若草山

いとあはれ ならのうた / Very Elegant, Tanka Poems of Nara

今回のならあそびのテーマは、百人一首です。

小学生の時に百人一首大会的なのが行われることが多いので、皆さんも一度は触れたことがあると思います。
ちなみに、僕は暗記がむちゃくちゃ苦手なので、たしか三首くらい(ココの記憶ももうない)しか覚えておらず、大会は全然楽しくなかったです。。。

さて、そんな百人一首ですが、歌は覚えていても、小学生でその意味や背景まで理解している方はなかなかいないと思います。
そこで、今回は小倉百人一首から奈良にゆかりのある歌を選出し、さらにその中からお気に入りの三首をご紹介します!

なお、これまでは全体図だけを載せて、「頑張って読んで!」のスタイルでしたが、せっかく見に来ていただいたのに小さい画像を拡大したり画像保存したり、不便をおかけするのは申し訳ない。。。
ということで、これからは分割した図を用いて本文内で概要をご紹介したいと思います。

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This text is Japanese only, but there is an English document summarized on this subject.
If you can not read Japanese, please see the following English document.
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1.全体図

まずはまとめの全体図をどうぞ。
今回は見出しだけでもと思って字詰め頑張ってみましたが、果てしない作業で心折れそうでした。
広告系やグラフィックデザインの方々はこれを全部でやってると思うと、震えます。。。
しかも出来てるのかよくわからず、終いには文字がゲシュタルト崩壊しました。頑張って精進します。。。

■日本語 ver. (size: A4)

画像1


■English ver. (size: A4)

画像2


2.そもそも小倉百人一首って何?

百人一首っていっぱいあるんですね、そのレベルで何も知りませんでした。。。
有名なのは「小倉百人一首」ですが、なぜ「小倉」?
ということで調べました。

画像3

もともとは装飾のためだったんですね。
滝とか夜景とかに〇〇百選てよくありますが、それの初代×超ハイセンスver. といったところでしょうか。


3.詠われている地域ランキング

奈良の歌を選出するために、小倉百人一首のうち、特定の地域を詠った歌の数をグラフにしてみました。

画像4

奈良!一番多い!
(あくまで僕調べです。最初に見た参考サイトでは京都が一番多かったですが、別のサイトで奈良の歌が他にもあると判明し、奈良の歌だけ探しまくった結果、奈良が一番になりました。)


4.奈良のどこの歌?

奈良と一括りにするには、意外と大きい奈良県。
県内のどこの歌なのかをマッピングしてみました。
後で詳しくご紹介する三首は図に載っていないので、気になる方は後でマップを見直してみてください。
マップの番号と歌の番号が対応しています。

画像5

平城京らへんばかりかと思いきや、藤原京が奈良・吉野だったこともあり、南北に拡がって分布しています。

5.お気に入りの奈良の歌ベスト3!!

前置きはこのくらいで、本題の歌のご紹介です。
ベスト3は優劣つけられないので、全部1位として番号順にご紹介。

まずは1つ目!

画像6

超有名な歌ですね。僕でもギリギリ覚えてました。
この歌自体は、ずっと中国にいた安倍さんが、やっと故郷の奈良に帰れるという気持ちで詠んだ歌です。
しかし、結局安倍さんは帰れず、そのまま中国で亡くなってしまうというちょっと儚い歌です。

ちなみに、歴史の教科書で出てくる遣唐使の「阿倍仲麻呂」とこの安倍さんは同じ人です。百人一首では「仲麻呂」を「仲麿」と表記するそうです。苗字は「安倍」と「阿倍」のどちらもあり得るみたいなので、せっかくなら苗字も違う漢字にしてみました。ペンネームみたいですね。

また、”みかさ”の漢字は「三笠」が一般的だと思いますが、あえて「御蓋」としました。
なぜかというと、当時の「三笠」山は、現在では「御蓋」山となっており、漢字が違います。
(読みは同じ”みかさ”)
ちなみに隣に別の山があり、今はそれが「三笠」山となっています。
ややこいですね。この山のお話は、また別の機会にご紹介します。


続いて2つ目!

画像7

これまた有名ですね。
ちなみに、競技かるたを題材にしたマンガ「ちはやふるの名前は、この歌がもとになっています。

この歌は、とにかく綺麗。見ても綺麗、詠んでも綺麗。
そのうえ、詠んだ情景も紅葉に染まる竜田川と、綺麗尽くしです。

加えて、限られた文字数の中で実に多彩な表現技法が用いられており、それがこの美しさを引き出しているのかもしれません。


最後3つ目!!

画像8

ダイレクトに「奈良」とワードが入っているこの歌は、八重桜をテーマに、奈良と京都、つまり古都と新都の繋がりと発展を表現しています。

僕はこの歌の詠まれた場面が好きです。
天才・紫式部から役を引き継いだ伊勢さんが、周りからのマウンティング攻撃を受けるも、見事な歌で返り討ちにするというカッコいいシーンです。(あくまで僕の想像です)

ちなみに、先ほどご紹介した「ちはやふる」の最新刊(42巻)にこの歌も登場します。表紙の折り返しにも描かれていて、めちゃテンション上がりました。
自分には1ミリも関係ありませんが、奈良に関連するこういうふとした出来事は、やっぱりちょっと嬉しくなります。

ちなみにちなみに、伊勢さんは女性です。「大輔」は”だいすけ”ではなく、”たいふ”と読みます。(今回初めて知りました。。。)


いかがだったでしょうか。
普段見慣れた景色も、こうした歌やその背景を知っていると、少し違った視点で見ることができて楽しい気がします。

古文の文法が分らなくても、歌3つくらいしか覚えてなくても、百人一首って面白いなー、昔の人の教養ハンパないなーと思った今日この頃でした。

おわり。


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