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小学生メンター ミソノ

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一人の小憎たらしい女の子、もとい天使が言った。 「今のあんたは、全くイケてないわ。そんなんじゃ、まあ、何をやってもうまく行かないでしょうね。でも、あんたの心の声は、私に届いた」 …
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#勉強

小学生メンター ミソノ <第4話>

小学生メンター ミソノ <第4話>

4.なぜ勉強するのか、を考える【前回のお話】3.勉強するな、を体験する

 なぜ人は、勉強をするのか。
 その課題を出した後、美園はなんやかんやと言いながら、オレの部屋に居座っていた。
 漫画を取り出しては、オレのベッドの上で読みふけってケタケタと笑っている。
「ちょっとカズ、喉が乾いたから、お茶でも出してよ」
「自分で飲みに行けよ」
「や〜よ。私、お客様だもん。お茶は入れてもらうものよ」
 仕方

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小学生メンター ミソノ <第3話>

小学生メンター ミソノ <第3話>

3.勉強するな、を体験する【前回のお話】 2.和成、気持ちに正直に向き合う

 勉強するなと、美園に言われたのもあって、昨日は久しぶりに宿題も予習も復習もせずに床についた。
 勉強するなって、明日の学校でも勉強をするなということだろうか。
 学校で勉強しなかったら、何をすればいいんだ?
 ベッドの中から天井を見上げて、今日一日のことを思い出す。
 
 学力テストでランク落ちした時のグチャグチャな気

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小学生メンター ミソノ <第2話>

小学生メンター ミソノ <第2話>

2.和成、気持ちに正直に向き合う【前回のお話】 1. 小学生メンター、現れる

 ノリノリでスティーブ・ジョブズの話を続けている姿に呆気にとられているオレを見ると、美園はコホンと咳払いをして言った。
「まあ、ジョブズの話はまたの機会にゆずるわ。
まずは、和成、あんたの話。言ってごらん、ゴミ箱を蹴った訳を。言いにくいんだったら、私が言ってあげましょうか?」
「いい!自分で言うから!」
 天使と言って

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