<Vol.239>「セラピストを辞めようと思っている」と言われた時にかける言葉

「セラピストを辞めようと思っているんです…」

この相談をされたとき、皆さんだったら何という言葉を返すでしょうか。

そしてどんな言葉をかけてあげることが"正解"なのでしょうか。

これはとても難しい問題なので、今日はこのことについて改めて考えてみようと思います。


<どんな言葉をかけるべきか>

「仕事を辞めるということ」

大きな意味で捉えれば、自由にすればいいと思っています。

日本という豊かな国に生まれ、職業選択の自由が保障されている現代において、嫌な仕事にしがみついている必要は全くありません。

仕事に魅力を感じず、毎朝起きた時に職場に行くのが嫌なのであれば、職場に行くのが楽しくなる職場を選べばいい…

そう思います。

そして幸いなことに今このご時世はどの業種も人材難ですから、そう大きな苦労をせずとも再就職先は見つけられると思います。

でも、だからと言って、

「あ、そうなんですね、辞めるんですね。今までお疲れさまでした」

こんな冷たい言葉をかけるのはイマイチだなぁと思うわけです。

==

もし私がこういった相談されたら…

まずは「辞める」という相談をしてくれたことへの"真意"を読み取りたいと思っています。

この言葉の裏側には、きっと小さな"葛藤"があります。

その葛藤とは、

「仕事になんらかの不安や不満を抱えている」から「辞めたい」と思っているが、現時点としては「どこかで引き止めて欲しい」という思い(未練)がある

というところでしょうか(そもそも未練がなかったら相談すらしないでしょうから。スパッと辞めますよね)。

その不安や不満が「給与面」なのか「働き方」なのか、はたまた「成長停滞感(マンネリ感)」なのか「お客様とのトラブル」なのか…

ここは千差万別なので、聞いてみないとわかりません。

だからこそ、

「今、何か困っていること・悩んでいることはあるんですか?」

という趣旨の質問をしてあげるようにしています。

1つの問題がクリアになるだけで(クリアにならずとも悩みを口にするだけで)、意外と「辞める」という選択を止めるセラピストも多いのが現実です。

優しく受け止める、それが大切です。


<残念な退職理由>

それでも「辞める」という想いが変わらないのであれば、それはそれでいいと思います。

人生は長く、次の挑戦をすることでまた新しい世界が開けてきます(何よりまたやりたくなれば戻ってくればいいだけですから)。

ただ私が一番残念だなぁ…と感じる瞬間は、

「セラピストの仕事に"飽きて"しまったんです」

という言葉をぶつけられた時です。

『飽きる』

この言葉がもつ意味は強烈です。

セラピストの仕事は「自分の手1つで人を笑顔にできる仕事」ですから、私自身としてはこれに勝る仕事はないと確信しています。

ただ現実としてサロンや店舗で働いていると、毎日の施術がルーティン化され、やがて飽きてしまう…ということもわからなくはありません。

ただ。

そんなことを言い出したらどの仕事も同じだろう、と思ってしまうわけです。

アパレルショップの店員は洋服を売り続け、美容師は髪を切り続けます。喫茶店ではコーヒーを入れ続け、本屋では今日も本を売り続けます。

どの仕事も細分化していけば、結局は何らかの作業を継続することに尽きるわけです。

だからセラピストに"飽きた"人は、きっと次の作業に行ってもやがては"飽き"が来てしまい、さらなるジョブホップを続けてしまわないだろうか…と不安に思ってしまいます。

==

どの道も掘れば掘るほど、わからないことがたくさん出てきます。

わかっていたはずのことがわからなくなり、わからないことの量すらわからなくなります。

この大量の"わからないことに出会うこと"が、仕事の面白さではないでしょうか。

わずか2〜3年にも満たないセラピスト歴で「飽きた」という言葉を口にする人には、こんな言葉をお届けしたいと思っています。

『わかったつもりになっている。わからないことがない。その状況こそがセラピストとしての未熟さ(わかっていない状態)なんですよ』

ただ…思ってはいるものの「傷つけちゃうかなぁ…」という想いも交錯し、結局は伝えられなかったりします。

難しいですね、とても。

私自身ももっともっと成長して頼られる存在になりたい、そんなことを思う今日この頃です。

では今日も最後までお読みいただきありがとうございました^^


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セラピスト特化型の人気コラムです。普段セラピストを教育する立場にある筆者が、セラピストとして大切なことをギュギュッとまとめてお届けします。

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