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ちゃんと枯れると隠れてた構造がみえて綺麗【胡蝶蘭その10】

胡蝶蘭の花には宇宙人がいて楽しい!
そんな日々もやがて終わりを迎えます。
花は枯れる。
しかし、私、今度は気づきました。
花が枯れていく過程で、凄く綺麗な瞬間があるのです。

胡蝶蘭の花は上手く管理すれば3ヶ月くらい咲いてくれます。
毎日毎日観ていると、あ、ピークを過ぎたな、という日が訪れます。
そこから数日経つと花の水分が抜けてきて、花脈が急に際立つ時がやってきます。(葉脈に対して花脈と呼ぶみたいです)
花脈というのは、栄養や水分を運ぶ路、いわば花の命を支える構造なのでしょう。
私はこの花脈が際立った状態の花が凄く綺麗だと感じます。

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そして花は徐々に閉じていくようなかたちになって茎から自然に落ちます。
落ちた花をそのままお皿に並べて乾かすと、咲いているときとはまた違った色味になり、花脈の浮き出た美しい姿になります。

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まだ元気に咲いている花が茎から取れてしまったことがありました。
花を直接水に浮かべて楽しんだ後、水からあげて他と同じように乾かしたけれど、花脈は綺麗に浮き出ませんでした。
水分が自然に抜ける過程を経ないと、あの姿を見ることは出来ないみたいです。

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花だけではなく、葉も同じ。
胡蝶蘭の葉は下葉が急に黄色くなって枯れます。
必要ないと判断した葉は問答無用で落とす!という厳しさを感じます。
生き生きした緑の葉とのコントラストが面白い。
葉も自然に取れるまで待って乾かすと、葉脈がはっきりと浮き出て綺麗です。

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隠れていた構造が急に際立つ。
それを人間が綺麗だと感じる。
面白く感じる。

これはきっと胡蝶蘭に限った話ではないのでしょう。

普段は気にとめていない街の成り立ちや地理的条件を紐解いてみせてくれる、タモリさんがブラブラするあの番組。
一見マニアックなあの番組が国民的支持を得ているのも、同じものが作用してるという気がします。

それにしても、普段は隠していたり、役目が終わってからあらわす姿もこんなに綺麗だなんて、もはや胡蝶蘭になりたいとすら思うのですが…!

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