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日本史の歴史考察

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2020年11月の記事一覧

魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その18 中国の正史と日本神話での倭国

魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その18 中国の正史と日本神話での倭国

 今回の記載内容については、既に知ってる人にとっては常識の範疇なのですが、初めて目にした人にはかなり驚きの内容だと思います。神武東征について考えてみたいと思います。

□実は中国の正史には倭国の天皇の発祥は九州と書かれている 『新唐書(1060年完成)』には、以下の記載がある。

 まず、王の姓が阿毎(あめ)と書かれている。初代の名前もあり、尊(みこと)が称号だ。尊は、言わずと知れた、その後の天皇

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魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その17 倭国と邪馬台国の所在地

魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その17 倭国と邪馬台国の所在地

 ここまで読み解いてきた邪馬台国(邪馬壱国)に関する考察結果をおさらいして、邪馬台国の場所について見解を述べたいと思います。

□判明している倭国の場所 まず『魏志倭人伝』に書かれている帯方郡(朝鮮半島にあった魏の拠点)から韓国を通って倭国へ至る過程で登場する対馬国、一大国(一支国)、末盧国、伊都国、奴国までの最初の5ヶ国は、九州北部にある。次の不弥国も、候補地の違いはあるが、九州北部にある国とい

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魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その16 纒向遺跡と箸墓古墳

魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その16 纒向遺跡と箸墓古墳

 機内説の中では、纒向遺跡(弥生時代末期~古墳時代前期)と箸墓古墳を、邪馬台国や卑弥呼と結びつけて考えられる事が多いです。実際に、これらの遺跡から何かしらの新しい出土品がでる度に、これで益々邪馬台国の機内説が有利になったとメディア等が騒ぐ構図があります。ここが本当かを考察したいと思います。

□纒向遺跡、箸墓古墳は魏志倭人伝に書かれている卑弥呼の墓とは特徴が一致しない 纏向遺跡は、弥生時代末期から

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魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その15 邪馬台国が九州内にあった根拠

魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その15 邪馬台国が九州内にあった根拠

 今回は、邪馬台国はどこかの絞り込みのため、ここで、まず邪馬台国が九州内にあると考える理由について述べてみたいと思います。

□国の数が少なすぎる 『魏志倭人伝』によると、倭国は約30ヶ国だ。同じ『三国志の烏丸鮮卑東夷伝』内には、朝鮮半島の南部の地域の今の韓国に相当する「韓」国についての説明も記載されている。「韓は、南は倭と境を接していて、馬韓、辰韓、弁韓(弁辰)の三種類に別れている。馬韓は五十与

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魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その14 中国への朝貢と年代

魏志倭人伝から邪馬台国を読み解く その14 中国への朝貢と年代

 今回は、当時の日本と中国との国交の記録から、交流の流れや年代を追ってみたいと思います。

□倭国の朝貢 まず驚くのは、この時代で、既に倭人の国々から中国に朝貢している国が30ヵ国近くもあることだ。中国に使者を送れば、中国から自国の領土や王として正式に認められることや、その褒美として高価な物、貴重な物、金品等が与えらること等を韓国側などから情報として、得ていたのだろう。なお、実際に朝貢に来た国名が

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