【私にとってのリアリティ】 #952
自分は存在する筈なのに
誰にも気付かれず
声をかけようが届かず
自分という存在が無かった事になってしまっている状況か
世界中の人々が全て居なくなり
自分だけになってしまっている状況か
どっちが良いか聞いてくる奴が居た
どっちも嫌に決まってるじゃないか
だが今の私はほぼそれに近い状態である
いつものように朝起きて
朝ごはんを食べて身支度をし
電車に乗る為に駅まで15分ほど歩く
その途中の歩道で突っ込んできたバスにひかれ重傷を負い
救急搬送された
昏睡状態だった私は意識を戻した時
私自身は普通に意識が戻った感覚だったのだが
私は植物状態だったらしく
周りの人からすると
ただ呼吸をしているだけの
まるで人形のような存在になってしまった
私の方はピンピンしている感じだったのでアピールした
自分では喋っている感覚なので
どうして伝わらないのか理解が出来なかった
お母さんもお父さんも泣いてるし
おばあちゃんも弟も泣いている
いやいや私元気よ
ほら手足だって動くし
自分では動かしているつもりだし
動いているのを目で確認もできている
でも実際には両手足は全く動いておらず
私は私の脳のバイパスがおかしいのか
ちゃんと動いている手足が見えている
動いていなかったのに
そして実際の私はまだ集中治療室に居て家族とは面会できていない
カラダは殆どがボロボロだった
そんなのは私は分かっていない
本当はもう両手足は無く
顔もズタズタである
でも私は痛みもなく
ピンピンしていると思っている
早く家に帰りたいのに
先生はまだ色々検査があるから
それが終わるまでは帰れないと言っている
実際はそんなやり取りは無い
私の頭の中の世界がそう言っている
脳の中の独りぼっちの世界は独りぼっちじゃなくて
皆んなが揃っていて
これからも楽しい生活が待っているし
続いて行く
でも実際の私は体調が更に急変悪化し
両親の判断で生命維持装置のスイッチを切ってもらったのだ
なのに
私の世界ほ永遠にハッピーが続くのだ
ほな!
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