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#52 「凄み」を身に着ける

【私の仕事術:❺仕事に役立つ交渉術】
自分が優位な時ほど「謙虚」に、自分が不利な時ほど「毅然」として凄みを身に着ける

私自身、まだまだ身についていないですが、いつも商談など交渉する時に意識している事です。

これまで様々な交渉をしてきました。
その中には、この人たちには勝てないなと思う人にも、たくさんお会いしましたが、皆さん、共通して「凄み」がある方たちばかりでした。

「凄み」といっても、暴力的な怖さや怒られるとかの恐怖ではなく、「圧倒的な存在感」という方がしっくりきます

「凄み」のある方に共通していたのは、良くも悪くも「動じない」ところです。仕事柄、有名企業の役員クラスとお会いする機会がありましたが、そのような方に多かったです。

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とはいえ、そのようなお偉いさんに限った話ではなく、どの年代にも言える話ですから、「凄み」を身に着ける為に、どのような事をしたらいいのかを紹介します。


■自分が有利な時ほど「謙虚」に

よく、商談や交渉の時、やたらと偉ぶったり、マウントを取りたがる人がいると思いますが、「凄み」がある人は、そんな時こそ、とても腰が低く、謙虚です。

謙虚と言っても、必要以上にへりくだるわけでも、迎合するわけでもなく、こちらの意見にも「なるほどなるほど」と真摯に耳を傾けます。そして何かを話す時も、とても物腰柔らかくお話になります。

でも、言いたい事はズバッと短く、鋭く話します

一通り話をした後、「では、よろしくお願いしますね。」の言葉にも重みを感じさせ、完全にこちら側が宿題を持ち帰る状況で会議を終わらせる「凄み」があります。

自分が有利だから、自分の方が偉いからと強気な態度になるのは当たり前ですが、「凄み」のある人たちが、そうならないのはなぜでしょう?

これまでの経験から、「足元をすくわれないように注意」しているのかもしれません。

「窮鼠猫を噛む」ではありませんが、自分たちが優位な時に偉そうにしたり、マウントをとって相手を追い詰め喜々としていると、下手すると、相手から「なんだよあいつ!」と反感を買い「もう知らない」と反旗を翻す事になる場合もあります

これって、上司と部下の関係でも言えますね。偉そうにしている上司は実力が伴えばまだいいですが、そうでないとだいたい嫌われます。

それよりも謙虚に来られた方が、「なんでこんなに・・、他に何かあるの?」とか、「日頃温厚な人ほど怒らせたら怖い」というように、なんとも言えない怖さ、不気味さすら出てきます。

偉そうにするのがいいのか、謙虚にいるのがいいのか、どちらが相手に影響力を与え、支配できるかを考えると、自分たちの方が優位な時ほど「謙虚」な方がいいのかもしれません。


■自分が不利な時ほど「毅然」と

一方、逆のシチュエーションで、自分たちの状況が不利な時も「凄み」のある人は動じません。

商談などで形勢逆転すると、相手側は強気に出て、自分たちの意見を押し通そうとしますから、言われる方にすれば、後ろめたさや申し訳なさ等、立場が弱いと、つい相手の言う通りにしてしまいそうになります。

ところが「凄み」のある方たちは、不手際があった事等、お詫びはするものの、ちゃんと「それはそれ、これはこれ」と線引きをされ、「毅然」と振る舞います。

強く出る側も、そんな時にも毅然と断ってくる人の事は、同じビジネスパーソンとして「この人、やるな」と感じます

なぜ、そんな「毅然」としていられるのか?

守るべき大切なものを、しっかり胸に刻んでいるからだと私は思います。


これも社外の人との商談に限った話ではなく、社内でも同じシチュエーションはあります。むしろ社内の方が多いかもしれません。

例えば、社内だと部下や後輩がミスやトラブルを起こしてしまい、一緒に上司に怒られるシチュエーション、皆さんもありませんか?

自分がやったわけではないからこそ「やばいなー、嫌だな」って思うものです。

心の中は逃げたかったり、その場にいるのも嫌なものですが、そんな時こそ堂々と「毅然」と振る舞うのを心がけて、部下や後輩の為に壁になって、自分の背中を見せましょう

社外だと取引の停止、社内だと評価や査定への影響など、意地悪な事をちらつかせたり、こちらにとって不利な展開になるのを示唆したりしますが「毅然」と振る舞い動じない人は、「この状況で動じないとは肝が座ってるな」と上司からも部下からも、お取引先からもやはり一目置かれるでしょう。

自分が有利な時ほど「謙虚」に、自分が不利な時ほど「毅然」と立ち振る舞い、「凄み」を身に着けて、私も器の大きい人間になりたいものです。

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