見出し画像

#65 「自分がやった方が早い」は禁句

【私の仕事術:❻部下の育成】
「自分がやった方が早い」の考えは捨てて、任せきる

スポーツの世界で聞かれる「名選手、名監督にあらず」の言葉は、サッカーやプロ野球を見ていても、言いえて妙だなといつも感心します。

これはビジネスの現場にも通じるものがあり、「仕事ができる優秀な人が、必ずしも優秀なマネージャーになるわけではない」というのは、現場でもよく感じました。

仕事ができるからと管理職に昇格させてみたものの、期待通りの成果を出していないなんて事はよくあります。

なぜ、そうなるのでしょう?

スポーツの場合は「名選手の場合、その選手特有の天才的な能力で成功し、他人にそのやり方を共有できないから」というケースがあります。

ビジネスシーンでも「なんで俺のやり方がわからないの?」「こうやればいいだけじゃん!」とスポーツほど特殊能力ではないものの、似たようなケースはあります。

ただ、それ以上にビジネス特有のケースでいうと、「自分がやった方が早い」と考えてしまう間は、部下を育てる事はできないと私は考えています。

自分でやってしまう事は、部下を成長させるチャンスをなくすのと同じです。

さらに部下にしてみれば、仕事をしていたのに結局上司にやらせる事になると「自分にはできなかった」「上司に迷惑をかけた」「自分はダメだ」とやる気の芽を摘む事になってしまいます。それでは成長はしません。

ですから、部下を育成する為には

「自分がやった方が早い」という考えは、捨てましょう!


でも、これは言うは易く行うは難しで、特に仕事ができる人になればなるほど難しいのではないかとも思います。

なぜ難しいのでしょう?

上から求められている仕事の質や、納期などの締め切りに追われ、切羽詰まった状況で仕事をしていると仕事ができる人は少しでも早く片付けたいと思うものです。そんな焦りもある中で、自分のスピードで仕事をしてくれない部下を見ると「なんでこんなにできないの?」「やっぱり自分でやった方が早いか。。」と考えてしまうのも無理はありません。

でもここを「自分がやった方が早い」と思わず、踏ん張るのが「名選手、名監督にあらず」になるのか、ならないのかのターニングポイントだと、何人の部下を見ていても思います。


では、どうしたらいいのか?

私が考える方法は
❶部下と一蓮托生、怒られる時は一緒だと考える。
仕事を任せる時は「一蓮托生」です。結果の良し悪しに関係なく、最後まで行動、運命を共にするぐらいの気持ちで、腹をくくりましょう。

❷まずは締め切りが明らかな仕事から任せてみる。
「一蓮托生」と言っても、怒られるのは嫌ですし、いきなり全ての仕事を任せてしてしまうのはとても危険ですから、例えば、締め切りがはっきりしている仕事や、進捗が悪くても影響が小さいものなどから任せてみるようにするのが良いです。

❸スケジュールに余裕をもって早め早めに動き出す。
締め切りが明らかな仕事は、自分も部下もスケジュール管理がしやすいので、締め切りから逆算してこのあたりから仕事をお願いしようと早め早めに動く事ができます。

そして、部下の様子を見つつ、自分の中でも進捗を気にしておくといいでしょう。あと、だいたいの仕事の締め切りはある程度の余裕、バッファを持っているものですから、それは事前に押さえておくと、少し気持ちにも余裕ができますよね。

ちょっと気になる時は「頼んでいた仕事はどう?順調?」とか「何か困ったら相談してね」と声をかければ大丈夫です。

❹本当の締め切りの24時間前までは、じっと我慢。
ここが一番ドキドキするポイントですね。度胸が求められます。何度も「自分でやったらよかった」と思いますが、ギリギリまでじっと我慢です。

そして、本当の締め切りの24時間前になってしまったら部下に「今回のはちょっと難しかったかな?もう時間が無いから今回はこっちでやっておくよ」と労いの言葉を伝えて引き取っていいです。それは仕方ありません。

気を付けてあげたいのは、締め切りが迫って、焦りまくり思考停止になる部下もいますので、部下が根をあげたら、その時は24時間を待たず仕事を引き取ってあげてください。

と、❶から❹のやり方をおすすめします。

「自分がやらない方法」を考えて、部下と一蓮托生で任せてしまう。これも何度か経験しないと簡単にはできませんが、まずは「自分がやった方が早い」という考えをやめるところから始めてみましょう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?