です。
美術における〇〇派とか〇〇主義とか〇〇イズムみたいな用語もわかりやすく解説してくれています。
難しくてとっつきにくい分野のことを、初心者用に親しみやすく教えてくれるのはいいですよね。
ありがたいなぁと感じます。
この本の中で色んな作家さんが紹介されていますが、僕はヴィルヘルム・ハンマースホイという作家さんに興味を持ちました。
全然知らなかった作家さんですが、その絵の静謐さというか、見ようによっては暗くて陰湿で怖い感じなのですが、正しく均衡の取れた律儀さや真摯さみたいなものも絵から感じ取れて、とても好みでした。
デンマークの作家さんなんですよね。
僕は映画も北欧系の作品が好きなので、何か自分の芸術的感性が北欧と共鳴するものがあるのかも、とか思っちゃいました。
なんの縁もゆかりもない土地ですけど。
そんな好きな作家さんを一人増やしてくれたこの本には感謝です。