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企業経営で欠かせないカルチャーを組織に浸透させるために行った8つの施策

昨今、多くの企業様が社外向けに、Culture Book(Deck)を作成するなど、カルチャーを言語化することが増えてきました。会社のカルチャーを言語化することの重要性や必要性を感じている方も増えているのではないでしょうか。

そして、カルチャーを言語化した後、課題になるのはどのように組織に浸透させるかです。ポテンシャライトでも、この課題にぶつかり、現在進行形で課題に向き合っています。カルチャーの浸透にあたり、どんな課題が起きて、どのように解決しようとしているのかを本ブログでご紹介します。

これからカルチャーを言語化し、組織へ浸透させていきたいという方や、組織浸透に課題感を持っている方に参考になる内容になっていると思いますので、ご覧いただけますと幸いです。

※カルチャーの重要性を実感できるLayerX社の福島さんの記事を貼っておきますので、ご興味のある方はご覧ください。



1. [おさらい] カルチャーとは

まず、カルチャーとは何かを整理しましょう。当社では、カルチャーを下記のように定義しています。太字にもなっていますが、カルチャーは現在の姿を表すというのがポイントになります。

また、カルチャーと類似した用語に「バリュー」があります。当社では、バリューとカルチャーの違いは下記のように定義しています。

バリューとカルチャーの違い

他の言葉で言い換えると、バリューを追い求めて生まれたのが「カルチャー」、ミッション、ビジョンを達成するために必要不可欠なのが「バリュー」と捉えています。

2. ポテンシャライトのカルチャーの変遷

本題に入る前に、当社のバリュー/カルチャーの変遷(過去〜現在)をお伝えします。当社では以下のようにステップを踏んでいきました。

◆バリュー/カルチャーの変遷

2019年:バリュー作成(5個)
2021年3月:カルチャー作成(10個)

〜〜〜前後3ヶ月で7名の入社 (正社員15名前後) 〜〜〜

2021年5月:カルチャー浸透施策の実施① (1ヶ月カルチャー体現に向き合う)
2021年9月:カルチャーワークの実施① (日次での実施)
2022年3月:カルチャーワークの実施② (日次での実施)
2022年7月〜10月:毎月MVVCワークの実施 (日次での実施)

〜〜〜前後3ヶ月で6名の入社 (正社員30名前後) 〜〜〜

2022年12月:カルチャーワークの実施③ ※新カルチャーに変更
2023年1月:カルチャー浸透施策の実施② (1ヶ月カルチャー体現に向き合う)

ポテンシャライトのバリュー/カルチャーの変遷

上記をご覧いただくとお分かりになるかと思いますが、半年に一回はMVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)に関するワークを行っており、バリュー/カルチャーの浸透にとても力を入れている企業かと思っております。

なぜカルチャーの浸透を重視しているかというと、企業のアウトプットの全ては「カルチャー」から生まれると思っているためです。

カルチャーとは ※参考資料

余談ですが、「ポテンシャライトさんは、なぜそんなに新しいノウハウをアウトプットできるのですか?」と、よく外部の方からご質問をいただきます。

この質問の回答を一言で言えば、「カルチャー」です。当社内では、「zero ichi」や「share the all」というカルチャーが浸透しているため、新しいノウハウを次々と生み出すことができます。また、そのカルチャーがミッションやビジョンを達成するために、必要不可欠なことだと多くのメンバーが思えているというのが大きいです。

ノウハウは真似されても良い(真似できるもの)と思っていますが、根本であるカルチャーは他社様には真似できないため、カルチャーこそ最も大事にすべきだと考えています。

ただ、ここまでカルチャーの浸透を重視していても、メンバーの入社・退社に伴い、組織のカルチャーに対する理解度・浸透度は変化し、カルチャーの浸透が難しくなってきます。

変遷にも記載しておりますが、前後3ヶ月で5名以上入社している時期の後に、1ヶ月カルチャー体現に向き合う浸透施策を実施しているのも上記の理由が大きいです。

では、実際にどのような課題があったのかを次項にて説明します。

3. カルチャーを浸透させるためにぶつかっていた課題

改めて、カルチャーの変遷から整理すると、

カルチャーを明文化/言語化
👇
カルチャーの項目(大枠)はわかるが、詳細まで理解できていない
👇
カルチャー浸透施策の実施
👇
浸透度は高くなるが、メンバーの入社に伴い、
組織のカルチャーへの理解度・体現度の"歪み"が増す
👇
カルチャー浸透施策の実施
👇
浸透度は高くなるが、メンバーの入社に伴い、
組織のカルチャーへの理解度・体現度の"歪み"が増す
👇
繰り返し

上記のようなイメージかと思います。

上記のフローの中でも、特に、直近3ヶ月で新メンバーが複数名ジョインし、メンバーごとにカルチャーへの"理解度"が異なるというのが大きな課題でした。

前提として、新しいメンバーがカルチャーへの理解度が低いというのは仕方ないことだと思います。ただ、当社ではカルチャーを「組織の現在の姿」と定義していることもあり、なるべく早く正しく理解し、体現してほしい思いがあるため、この事象を課題として捉えています。

カルチャーの"理解度"が異なるとどうなるかというと、"個人"として正しい体現ができなくなり、それが広がると、"組織"として正しい体現ができなくなり、"会社"としてどのような行動をすることが正解なのか/推奨されるのかがわからなくなり、結果的にカオスな状態(メンバーごとのそれぞれの価値観によって業務を進めてしまう)になってしまいます。

また、新しいメンバー以外でも、入社年次によって若干理解が異なるというのを半年に一度行うカルチャーワークを通して、実感していました。

このような課題に対して、どのようにカルチャーを浸透させたのかを次項にて説明します。

4. どのようにカルチャーを浸透させたのか

変遷で記載したように、いくつかカルチャー浸透施策を実施していますが、今回は2023年1月に新カルチャーを発表し、2回目のカルチャー浸透施策をどのように実施したのかをご紹介できればと思います。

※1回目のカルチャー浸透施策は下記のブログにまとめていますので、ご興味のある方はご覧ください。

2回目のカルチャー浸透施策は「Culture Life」という名前で、全社的に行いました。下記にてCulture Lifeの概要をお伝えします。(当社ではスローガンという全社/全部署横断で一体感を持って追いかけていく取り組みを月一で行っており、2023年1月は「カルチャー」をテーマに行いました。)

Culture Lifeとは?
なぜCulture Lifeをこのタイミングで実施するのか?

ちなみに、新しくなったカルチャーはこちらです。(詳細は割愛しますが、全社でカルチャーワークを実施した結果、「lead startup」というカルチャーを新しく追加しました。その他は既存のカルチャーです)

ポテンシャライトの新しい10個のカルチャー

話を戻すと、スローガンを始めるにあたり、まずCulture Lifeのゴールを定義しました。

Culture Lifeのゴール

上記の通り、ゴールを「カルチャーを日常的に実践できること」と定義したのですが、いきなり日常的に実践しましょう!と呼びかけても、すぐにできるのは入社して数年経っている人くらいでしょう。そのため、日常的に実践するためのステップを考えました。それがこちら。

ゴールへのステップ

より簡単に覚えていただくために、英語にすると👇

ゴールへのステップ 英語Ver ※意訳

上記のように、カルチャーを日常的に体現をするためには5つのステップに分けられるのではと思い、設定しました。一点補足すると、4つ目の「行動を習慣化し、クセになる状態へ(日常化:habbit)」がCulture  Lifeのゴールになるものの、習慣化して終わりではなく、一定年次を超えたメンバーには、周りのメンバーを引っ張って欲しいという思いを込めて、5つ目のステップに「自ら体現して、組織をリーディングする(leading or give heater)」を追加しました。

この5つのステップごとに施策を考え、実行しましたので、ステップごとに施策をご紹介できればと思います。先に概要のみお伝えすると、以下のような形で施策を行いました。(合計8つ….!!)

年次・各ステップごとの施策

 4-1. カルチャーの「内容と背景」を理解 [understand]

まず、カルチャーの「内容と背景」を理解してもらうために行ったことは、カルチャー動画とカルチャーラジオの作成です。

一つ目の施策の「カルチャー動画」は、代表の山根から10個のカルチャーの概要・生まれた背景・事例を約45分で話す動画です。これまでミッション・ビジョンについて語っている動画は存在していたものの、カルチャーに関する動画は存在していなかったため、このタイミングで作成することにしました。また、カルチャーは時間が経つと、どうしてもメンバーごとに解釈が変わっていきやすいという課題感から、代表からアウトプットしてもらうことになりました。

👆 カルチャー動画のイメージ

二つ目の施策の「カルチャーラジオ」は、最初のカルチャー作成に携わった方々から、カルチャーの誕生背景や印象的な事例についてラジオ感覚でライトに話すものです。

この施策は、「カルチャーをもっと身近に感じてもらうためには、どうしたらいいか?」という問いから生まれました。一つ目にご紹介したカルチャー動画は、「間違いなくあった方が良いと思うが、45分間で少し真面目すぎるのでは」という意見があり、本当にその通りだなと。ということで、ラジオ感覚で10分程度で聴けて、かつcultureに関する内容も理解できるものを作ろうとなり、合計10本のラジオを4名に協力してもらい収録しました。

ラジオ自体の施策は良かったですが、別問題として、ラジオを多くのメンバーに聞いてもらえるための施策が足りなかったと振り返っています。

👆Culture Radioの概要 ※notionでページを作成
👆Culture Radioの一部

 4-2. カルチャーごとの「事例」を理解 [deep thinking]

続いて、カルチャーごとの「事例」を理解してもらうために行ったことは、MVVCポスター、カルチャーテスト、カルチャー相談会の3つを実施しました。

一つ目の「MVVCポスター」は名前の通りですが、MVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)の事例をポスターにして、印刷し、壁や机の上で発信する施策です。

前提として、当社では毎日朝礼後「MVVC発表」と題して、3グループに分かれてMVVCに関する事例を発表する取り組みを行っていて、その事例の中でも好評だった事例をポスターにしました。

👆MVVCポスターの一部

二つ目の「カルチャーテスト」は4-1でお伝えしたカルチャーの内容を理解するという文脈もありますが、deep thinkingをしてもらうための施策として実施しました。

具体的にはカルチャーの説明文の穴埋めや、1ヶ月のカルチャー浸透の様々な施策に関するテストが出ていました。真面目な問題から、ユーモアのある問題まで出題し、メンバーから好評なテストでした。

👆カルチャーテストのイメージ

三つ目の「カルチャー相談会」は、代表の山根に入社半年前後のメンバーがバリューやカルチャーについての不明点を質問/相談するという施策です。

当社ではバリューやカルチャーに基づいた業務のフィードバックをしているため、一定の理解はしているのですが、「実際に●●のバリューをさらに体現するためにはどうしたら良いか?」や、「●●の事例があったのですが、この事例はどのカルチャーに当てはまりますか?」など、よりバリュー/カルチャーを自分のものにするためにこの時間を使っていた印象があり、とても有意義な時間でした。(自分はスローガンの大使ということもあり、毎回参加していました)

 4-3. カルチャーを体現し、「自分事」化 [culture myself]

次に、カルチャーを体現し、「自分事」化してもらうために行ったことは、チームの作成と日次で体現したカルチャーのアウトプットです。

一つ目の「チームの作成」は、意図を込めて施策の一つとして取り上げました。現在、当社は正社員ベースで約30名(業務委託等を含めると約80名)という組織で、毎月新しいメンバーが入社している状況です。

「30名みんなでカルチャーを体現していこう!」と推進しても良かったのですが、カルチャーを自分事化してもらうためには、スモールチーム(5チーム約5名)を作成して、リーダーを決めてより当事者意識を持ってもらいやすい環境を作ることが重要と考え、チームの作成を一つの施策として実施しました。

二つ目の「日次で体現したバリュー・カルチャーのアウトプット」は上記で決めたチームごとに、自分が今日体現したバリュー・カルチャーをグループのSlackチャンネルでアウトプットする施策です。

毎日、自分が体現したバリュー・カルチャーをチームでアウトプットすることで、日々業務をしている中でバリュー・カルチャーを意識するようになりますし、それを見て周りのメンバーも頑張ろうと思えるので、この施策を実施しました。

ただ、業務がある中で体現したカルチャーをアウトプットするのは、ややハードルが高いため、それぞれのチームでアウトプットしてもらうための仕組み・取り組みを行っていました。

👆体現したバリュー・カルチャーアウトプットの事例

 4-4. カルチャーを体現し、「習慣」化 [habbit]

最後に、カルチャーを体現し、「習慣」化してもらうために行ったことは、週次でチームでの振り返り会です。

「チームでの振り返り会」は、毎週金曜日の17時半〜18時でチームに分かれて、バリュー・カルチャーの振り返りをする時間です。

▼バリュー・カルチャー振り返り会“前”のご依頼事項
・各チームの振り返りシートにVC体現事例を記載

▼バリュー・カルチャー振り返り会で実施すること
・今週体現したバリュー/カルチャー事例のアウトプット [10分]
・日常的に体現するためにはどうしたらいいかのディスカッション [15分]
・全体発表 [5分]

バリュー・カルチャー振り返り会で実施していた内容
週次バリュー・カルチャー振り返りシート

上記のように、振り返り会を実施する前に、どのバリュー・カルチャーが体現できて、体現できていないのかをシートに記載いただき、それをもとにアウトプットをグループメンバーで行いました。そして、次週以降、バリュー・カルチャーに対してどんなアクションを実施するかというディスカッションをして、日常的に体現できるようなきっかけを作る場として機能した印象があります。

これら4つのステップの施策を実施した結果、5チーム中3チームは毎週体現率が向上したという結果になり、総じて良い施策を実行できたのではと振り返っています。

👆あるチームの週次バリュー/カルチャー体現率

最後に

いかがでしたでしょうか。

バリュー・カルチャーの言語化まではできていても、新しいメンバーが入社していくうちに、組織に浸透させることが難しいという課題にぶつかることが多いと思います。

今回ご紹介したカルチャー浸透の5つのステップを入社年次別に表すと、

■カルチャー浸透の5つのステップと入社年次の関係
1. understand  :入社3ヶ月前後
※カルチャーの「内容と背景」を理解できていない
2. deep thinking   :入社3〜6ヶ月
※カルチャーの内容は理解しているが、「事例」を理解できていない
3. culture myself  :入社6〜12ヶ月
※カルチャーの事例は理解しているが、「体現」できていない
4. habit      :入社1年〜2年
※カルチャーは体現できているが、「習慣化」までできていない
5. leading     :入社2年以上
※カルチャーの習慣化はできているが、「組織をリード」できていない

上記のようになるイメージですので、今回当社では全メンバーで年次問わずカルチャー浸透施策を実施しましたが、年次ごとにカルチャーへの課題感が異なってくると思いますので、各年次の課題ごとに施策を実施することをおすすめします。本ブログはカルチャー浸透施策を考える上での、参考資料として活用いただけますと嬉しいです!

最後に、カルチャーに関連するブログを参考までにご紹介しますので、ご興味のある方はご覧くださいませ!


前提:カルチャーの「重要性」について

設計:カルチャーの「設計手法」について

設計:カルチャーの「言語化」について

浸透:カルチャーの「浸透施策」について

浸透:カルチャーを動画で伝える「Culture Movie」について


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