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記事一覧

ダイソーまで散歩

帰省する奥さんの荷物を持って、駅まで送り届けると、さっきから目の端で気になっていた、目の見えない人に声をかけた。 「どちらにいらっしゃるんですか」って。 聞くと、…

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1か月前
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ガン患者へのことば

坂本龍一の闘病記が高い注目を浴びている。2020年に直腸がんの転移をみつけ、6回の手術を受けているという。 NYの病院にかかっていた坂本さんが、仕事で帰国したときに、こ…

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2年前

日記0309

京王線が人身事故で止まってしまい、明大前で降りて駅の近くのマックで30分ほど過ごした。コーヒーとアップルパイ。 毎日、苦しい状況にいて、祈るように1日1日を過ごす。 …

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2年前

グランドブタペストホテル

ウェス・アンダーソンの「グランドブタペストホテル」DVDをamazonで買って、見た。 エレガントなピンクの城が、険しい山の頂に建っている。レイフファインズ演じる、ホテル…

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2年前

不安との付き合い方

不安な日々。 平穏な生活が、如何に貴重な時間なのかは、ことが起きてはじめてわかる。 「希望的想像と同じくらいおろかしく、それよりもたしかにずっと苦しい恐怖の幻想に…

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2年前

きらいなことば

カスタマーサクセスって、なんだか嫌な言葉だ。カスタマーサクセスが いるカイシャもなんか嫌。あと、成長。成長戦略なんて、そんな ことをいつも言っている人は、あまり本…

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2年前
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DUNE 砂の惑星

週末、DUNEを観に行った。砂の惑星を描いて、美しい映像があった。 砂漠で採れる香料が、宇宙の存在に関わっていたり、青い目に変化した土着民の生態がエキゾチックだった…

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2年前

『酒場 學校の日々』

この本、とてもよかった。 『パリのすてきなおじさん』という本を読んで、金井 真紀さんの文章とイラストが、たのしかったので、もう一冊選んでみたら、当たりだった。 詩…

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2年前

自分の環境くらい

そろそろ、環境を変えたいと思った。 どんな人を目標に生きていくのか? 誰かを非難したり、揶揄したり、笑いものにしたり、怒ったり、上げ足をとったりする、ろくでもな…

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2年前

はじまりのコップ

本の表紙に、空っぽのシンプルなコップが写っている。 透明感があって、すこし滲んでいるような。ガラスのただずまいがいい。 泡立ったビールがとても美味しく見える。 左…

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2年前

荒れる魂には、エレガントな服がはまる。

映画「ジェントルマン」を見る。ガイリッチー監督+マシュー・マコノヒー。 マコノヘイの着こなしが、とにかくかっこいい。 衣装デザインを担当したマイケル・ウィルキン…

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3年前
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日々のサブスクリプション

毎日の通勤で運動するということは、健康のサブスクと言える。 階段をつかうだけで、3分間のエクササイズという贈り物を自分に与えたようなものだ。 早起きして、ゆっくり…

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3年前

毎日、小さなものを受け取ってみる

花のサブスクで、3本もらってきた。でも、売れ残り専用の花を置いてるみたいだったよ、日比谷花壇は。 注文していた、新訳「カラマーゾフの兄弟」と「動きすぎてはいけな…

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3年前

おにぎりのサブスク

少しだけ早く家を出て、新宿のおにぎり屋さんに寄った。サブスクで、毎日おにぎりが2個もらえる。 と思ったら、そこのお店ではなくて、別の店舗だという。よく頭が回ってい…

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3年前

ノマドランド

ノマドランドを見た。 主演は、マグドーマンド。映画 「スリービルボード」や、amazonのドラマ・「オリーブキタリッジの生活」を見ていて、そのパンチの効いた個性的なオバ…

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3年前
2

「メイキング・オブ・勉強の哲学」千葉雅也

「メイキング・オブ・勉強の哲学」千葉雅也を読んだ。 深い勉強によって起こるのは、考え方が深いレベルで変化し、行動も変化することである。p.68 その深い勉強をするた…

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3年前

ダイソーまで散歩

帰省する奥さんの荷物を持って、駅まで送り届けると、さっきから目の端で気になっていた、目の見えない人に声をかけた。
「どちらにいらっしゃるんですか」って。
聞くと、ダイソーがあると聞いたからそこに行きたいという。
僕も「ちょうど用があるんですよ」と答えて、一緒に行くことになった。
小柄で年配の人は、「あら、ラッキー」とつぶやくと、ひょいと身軽に僕の右側に位置を変えて、腕をとった。そして、早足で歩き始

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ガン患者へのことば

坂本龍一の闘病記が高い注目を浴びている。2020年に直腸がんの転移をみつけ、6回の手術を受けているという。
NYの病院にかかっていた坂本さんが、仕事で帰国したときに、こんな対応があったらしい。

日本の病院で最初に診てくださった腫瘍内科の先生には、『何もしなければ余命半年ですね』と、はっきり告げられました。かつ、既に放射線治療で細胞がダメージを受けているので、もうこれ以上同じ治療はできないと。加え

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日記0309

京王線が人身事故で止まってしまい、明大前で降りて駅の近くのマックで30分ほど過ごした。コーヒーとアップルパイ。
毎日、苦しい状況にいて、祈るように1日1日を過ごす。
朝は悲しい。夜も不安。だから、もう執着はよしてその日をできるだけ味わいつつ終えていこう。

グランドブタペストホテル

ウェス・アンダーソンの「グランドブタペストホテル」DVDをamazonで買って、見た。
エレガントなピンクの城が、険しい山の頂に建っている。レイフファインズ演じる、ホテルのマネージャーは、お金持ちで孤独な超高齢のマダムを慰める役だ。
軽薄で繊細、人情家で厳格、粗野でエレガントなホテルマンと彼に仕込まれるロビーボーイ。戦争前夜の不穏なヨーロッパの山奥で繰り広げられるウェスの世界にまた引き込まれる。

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不安との付き合い方

不安な日々。
平穏な生活が、如何に貴重な時間なのかは、ことが起きてはじめてわかる。
「希望的想像と同じくらいおろかしく、それよりもたしかにずっと苦しい恐怖の幻想に身をゆだねるほど、わたしはまだ弱っていない。仮に私が自分を欺かねばならぬとしたら、信頼の側に身をおくほうがましであろう。その方が、恐怖の側に身をおく以上に失うことはなく、苦しみはより少ないというものだ」ハドリアヌス帝の回想より

きらいなことば

カスタマーサクセスって、なんだか嫌な言葉だ。カスタマーサクセスが
いるカイシャもなんか嫌。あと、成長。成長戦略なんて、そんな
ことをいつも言っている人は、あまり本を読まない人なんじゃ
ないか。エビデンスがないと。ファクトが大事。感動を
ありがとう。自分に嘘をつけないから。ゆずとか
聞いて、早く寝てください。腸内環境を
整えつつ。マインドフルネスで。
SDGsで。

DUNE 砂の惑星

週末、DUNEを観に行った。砂の惑星を描いて、美しい映像があった。
砂漠で採れる香料が、宇宙の存在に関わっていたり、青い目に変化した土着民の生態がエキゾチックだったり、まるで近未来版のモロッコを見ているようだった。
好きなデヴィッドフィンチャー監督のDUNEも、amazonで観てみた。
40年も前の作品で、古代のスペクタクルを見ているようだったけど、さすがフィンチャーだけあって、女優さんはすごく美

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『酒場 學校の日々』

この本、とてもよかった。
『パリのすてきなおじさん』という本を読んで、金井 真紀さんの文章とイラストが、たのしかったので、もう一冊選んでみたら、当たりだった。
詩人の草野心平が糊口を凌ぐためにはじめた居酒屋。当時お手伝いしていた女性が、新宿のゴールデン街でその「學校」というバーを再開。そのことをしってから数年後、まだ30歳そこそこの金井さんが、お店の扉をたたくところから。
踏み入れないと、一生出会

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自分の環境くらい



そろそろ、環境を変えたいと思った。
どんな人を目標に生きていくのか?
誰かを非難したり、揶揄したり、笑いものにしたり、怒ったり、上げ足をとったりする、ろくでもない日々の雑音から遥か遠ざかり、よい音と言葉、穏やかで知的な態度、機嫌よく生きている人のいる世界に身を置いて生きていきたい。

あらゆる広告、うるさい交通機関、含羞のない会社の人間。
そこは自分が生きる社会ではあるが、近くにいる人や思想は

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はじまりのコップ

本の表紙に、空っぽのシンプルなコップが写っている。
透明感があって、すこし滲んでいるような。ガラスのただずまいがいい。
泡立ったビールがとても美味しく見える。
左藤玲朗という人が作った吹きガラスだ。この左藤さんのブログで公開している文章がなんとも味わいがある。
大変な時期に、予備校講師や代用教員として「現国」を教えていたというから、なんとも含羞のある言葉にうなずける。
『はじまりのコップ』で取材さ

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荒れる魂には、エレガントな服がはまる。



映画「ジェントルマン」を見る。ガイリッチー監督+マシュー・マコノヒー。
マコノヘイの着こなしが、とにかくかっこいい。
衣装デザインを担当したマイケル・ウィルキンソンが、「英国紳士」な3ピースのスーツをデザインしている。
着心地のよさ、ミッキー(マコノヘ)の上機嫌が伝わってくるような、すばらしいジャケットだ。もちろん、長身でスマートなマシューのスタイルがなくては、ここまで素敵にならないだろう。

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日々のサブスクリプション

日々のサブスクリプション

毎日の通勤で運動するということは、健康のサブスクと言える。
階段をつかうだけで、3分間のエクササイズという贈り物を自分に与えたようなものだ。
早起きして、ゆっくりとコーヒーを飲むこと。電車で好きな本を読むこと。
1日の中で、何回か受け取れる、サブスクリプション。

毎日、小さなものを受け取ってみる



花のサブスクで、3本もらってきた。でも、売れ残り専用の花を置いてるみたいだったよ、日比谷花壇は。
注文していた、新訳「カラマーゾフの兄弟」と「動きすぎてはいけない」が来る。50歳を前に、少しは実のある読書をしたいと思って。
うっかり48歳になってしまうと、不惑とはかけはなれて、小さな抵抗を試みたくなる。

おにぎりのサブスク

少しだけ早く家を出て、新宿のおにぎり屋さんに寄った。サブスクで、毎日おにぎりが2個もらえる。
と思ったら、そこのお店ではなくて、別の店舗だという。よく頭が回っていないせいか、同じフロアにある「おだむすび」の店が探せなくて困った。
ようやく見つけて、明太子と煮卵のおむすびを買おうとして、QRコードをかざしてみた。そしたら、今度はこっちがエラー。救済コードという名前のお店がだす番号を手入力してようやく

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ノマドランド

ノマドランド

ノマドランドを見た。
主演は、マグドーマンド。映画 「スリービルボード」や、amazonのドラマ・「オリーブキタリッジの生活」を見ていて、そのパンチの効いた個性的なオバちゃんの演技に注目していた。ぶっきらぼうで、孤独な人物を演じさせたらだれよりも魅力的な存在感を放つ女優さんだ。
「ノマドランド」の中の放浪する女性もまた、深い悲しみでできた厚い鎧で覆われた人物だ。
務めた会社も、住居も、そしてパート

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「メイキング・オブ・勉強の哲学」千葉雅也

「メイキング・オブ・勉強の哲学」千葉雅也を読んだ。

深い勉強によって起こるのは、考え方が深いレベルで変化し、行動も変化することである。p.68

その深い勉強をするためには、「アイロニー」と「ユーモア」が必要で、自分にとって当たり前になっているあれやこれの、そもそもの根拠を疑うということ。そして、突き詰めて考えるのはそこそこにして、ユーモアで別の見方を手に入れる、それによって新しい世界に身を置い

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