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言えない言葉、言わない言葉


タブーなんてないはずなのに、
勝手にルールにする僕。

先日のこと。
何の気なしに僕は家の中で、
「面倒臭い」と言ってしまった。

お風呂のことだったか。
お皿洗いのことだったか。
どんなタイミングだったかは忘れた。
自然とポロッと出た言葉。

顔しか知らない隣人に条件反射で、
「こんにちは」と言う程度の
ポロッと出た言葉。

それを聞いた妻が目をギョロッとさせて、
「珍しい。どうしたん?」と聞いてくる。

その時に何故だか、
僕は「面倒臭い」と言ったら
いけない人なんだと思った。

そしてそんな状況もまた、
「面倒臭い」と思ってしまっている。

僕は普段から面倒臭いと思うことが多い。

朝起きるのが面倒臭い。
歯を磨くのが面倒臭い。
犬の散歩が面倒臭い。
お茶を飲むのが面倒臭い。
掃除をするのが面倒臭い。
仕事をするのが面倒臭い。
先方への電話が面倒臭い。
打ち合わせが面倒臭い。
ヘラヘラ笑いが面倒臭い。
生きてるのが面倒臭い。
面倒臭い、面倒臭い。

何をするにも正直面倒臭い。

だけど僕をよく知る妻から見ても、
僕の「面倒臭い発言」は珍しいらしい。

今まであまり言わなかったんだろう。

でも、面倒臭いって思ってる。
誰よりもきっと。

言えないだけ。
思ってはいる。

言えないことが僕には多い。
言ったら僕じゃない気がするから。

仕事の時も言わないことが多い。

無謀な仕事量、無理なスケジュール。
「難しいです」と言えれば良い。

だけど考えてるフリして、
「なんとかなるでしょ」と空返事。

考えてるフリをしている時間は、
脳内で「面倒臭い、無理だろ」を連呼。

言ってしまいたくなるけれど、
言ってしまったら僕じゃなくなる。

ニコニコしてて何に対しても、
「なんとかなるでしょ」と空返事。

なんとかなるではなく、
必死になるようにしているだけ。

とっくに限界は超えてて、
気がつけば鬱病と診断された。

それでも会社には病気のことを言わず、
毅然として「なんとかなる」と今日も言う。

「鬱病です」と言えば僕じゃなくなるから。

毅然としてなければ疑われたそうだから。

そうして今日の僕が形成されていく。

面倒臭いが言えない。
無理が言えない。
しんどいが言えない。

多分まだまだ言えない言葉がある。

言えたら幾分か楽なんだろうけど、
僕が僕じゃなくなる気がするから言わない。

今後も言わないと思う。
どんな人にも。

言えない言葉なんて何一つない。

だけど僕の中でタブーはあって、
ずっとずっと心に閉じ込めている。

それが僕。

だからこそnoteくらいは我が儘に綴りたい。

心のリハビリみたいなもので、
noteを通じて人に、
人を通じてnoteに還元できたら良いな。

あぁ、来週からの仕事イヤだな。

メガッパ

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