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自然農法で田んぼから畑へ改良してみよう

自然農には様々な手法が存在しますが、私なりの解釈とアレンジが入っていることをご了承下さいね。

私が思う自然農を一言で表すならば農地に生態系を作るということです。

自然農が理想とする形は森です。人間が手を付けずとも調和がとれている状態が目指すべき形であると考えています。畑に生態系を作り出し、その力を借りて栽培を行います。

自然農法をベースとし、より労力をかけずに農地を管理、栽培する方法を探究していくことが目的です。
飽くまでも労力>収量、効率というように重点を置いていますのでそれを踏まえて読んで頂ければと思います。

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これが現在の田んぼです。ここから土壌改良を行い、畑に変えていきたいと思います。

田んぼを畑にするために重要なことを整理しましょう。

田んぼは畑に比べて有機物が少ない場合が多いです。通常であれば分解されにくい稲藁、意識して入れている所であれば緑肥や堆肥等でしょう。

有機物の少ない土は団粒構造が乏しいため硬く、保水性・水はけが共に悪くなるケースが見られます。田んぼでは問題の無かった土壌特性が畑に転換する際にネックになることが分かりますね。

2つ目は土壌生物が非常に少ないことです。これは有機物が少ないこととも関係していますが、ミミズなどの虫や土壌中の微生物が少ないため、上の写真のように稲藁などの有機物が全く分解されずそのままの形で残っています。

これからのことから、田んぼの土を改良する為には有機物の投入と分解者の存在が不可欠であると言えます。

これらを同時に行うため、今回は緑肥を用いることにしました。主に使うのは分解されやすく、菌の住処を提供出来る豆科のセスバニアに決めました。さらに効率の良い方法を挙げるなら、堆肥を投入し、微生物の多い土壌(森林土壌など)を表層に持ち込んでから緑肥を撒くのが最善であると考えています。しかし、そこまでのコストをかけられないと判断したため最もコストのかからない方法を試すことにしました。

長年酷使してきた土地を一度自然の状態に近くなるよう無理矢理調整をかけていくステップです。

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5月末に撒き、7月半ばの状態です。一反の農地がほぼ覆いつくされるように茂っています。こちらの緑肥を伸びては切りを繰り返し、畑に有機物を供給していくことが第一段階で目指すところです。徐々に畑に分解者が増え、人工的な投入無しに生態系が回るようにしていくのです。

今回使用した緑肥は近くのホームセンターに売っていなかったのでAmazonで買いましたが、今は取り扱いが無いみたいです。田助には根粒菌の袋がセットになっており、非常に使いやすいかったです。

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セスバニアの根を見てみると根粒菌もくっついていました!白い粒々が菌の住処となっており、豆科に多く見られる根粒菌です。植物は菌に糖などの栄養を送り、菌は空気中の窒素を取り込みセスバニアに供給することで共生関係を築いています。この仕組みが豆科の痩せた地でもよく育つという特性の要因です。

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他にもおすすめの豆科緑肥があるので是非試してみてくださいね。