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#75 相手にとっては初耳

【私の仕事術:❼上手な文章を書くために】
相手はまったく知らないという前提で丁寧に書こう

宇宙飛行士のコミュニケーション能力を高める為の訓練にも採用されている「伝言ゲーム」をご存知ですか?

チームの中の1人がリーダーになって、リーダーだけがある図形が書かれた絵を見ます。

例えば、下図のような特に意味のない、初めて見るような絵を見せられます。

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そして、他のメンバーにどんな図形が書かれているのかを言葉で説明し、画用紙に書いてもらうというゲームです。

リーダーはメンバーに先ほどの特に意味の無い絵がどんなものかを説明し、その説明を聞いてメンバーがどれだけもともとの絵を再現できるか?「伝える能力」と「聞き取る能力」の両方が試されます。

皆さんならどのように説明をしますか?

この訓練のポイントは、何も知らない相手に情報を正しく伝える為には、例えば「大きな緑色の四角があります。その中に、丸が2つ、★マーク、そして数字の7と書いてもらいたいものが4つあるので、これからどこに何を書いてもらうか説明するね」と全体像をまず把握させる事がとても重要です。

その後、「真ん中に大きな円があります。大きさは、日本の国旗の日の丸ぐらい」と形やサイズ、色、場所などそれぞれの詳細を1つずつ丁寧に伝え、確認していくと比較的相手に伝わりやすいと言うのがポイントです。


上手な文章を書くコツの話なのに、なぜ、「伝言ゲーム」の話をしたの?と思うかもしれませんね?

実は、文章を書く上でも、「相手は全く何も知らないという前提」で「全体像から説明する」ように書いていく事と、「詳細を丁寧に1つずつ説明」していくのがとても重要なんです。

先ほどの伝言ゲームでよくある失敗がまず全体像を伝えず、印象に残った部分や細かい詳細部分から説明をしてしまうケースなんです。「真ん中に大きい円があって、右上に黄色の★があって、その左下に大きい●があるの。あ、その外に大きい緑の四角があるんだけど・・」みたいな説明をすると、面白いぐらい相手には伝わりません。

文章を書く時も、「あ、これを伝えたい!」「この事を書きたい」という思いが強いと、伝えたい気持ちが先走ってしまい、いきなり詳細な部分を書いてしまったり、印象的な事だけを説明してしまいがちです。

例えば、noteの記事を書く時も「これは絶対たくさんスキがもらえる記事になる!」と自信もって書いたのに、あまりスキがもらえないという事、ありませんか?

せっかくいいネタを仕込んだのに、その良さが伝わらないのはとてももったいないですよね?

そのような時はぜひ、書いた文章を読み返して、「相手は全く何も知らないという前提」で「全体像から説明する」ように書いているか、書いてある内容からどんな風に想像するかを意識して読み返してみてください。


もう1つは詳細を丁寧に説明するのですが、ぜひ「間(ま)」をうまく使いましょう

全体像をうまく説明しても、その後の説明を矢継ぎ早にしては、理解が追い付かないまま話の最後まで行ってしまう事もあります。よく理解しないまま終わってしまってはもったいないです。

ですから、詳細を説明する時も全てを一気に書くのではなく1つずつ「ちゃんとわかるかな?」「話についてこれているかな?」と考えながら、必要に応じて、改行したり、説明を足したり、「間」を作って書いていくのが良いです。

文章を書くのも色々なテクニックがありますが、基本は文章を読む人の立場にたって「これは見た事ない、聞いたことない、初耳だ」となっている状況を想像し、全体像から丁寧に文章を書いていくのをおすすめします。

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