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【ありがとうがいっぱい】 #888


私は人見知りが激しく
ちょっとでも嫌だなぁって思ったら
心のシャッターが自分の意思以上に早く閉じてしまう

一度閉じてしまうと錆びているのか
ちょっとやそっとでは開く事は無い

人見知りだから嫌な人以外であっても
殆ど口を聞くことが無い

たまに何を考えているのか分からない
と言われたりもする
でも中身は案外普通だ
人には分からないみたいだが
笑ってたり
怒ってたり
悲しんだり
楽しんだりしている

一旦仲良くなって話せるようになったら相手もビックリするくらいお話ができる
まぁそんな人は家族と二人のお友達だけどね


困るのがプライベートでも仕事でも
ストレスが溜まった時に
なかなか上手く発散できない事だ

嫌な事があっても
嫌って言いにくい
どうやって言ったら良いのか分からない
だからいつも断りきれなくて
言われた事をやるしかない

逆に誰かが困っている事や
気が付いた事なんかがあっても

「それ私がやります」

その一言が言えず
何となく他の人がやっているのを
見送っているような
まるで前向きに仕事してないみたいな
そんな感じできっと見られてるんだろなって
そー思いながらも
カラダも硬直し言葉も出ず

心の中では

「あっどーしましょー」

そう声をあげている


後周りの人が気を遣っているのも
じんわりとだが感じている

なんかサポートしようとする人が結構居てて
別に私出来るんですけど
やたら

「大丈夫?
手伝おっか?」

などと言われたりする

喋らないからなのか
危なっかしいからなのか
それとも
のろまなのか

分からないんだけれど
サポートが入る

私は小さな声で

「大丈夫です」

それが精一杯だ



人がわずわしい訳では無い
強いて言うと怖いだけ

たまに人が殆ど出払って少ない時なんかに
残ってる女子たちが
これ見よがしに居ない人の悪口を言う

そんな時に思うのが
きっと私が居なかったら
私も悪口言われてるんだろなって

そー思うと怖くなって
余計に喋れなくなる

私だって嫌な人は居る
でもあの姿を見たら
人には言えないなって思っちゃう

一度なんてあまりのストレスで
円形脱毛症になってた
ちょうど何年か周期でやってくる辞めたい願望が溜まり
知らず知らずの内にそーなってた

美容室のお姉さんに言われて初めて知った

ビックリしたもの

それでも言えない

まぁお母さんにはしょっちゅう話しは聞いてもらってるんだけどね

多分お母さんがこの世に居なかったら
私もこの世から消えてしまってたかもしれないわ


この世から消えたと言えば
実を言うともう一人なんでも話せた人が居たの
この人はホントになんだったらお母さん以上に話してたかもしれない
それくらいに信頼してた人

でも
彼はもうこの世の中に存在しておらず
お墓も無い
彼の強い要望で海へ散骨してもらい
墓も作らないでほしい
そう言い残してこの世を去った

だからなのかもしれないけど
まだ何処かで生きているような気持ちになる

ホントに大切な人生唯一の親友だった
男として見てた時期もあったけど
その後はもうそれを超越した感情だった
ずっと一緒に居られるし
ずっと一緒に居たかった
彼が居るだけで
私のお薬になる

それを人は恋だの愛だの
そーいう括りにしたがる

恋しくなる事もあったし
愛おしいとも思うが
私からしたらそれ以上の感情だった
でもそれは熱量を持つというよりも
とても静かで淡々とした穏やかなものであった

余計な事は何も考える必要が無かった

もう
あんな人には二度と出会えない
そう悲観的には考えていない

あんな人に出会えた私は
とても幸せ

「ありがとう」でいっぱい


それがあったのと
お母さんが居るから
二本足で立っていられる

でも
もうそろそろ自分の足で立たなくっちゃね





ほな!

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