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【治療院へ就職した新人の方へ】

初めての治療院への入社・転職、今はコロナの影響でとても不安な気持ちだと思います。せっかく就職したばかりなのに、患者さんには神経を使い・自分達も体調や言動にも気をつけなければなりません。

ただ心配しないで欲しいのは、あなただけが不安という訳ではないことです。全国の治療院の皆が不安です。なんなら、私もこの業界に入って11年目ですが、毎日が不安でしょうがありません。経営者立場になると、各支払いやスタッフの生活を守り切れるのかどうか等の心配もありますが・・・大丈夫です。全国の皆が悩んでるはず。未曽有のコロナショックですからね。

今回は、当院に就職された新人さん達へのマニュアルを順次公開しようと思います。心構え的なこともありますが、基礎的~中級レベルには対応でき、かつ全国どこの治療院でも通じるものです。

私が従業員だったころ、関東でも上位の整骨院チェーン店で師匠から学んだノウハウと、実際に私が院を運営して気づいた点をミックスさせて掲載します。

※私の師匠は元住吉駅ブレーメン通りにある、一日の来院数が150人以上を開業以来継続しているモンスター整骨院です。

治療家新人が中級者になる為のバイブルPart1

仕事の”流れ”を身につけよう

治療院の業務は他業種に比べて複雑ではありません。まずはその会社・院の風土・伝統を理解し、全体の業務の流れを知ることです。

その院の方向性を知ること

最初の1週間~1カ月は、各会社・院のマニュアルに沿って業務全体の流れを知ることからが始まりです。更にその上で、地域性・立地条件を考慮し全体を把握してみてください。

全体とは、家を出て出勤する院の500m以内に差し掛かった時に、どういう人々が仕事に行っているのか?どんな服装なのか?などの人間観察から始まります。
院に到着後~診療終了までの業務の流れはもちろん、家に帰宅する際の人間観察も必要です。この時間帯はこういうタイプの仕事系が多いのかな?とか。近隣の店舗や建物の地理情報も把握しましょう。○○m先にフィットネスクラブがあるんだ、同業はこんなサービスしてるんだとかですね。

※駅前や駅近と、駅から徒歩10分以上かかる場所・ベットタウンでは顧客層(患者という表記よりも、よりビジネス目線で表記)に違いが出ます。


現場スタッフとコミュニケーション

2ヶ月目は、指導をしてくれる先輩や院長に積極的に質問しましょう。現場スタッフの関係構築は非常に重要になります。そのためには先輩スタッフ・指導員とのコミュニケーションを、自分から取ることが大切です。

『なぜこの場所に、このような造りで、この治療院を開業したんですか?』

院長・社長の開業するにあたっての根源を知る事から始まります。答えるのに嫌になる人はいません。きっと熱い想いとともに、自分もいつかこうするんだ!という気持ちになると思います。

※そういうこと聞くの嫌だな・・・と思う方は、治療家として終わってしまうので、訓練だと思って先輩に絡んで下さい。人と話すのが嫌い・詮索されたくないし・・・などは、現場では通じません。顧客とのトークでは、顧客のバックグラウンド(家族構成や仕事関係)を聞き出すのが非常に重要です。ご自身が開業する際のペルソナ設定にも当て嵌まりますので、ここは訓練と思い、苦手な先輩からでも上手に聞きにいきましょう。

また、歴史や背景を知ることも重要です。退職されたスタッフや受付さんがどんな人だったのか?を尋ねると、今ある治療院がどんな風にできあがってきたのか?の経緯が分かるはずです。

退職されたスタッフが全員円満退社なことは稀です。地雷を踏まない様に気をつけましょう。ここのポイントは、院長や先輩が「言い難そうなことを伝えてくれているか?」です。ちゃんとスタッフのことを考えているか?が働いている側からでも感じ取れるような関係だったら最高です。


教えてもらった事を、率先して試してみる

3ヶ月目はトライ&エラーです。大いに失敗をして怒られてください。そこで凹まず、立ち上がりまた挑戦してみてください。この繰り返しです。今までは新人という扱いで優しくしてくれた先輩も、そろそろ仕事をしてもらいたいと思うのがこの頃です。

メモを見直し、マニュアルを自院用に書き換えていきましょう。マニュアルの活用法は『マニュアルを越えること』にあります。このマニュアルを越える基準で仕事ができた時、必ず患者さんから「ありがとう」を言われます。この「ありがとう」をたくさん増やせることは自分自身、治療院、指導スタッフ、院長先生、患者さん、全員が嬉しい事なのです。

※私は就職した当初、窓口徴収の金額を間違ったり、患者さんのカルテを間違えたりなんてしょっちゅうでした。窓口が1円でも狂うと、スタッフ全員で120人~150人以上の金額誤差が無いか?を夜中までチェックしたものです。あの時はごめんね。。。電気の着け間違いもあり、ペースメーカーの方に、背中に電気を通してしまったりと、今では肝を冷やしますが、新人の頃はそんなもんです。


受付は業務だけではなく、Hospitalityを提供する

治療院の受付業務で最も問われるのは「HOSPITALITY」ホスピタリティーです。ご来院されてから、カルテを出して、お会計をして・・・だけではありません。

「hospitality」:「ホスピタリティとは接客・接遇の場面だけで発揮されるものではなく、人と人、人とモノ、人と社会、人と自然などの関わりにおいて具現化されるものである」とされています。

健常者ではなく、患者さんを扱う気持ちです。翻訳すれば「歓待、厚遇、手厚いもてなし」という意味があります。日本人の文化に、おもてなし精神が既に基礎としてあります。何がこの方に必要とされているのか?を常に考えることです。

いつも来られてる方に「こんにちは○○さん、〇分後にご案内できると思いますので、少々お待ち下さいね」

この業務ですと普通レベルですね?これに対して

「こんにちは○○さん、前回来られた日から髪をお切りになったんですか?素敵ですね(お似合いですね)もう少々お待ちくださいね」

マニュアル的には〇分後にご案内しますが正解です。が、顧客をファン化させなければ生き残れない業種です。このマニュアル通りの接客で果たして良いのでしょうか?

究極な話、これだとタブレットの自動応答で良い訳ですよ。今話題の無人ホテルとかの近未来的な受付状態ですね。ですが、ここはホスピタリティを提供できる場です。

これに対して後者の良い方は、マニュアル通りの待ち時間を先に伝えるということをしないでも、人は気持ちよく待ってられる例えです。正確に言えば、受付(新人)が活躍できる唯一の場でもあります。Googleが【10年後、現代の今ある仕事の50~60%はAIで自動化できる】と発表しましたね。本当にそうなると思います。

これに対抗できるのは、人の温かみの接客サービスではないでしょうか?

今いる治療院が、地域において安らげる場所となるか?

は、あなたの優しい気持ち次第。誰もが持っている優しい気持ちも人それぞれだという事です。


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