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イギリスとオーストラリアで競馬の厩務員をしてました。 いまは見る専門。たまに在来種に乗…

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イギリスとオーストラリアで競馬の厩務員をしてました。 いまは見る専門。たまに在来種に乗馬。 外国の競馬について、つらつら書いていきます。

最近の記事

好きだったウマ:ギガトン

冠名が好きじゃなかった。今でも好きじゃないけど。 たった9文字の世界なのに、自分で縛りを設けているところが好きじゃなかったのかもしれない。 ウマは1頭1頭個性が違うのに、同じグループに分けているところが好きじゃなかったのかもしれない。 短い馬名が好きだった。 覚えやすいのもあったと思う。 たぶん初めて覚えた名前もカゲマルだった気がする。 ギガトンが気になったのは中学1年生くらいの頃。好きになったのもその頃。 国際展示場の方でJRAのイベントをやっていて、その日の

    • たった3つ:日本の競馬中継が劇的に改善する方法

      <まとめ> ・日本の競馬中継でのレース映像が海外に比べてとても不満なので、改善策を考えてみました ・日本、ドバイ、イギリス、フランスのレース映像で具体例を示しました ・最後に、普段の中継からやってほしい3つの工夫を挙げました きっかけ twitterで野球中継のカメラアングルの話から、競馬のことを考えてみました。 日本の競馬中継って、いつも同じ構図じゃないですか? 特に気になるのがこの2つ。 ・不必要に寄っている構図 馬群を先頭から映して1頭1頭名前を言う間に、勝

      • アットホームな競馬場の社員食堂:ルドロウ(イギリス、Ludlow)

        厩務員エリアイギリス競馬の厩務員は、競馬統括団体のBHAから厩務員証が発行されます。厩舎の馬をレースに連れて行くとき、競馬場にある出走馬用の厩舎でこのカードを見せなければいけません。 厩務員証によって入れるエリアは主に3つ。前述の厩舎、パドック、そしてスタッフ食堂です。 すべての競馬場にあるとは限りませんが、スタッフ食堂は厩務員の楽しみの1つです。 出走馬の都合で、厩務員は1日中競馬場にいることもあります。レース前はひき運動、ブラシがけ、馬具磨き、馬装を行います。レース

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        • 小規模厩舎のささやかな楽しみ:ベストターンドアウトとウォリック(イギリス、Warwick)

          クリスマスと年末年始日本の正月は、家族親族が一堂に会して過ごす伝統的な期間です。同じようにイギリスで家族・親族が一堂に会して過ごすのがクリスマスです。 大学留学中で帰国予定のなかった私は、1年目は大学の友人の実家に、2年目以降は働いていた厩舎の家に招かれました。そのときに、イギリスのクリスマスと日本の正月は同じなんだなと感じました。 では、イギリスの年末年始はどんな感じなのでしょうか。実は、New Year’s Day前後は「極めて普通」の祝日です。その一方で、絶好の競馬

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        好きだったウマ:ギガトン

        • たった3つ:日本の競馬中継が劇的に改善する方法

        • アットホームな競馬場の社員食堂:ルドロウ(イギリス、Ludlow)

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        • 小規模厩舎のささやかな楽しみ:ベストターンドアウトとウォリック(イギリス、Warwick)

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          ワカサギ釣りの代わりに氷上競馬:サンモリッツ(スイス、St. Moritz)

          カチカチでふかふかたまたま目にした飛行機の機内誌に、北海道・朱鞠内町でのワカサギ釣りの記事がありました。それによると、ワカサギ釣りをする湖はただ凍ってるのではなく、その上に雪が深く積もっているとのこと。 カチカチに凍った湖とふかふかクッションの地面−スイス・サンモリッツの氷上競馬と同じです。 White Turfサンモリッツは冬季五輪が行われたこともあるスキーリゾートです。街の中心には湖があり、毎冬ここで競馬が行われます。その名も”White Turf”(白い芝生)!

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          ワカサギ釣りの代わりに氷上競馬:サンモリッツ(スイス、St. Moritz)

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          競馬場の概念が覆る:ニューマーケット(イギリス、Newmarket)

          「競馬場」の要素私が競馬を好きになったのは小学校高学年の頃。なかでも、競馬場のコース形態には強く魅かれるものがあります。 当時のゲームソフト、たしかウイニングポストの説明書にはJRAのすべての競馬場の略図がありました。また、渋谷にあったプラザエクウスで、NARが作った全国の地方競馬場のガイド冊子も手に入れて熱心に読みふけっていました。 「競馬場」といえば左回りか右回りで、コーナーが4つ、手前と奥に直線がある−これが共通項でした。 ニューマーケットを知るまでは。 進化し

          競馬場の概念が覆る:ニューマーケット(イギリス、Newmarket)

          観光地の街中にある競馬場:ストラトフォード(イギリス、Stratford)

          住んでいた街 イギリスで厩務員バイトをしていたとき、私はストラトフォードに住んでいました。正しくはStratford-upon-Avonというところで、エイヴォン川が流れる、シェークスピアの生まれた街として知られていました。 働いてた厩舎から家までは車で20分でしたが、実は家から徒歩圏に競馬場がありました。 それがストラトフォード競馬場。こちらも川沿いにある障害競馬専用のコースです。 観光地ストラトフォード この街はそれほど大きくないのですが、シェークスピアの生家があっ

          観光地の街中にある競馬場:ストラトフォード(イギリス、Stratford)

          遠すぎて見えない競馬:ドンカスター(イギリス、Doncaster)

          初めてのイギリス競馬 私が19歳のとき、初めてイギリスの競馬場に行きました。ドンカスター競馬場へ、競馬学校の仲間と一緒でした。当時、私は日本の大学を辞めて、ドンカスターにある競馬学校の厩務員養成コースに通っていました。 その日のレースに1マイル(=約1600メートル)の競走がありました。 スタート地点はスタンドから見て左手の奥。本当に、奥。奥すぎて見えないところでした。なぜなら、ゴール板から1マイル左に行った先がゲート。そう、直線競馬だったのです。 イギリス競馬の重要拠

          遠すぎて見えない競馬:ドンカスター(イギリス、Doncaster)

          水没する競馬場:ウォスター(イギリス、Worcester)

          ウスターソース ウスターソースと中濃ソース、どちらが好きですか? 実は、ウスターソースのウスターはイギリスの地名で、現地ではWorcestershire sauceと呼ばれています。 Worcestershireは、イギリスのあるブリテン島のちょうど真ん中らへん。「-shire」は、日本の都道府県みたいな行政区分のことで、Worcestershireの中心にある街がウォスター(Worcester)です。 この街にあるウォスター競馬場は、障害競馬専用のトラックです。 夏

          水没する競馬場:ウォスター(イギリス、Worcester)

          「心臓破り」の坂:トウスター競馬場(イギリス、Towcester)

          マキバオーと中山競馬場小学生の頃、学校の近くの科学実験教室に通っていました。 実験だけでなく、先生と競馬の話をすることと、待ち時間にジャンプの「みどりのマキバオー」を読むことが楽しみでした。 マキバオーの1シーンに、中山競馬場の直線が出てきました。 ここは「心臓破りの坂」と呼ばれていて、登り切るのには相当なスタミナを要するという描写でした。 1.6%中学生になり、「優駿」という月刊誌を読み始めました。 JRAが発行している競馬雑誌で、レース結果やインタビューやコラム

          「心臓破り」の坂:トウスター競馬場(イギリス、Towcester)

          私と競馬との関係(はじめまして)

          yusugと言います。はじめてnoteに投稿します。 ①元厩務員で、②オーストラリアと、③イギリスで働いていた、ということを書いて自己紹介としたいと思います。 元競馬の厩務員です これまでオーストラリアとイギリスで厩務員をしてました。計3年半ほど。 オーストラリアはTony McEvoy (David Hayesという調教師の厩舎だけど、彼が香港に滞在中だったのでTonyがトップだった時期)、イギリスではPeter Pritchardという調教師のもとで働いてました。

          私と競馬との関係(はじめまして)