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満月珈琲店を読んで

「さすが珈琲店の珈琲ですね。」
お客さんに言われた満月珈琲店の店員さんはこう返しました。
「人生という旅を堪能した大人にこそ分かる味です。」
と。

この絵本を読む少し前、
「なんでそんなに生き急いでるのか」
問われたことがありました。

学生と呼ばれることがなくなって、
若手扱いされることも少なくなって、
若いうちにいろいろ経験しなくちゃいけないと
無意識に焦っていたのだと思います。

周りの大人に
「若いうちはいいよ~」
と言われて、
「年をとるとね…」
と聞かされて、
無意識に焦っていたのだと思います。

この絵本を読んで、
そんな焦っていた自分に気が付きました。

私はまだ、
ブラックコーヒーを苦いと思うお子様なのです。

絵本の中で店員さんはこんなことも説いていました。

産まれてから七歳までは、情緒を育てる月の期間です。
八歳から十五歳までは、学びを吸収する水星記です。
十六歳から二十五歳までは、人生を豊かにする趣味や恋を学ぶ金星期です。
二十六歳から三十五歳までは、自分の人生を歩き始める太陽期です。
三十六歳から四十五歳までは、得た学びを持って突き進む火星期です。

と。

焦らなくていいと感じた反面、
今も、
もちろん自分の人生なのだと思いました。

まだ人生は続くけれど、
今がこれからに繋がるのは確かなのでしょう。

絵本の中は全てがキラキラしていて、輝いていました。
いくつになっても、
どんな経験をしても、
満月珈琲店はキラキラ輝いて見えるでしょう。

それは不思議なミルクのおかげでしょうか。
それとも。

『満月珈琲店』
傷ついた心を照らしてくれたのは、いつも「満月珈琲店」でした。疲れた人だけが訪れることのできる「満月珈琲店」。毎日、日没にスタートする。
憧れのお兄ちゃんに失恋した小学生。
挫折から自分の道を模索する元アイドル。
仕事に自信が持てない中堅サラリーマン。
最愛の人を亡くした年老いた女性。
マスターの元には今日も疲れた人がやってきた。
提供されるメニューが、それぞれの悩みを優しく包み込む。
顔を上げたその先にある未来は―――。

作・絵 桜田千尋
文 望月 麻衣

KADOKAWA

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