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【無料】365Movie's集

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2020年1年間続けた映画感想のアウトプットを365日文書記事にしました。 僕のフィルターを通した感想をまとめてみましたので、是非。
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2020年9月の記事一覧

248/365
2015年『幸せをつかむ歌』
ルーザームービーから学ぶ。
ジョナサン・デミ監督

248/365 2015年『幸せをつかむ歌』 ルーザームービーから学ぶ。 ジョナサン・デミ監督

家族を捨てミュージシャンの夢を選んだ結果、貯金ゼロのどん底生活を続けるメリル・ストリープ演じる主人公が不器用な親子関係を描きながら格差問題も取り入れられている作品。

今の時代経済的な差がもっとも実感を伴う壁があり、国民的なコンセンサスとなっている米国の実情が垣間見る映画だった。

その中で主人公の未来もない、金もない、ろくでなしの人生を歩んできたダメ人間がなんとか一矢を報いようとする生き方がある

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249/365
2008年『早熟のアイオワ』
人は生まれる環境を選べない。
ロリ・ベティ監督

249/365 2008年『早熟のアイオワ』 人は生まれる環境を選べない。 ロリ・ベティ監督

ロリ・ペティ自身の少女期の事実に基づいた物語。

人は生まれる環境を選べない。

自宅が売春宿で、暴力父は失踪、母はヤク中の売春婦で生活の為に娘にも売春を強要。

それでも子供は、その生活の中で耐えるしかないと。

本作はジェニファー・ローレンスが愛くるしく、なんといってもこの環境下の役が似合っていた。

冒頭にも言った人は"生まれる環境を選べない"といった通り、生まれた時点で経済的、精神的に圧倒

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250/365
2010年『胸騒ぎの恋人』
視覚センスが磨かれる映画。デザイナー向け。
グザヴィエ・ドラン監督

250/365 2010年『胸騒ぎの恋人』 視覚センスが磨かれる映画。デザイナー向け。 グザヴィエ・ドラン監督

20歳という若さにして「マイ・マザー」がカンヌ国際映画祭審査員賞、審査員特別グランプリを受賞したグザヴィエ・ドラン監督の第二作。

ゲイの男性とその親友の女性が同じ男に片思いする物語。60年代のフレンチ・テイストなおしゃれな雰囲気にバッハの音楽に、オードリー・ヘプバーン、ポール・ニューマンの引用も含め、その場の雰囲気に合わせた視覚センスがピカイチ。

この映画の面白いところは理屈っぽさのない感覚に

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251/365
1984年『ハーヴェイ・ミルク』
決してLGBT映画だけで止まらない作品。
ロブ・エプスタイン監督

251/365 1984年『ハーヴェイ・ミルク』 決してLGBT映画だけで止まらない作品。 ロブ・エプスタイン監督

今では、国会でLGBT映画を観ようという事で取り入れられた作品でもある、「タイム誌が選ぶ20世紀の100人の英雄」選手されたアメリカで初めてゲイである事をカミングアウトしたハーヴェイ・ミルク真相を追ったドキュメンタリー映画。

ハーヴェイ・ミルク射殺されてから6年しか経っていないからこその臨場感が生々しく残っていた作品。

民主主義とマイノリティとは。

決してLGBT映画に止まらないマイノリティ

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253/365
2013年『42〜世界を変えた男〜』
結果を出す人の生き様、流儀とは。
ブライアン・ヘルゲラルド監督

253/365 2013年『42〜世界を変えた男〜』 結果を出す人の生き様、流儀とは。 ブライアン・ヘルゲラルド監督

1947年 人種隔離法。

1955年に撤廃しようと動いたのが8年後。

実際に撤廃されたのが9年後の1964年。

1番黒人差別が酷かった時代1947年に、黒人で初めてのメジャーリーガーになった実話。

チームメイトも敵、観客も敵、審判も敵、盗塁をしたら逮捕という時代。

"俺がここでケンカしたらこの後の全ての黒人選手も少年達も野球が出来なくなるから"という責任感や社会からの抵抗がある中で、何も

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254/365
2013年『エスケイプ・フロム・トゥモロー』
狂気的、宗教的という側面から見たディズニー・ワールドとは。
ランディ・ムーア監督

254/365 2013年『エスケイプ・フロム・トゥモロー』 狂気的、宗教的という側面から見たディズニー・ワールドとは。 ランディ・ムーア監督

神格化されたディズニーの打ち出すユートピアをひっくり返すべく

"人為的な完全性という幻想"にメスを入れつつ

大衆エンタテインメントに執着する現代人の文化絶対主義を痛烈に揶揄し

ディズニーの狂気的、かつ宗教的な世界観から作り出す、無限の幸福感の“怖さ”」を起点に描いた作品。

個人的にはすごく面白く、映画そのものの作りはパンク、ロックのような世界観。

物事に対してそういう視点って必要だと思う

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255/365
2011年『遊星からの物体X ファーストコンタクト』
自分と物体Xの違いってなに?
マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア監督

255/365 2011年『遊星からの物体X ファーストコンタクト』 自分と物体Xの違いってなに? マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア監督

1982年公開『遊星からの物体X』の前日談。

実態を取込み複製しその姿になれるエイリアンを見つけ確実に人間だと言える証拠のない疑心暗鬼の中で描かれる人間同士の心理戦は82年版のジョン・カーペンター監督の映画の醍醐味も残しつつ、違いもありつつで見応えのある映画だった。

物体Xって言い換えればDNAじゃないかと思っていて、人間なんてただのDNAを入れる器でしかないんだと思った。

オントロジーと同

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256/365
1988年『ビートル・ジュース』
ビートル・ジュースから学ぶキャラ設定。
ティム・バートン監督

256/365 1988年『ビートル・ジュース』 ビートル・ジュースから学ぶキャラ設定。 ティム・バートン監督

『テルマ&ルイーズ』テルマ役でお馴染みジーナ・ディヴィス主演。

幽霊を追払うホラー映画鉄板とは違い、逆に幽霊が人間を追払うというシュツエーション。

ビートル・ジュースと題してるけどメインは元宿主の夫婦。

全体的な世界観、ユーモアはよかった。

この映画の良さはビートル・ジュース役のマイケル・キートンにある気がして、

本作の翌年『バットマン』のバットマン役でティム・バートンをブレイクさせ、

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257/365
2016年『ダーティグランパ』
旅と映画が人生の選択肢を増やす。
ダン・メイザー監督

257/365 2016年『ダーティグランパ』 旅と映画が人生の選択肢を増やす。 ダン・メイザー監督

ありきたりな学校生活、いい高校、いい大学に行っていい会社に就職もしくは いい役職につく事が幸せだと思って生きるザック・エフロン演じる主人公と、真逆の好きな事、本能に生きる姿を体現したロバート・デ・ニーロ演じる祖父。

人生の選択肢の少なかった主人公が祖父と2人で旅していく中で、生き方の選択肢が他にも沢山あるんだと気づく。

世の中の誰かに作られた常識や偏見で自分自身を抑圧して誰かに言われるがままに

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258/365
2015年『アントマン』
学びのある映画の選び方。
ペイトン・リード監督

258/365 2015年『アントマン』 学びのある映画の選び方。 ペイトン・リード監督

正直アメコミってあんまり観ないし、どうも僕自身の求めてる映画じゃ無かったりする。

けどそんな事も言ってられないんで幅広く映画を観ようという事で本作をチョイス。

『ジュラシックワールド』と似て、人間の手に負えない、理屈で説明できないようなオーバーテクノロジーがテーマにあったように感じた。

こういう映画を観てると、ビジネスに対しての悪い視線を与え、選択肢が少なくするように思えた。

それが良いと

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259/365
2013年『モンスター・ユニバーシティ』
光と闇を観る。
ダン・スカンロン監督

259/365 2013年『モンスター・ユニバーシティ』 光と闇を観る。 ダン・スカンロン監督

なりたい夢と、その人が持つ才能とは一致しないと、光と闇、そこに対して忠実に描かれ、映像の描写から光と影の部分がはっきり分けられていたのと、自分の夢が決して叶えられないわけではないけど、手段は一つじゃないんだと思わせてくれる作品。

ピクサーのこういうメッセージ性の映画はいくつかあって、それを知った上で子供への教育映画としてこの辺りを見るのはアリかも。

260/365
2015年『ピッチ・パーフェクト2』
多様性を学ぶのにわかりやすい映画。
エリザベス・バンクス監督

260/365 2015年『ピッチ・パーフェクト2』 多様性を学ぶのにわかりやすい映画。 エリザベス・バンクス監督

序盤からオバマ元大統領、スヌープ・ドッグ本人の登場には驚いた。

エンドロールでも登場人物の中の男性が実際にオランダの音楽オーディション番組「Voice」を受けるシーンがあり現実とリンクして実際にあのアカペラガールズグループがあるような感覚になった。

『ピッチパーフェクト』は黒人、ゲイ、女性、肥満などマイノリティー層の人たちで形成されたグループが主役ということもあって"多様性"を強く感じた。

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261/365
1998年『Sex and the City』
シリアスな事こそユーモラスに。
マイケル・パトリック・キング監督

261/365 1998年『Sex and the City』 シリアスな事こそユーモラスに。 マイケル・パトリック・キング監督

結婚はオープンだけどSexはクローズド。

そのグレーな部分をユーモラスに、男女の良いも悪いもオープンに描くことからカルト的人気を誇ったSATCシリーズ。

1998年当時も別にオープンにSexの事を語ることは珍しい事ではなかったけど、この4人だからこそ全体を通して描ける、友情、愛、ファッション全て色褪せず、今でも尚注目されている点であり、女性が主人公だけあって男性に懸念されがちだけど、是非男性に

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262/365
1997年『ジャッキー・ブラウン』
何をするより誰がするか。
クエンティン・タランティーノ監督

262/365 1997年『ジャッキー・ブラウン』 何をするより誰がするか。 クエンティン・タランティーノ監督

自分の原点にして最高のタランティーノ作品。

音楽のチョイスといい、キャストのチョイスがいい。

武器商人のサミュエル、役立たずのデニーロ。

『イージー★ライダー 』ピーター・フォンダの娘ブリジット・フォンダなど出演者の顔ぶれとキャラ設定もタランティーノの好きなところ。

おそらくストーリーだけ見るとそんなに面白くないものでも、これだけの豪華なキャストに他作品の前提を覆すキャラ設定があって尚これ

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