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#17 KJ法

【私の仕事術:❷発想を膨らませるコツ】
KJ法で情報を整理!

KJ法とは・・・

1967年、文化人類学者の川喜田二郎氏が著書『発想法』の中で効果的な研究、研修方法であると紹介した「KJ法」

思いついたこと、得られた情報などを付箋に書き出し、書かれている内容が近しいものをまとめていき、その集団にタイトルをつけることで、まとめたものの関連性を見つけ、さらに発想を膨らませたり情報整理に使うブレインストーミングの手法の1つです。

ただ、これを読んでいる皆さんからすると、大昔の話、かつアナログすぎて、もしかしたら今の時代にはあわないかもしれませんが、発想を膨らませ、情報整理する方法として、実際のケースも交えて、やり方をご紹介したいと思います。

これを最初にやったのはソニーファイナンス時代、クレジットカードの利用者拡大に向けた改善を検討するプロジェクトでのことでした。

手元にあるのは、たくさんのカード会員から収集したアンケート回答。

「とても良い」「良い」「普通」「悪い」「すごく悪い」の5段階評価で回答してもらったデータや、フリー回答として自由に意見をいただくものがありました。そのフリー回答の分析にKJ法を使ったのです。

まず、簡単なイメージを使って手順の説明をします。

❶フリー回答の内容を付箋に書く

アンケート回答内容を付箋に書いていきます。今だと、名刺サイズのカードに印刷するのが早くて便利ですね。例えばこんな感じです。

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❷付箋に書いたものを似たもの同士でグルーピング

「ポイント還元率が低い」「ポイント貯めたい」、「ポイント貯まりやすい」「ポイント交換」という4枚のカードがあれば、それを一つの集団にまとめます。クリップ等で、1つの束(グループ)にしてまとめるのも良いです。

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❸グルーピングしたものに「グループ名」をつける

先ほどのポイントに関する4枚のカードには「ポイント関連」という名前を付けておきましょう。

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同様に残りのグループにも名前をつけましょう。

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❹「グループ名」をつけたものをさらにグルーピング

残りのカードもグループ化し、「年会費」というグループ、「サービス」というグループができたあと、さらに似ているもの同士をグループ化させ、また名前を付けてあげます。この場合は、「カードでお得になること」について話をしているなということで「カードでお得」というグループ名にしました。

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このような方法で、アンケート回答の中をいろいろグループ化し、ある一定の集団になるまで繰り返しました。ここでのポイントは「これ以上まとめるのは無理だな」と思ったら、それ以上は無理しない事が重要です。

また、このグルーピングじゃない方が適切かも?と思った時はやり直しするのもOKです。実際には何度かやることになると思います。

❺グループ化されたものを並べて、情報を整理

ここからは実例を使って説明します。
「サービスがなぜ利用されないのか?」という課題に対し、アンケートで得られた様々なお客様の声をKJ法を使って分類したところ、以下のようなマトリックスになりました。

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実際の写真ですがピンボケですみません。図にすると以下のようになります。

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サービスの改善なので、この他に縦軸を「お得を重視」「利便性を重視」など色々な軸での整理もやってみましたが、その後それぞれにどんな策を講じるかまで考えるとこの時はこの形で整理しました。

元々はサービスの利用者を増やす為の改善活動でしたが、最終的に「お客様に正しくサービス内容が伝わっていないのでは?」という事と、伝わってないがゆえに「お客様が使うことに抵抗を感じている」という状況がKJ法で明らかになったのは大きかったです。

このように整理するまでに何度か試行錯誤をしていますのでまとめるのは簡単ではないかもしれません。

これが正解!というよりはこの活動を通じて企画に携わっているメンバーの意識が統一される事が重要だと私は思っています。

結果として、この取り組みを通じての成果は
❶サービスの改善のポイントがわかった
❷さらにブランディングの見直しやイメージ改善も重要と注力した
❸上記の4象限に該当するお客様に対してどのようなコミュニケーションをとるのがいいのか、戦略を立て、チームが一枚岩となって推進できた


もともと❶の改善を狙っていたのに❷❸が明らかになった事の方がとても効果があったと今でも思います。


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