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シンデレラがブスだったらどうなっていたか

だいたいの絵本では、シンデレラは「うつくしいむすめ」。それを見た王子様は「あなたはなんとうつくしい」とほざくことになっています。
では、シンデレラがブ……美しくない娘だったらどうなっていたのでしょう?

恐らく、美しくない状態で舞踏会へ行っても、王子様を射止めることはできなかったでしょう。魔法使いから授かったドレスや靴でいくら着飾っていたって、それは他の貴族令嬢たちも同じこと。シンデレラが他に勝てるとは到底思えません。特に、ダンスともなれば互いの顔を近付けるものですから、顔面の美しさは特に重要です。

しかし、これは子供に読み聞かせるための童話。「虐げられていた主人公が幸せを掴む」というシンデレラストーリーでなければいけないのです。その結末に繋げるために、物語は改変させられるはず。大人は汚いですからね。
では、どこがどう変わるか。
恐らく、魔法使いが馬車やらドレスやらを出すついでに、シンデレラの顔を美しく作り変えることでしょう。それも、十二時で解けてしまっては意味がありませんから、永久に美しくいられる魔法を施すはずです。もはや美容整形と言えます。
でもこれでは、子供に夢を与えるシンデレラではなくなってしまう気がするのです。

そこで私は考えました。美しくないシンデレラが、美しくないままで幸せを手に入れるにはどうすれば良いのか?

答えはガラスの靴にあります。王子様がシンデレラを探すきっかけとなったガラスの靴。それは彼女の美しさ、そして今にも壊れてしまいそうだった儚さを象徴するものです。女の子が幸せになるために、そんな儚い乙女である必要は無いのです。
だって彼女は、意地悪な継母と姉たちの下で毎日こき使われても、逃げずにずっと耐えてきた強い女性なのですから。掃除、洗濯、料理、ニワトリのエサやり……毎日毎日、めげずに頑張ってきたのです。それだけで十分ではありませんか。
そこに着目したストーリーであれば、王子様はきっとガラスの靴ではなく、煙突掃除で煤だらけになったボロボロの靴を拾うはずです。穴が開き、紐はほつれ、それでも何とか形を保っている、強い靴を。それはシンデレラの強さを象徴する落とし物であり、きっと王子様の心にも届くはずです。そして彼はシンデレラを見つけ出し、あかぎれまみれの手を取ってハッピーエンド。これならどうでしょう? シンデレラが「うつくしいむすめ」でなくても幸せになれる、最高の物語だと思いませんか?

ちなみに、十二時を過ぎても魔法が解けなかったガラスの靴の謎については、こちらの記事で解説しています。是非ご覧ください!


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以上、ラケットでした!( *´艸`)

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