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最近の記事

[訂正]2023年、日本企業は世界初"IFRSベース"のサステナ開示を迫られる!

サステナビリティ開示の話、ややこしいですよね。この記事もややこしいので最初に今後の予想を書いておきます。 日本のサステナ開示動向を大胆予想 2024年、世界に先駆けてIFRS S1ベースのサステナ開示が有価証券報告書に求められる(かも) ただし気候変動関連の細かい開示は後回し メイントピックは人的資本 あくまで私の想像にすぎませんが、以下その理由をご説明。 日本、後出しじゃんけんで先頭になっちゃうかも2022年10月現在、IFRS財団(の中のISSB)は以下2基準

    • "気候関連じゃない項目がいっぱい" IFRS気候関連開示案の問題点

      知ってても読んだことないでしょ? 会計業界に近い方ならIFRS財団(の中のISSB)がサステナビリティ開示基準を構築中という話は聞いたことがあるでしょう。日経でもちょくちょくニュースとなっています。 気候対策、業種別に開示 IFRS財団が数値重視の国際基準: 日本経済新聞 (nikkei.com) 22年3月に下記2つの公開草案が発表されており、現在は世界中からのコメントをとりまとめている最中と思われます。 IFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全

      • 無形資産が支配する経済"Capitalism Without Capital"紹介パート2

        パート2:無形資産経済の隆盛がもたらすもの(The Consequences of the Rise of the Intangible Economy) 5. 無形資産、投資、生産性、長期停滞(Intangibles, Investment, Productivity, and Secular Stagnation) 6. 無形資産と進行する不平等(Intangibles and the Rise of Inequality) 7. 無形資産のためのインフラ、そして無形のイ

        • 無形資産が支配する経済"Capitalism Without Capital"紹介パート1

          ようやくちゃんと読み終えたので "Capitalism Without Capital: The Rise of the Intangible Economy" の内容を紹介してまいります。 目次はこちら 1. イントロダクション(Introduction) パート1:無形資産経済の隆盛(The Rise of the Intangible Economy) 2. 資本の消滅(Capital's Vanishing Act) 3. 無形資産の測定方法(How to M

        [訂正]2023年、日本企業は世界初"IFRSベース"のサステナ開示を迫られる!

        • "気候関連じゃない項目がいっぱい" IFRS気候関連開示案の問題点

        • 無形資産が支配する経済"Capitalism Without Capital"紹介パート2

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          会計士はAIより無形資産を恐れるべき:『会計の再生』を読んで

          「AIによって経理マン・会計士は不要になる」 なんて話は皆さん100回くらい聞いているかと思います。 元ネタの論文はこちら。最後のAppendixに職業別のAIによる代替可能性のランキングがあります。 https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf Accountants and Auditorsは94% Bookkeeping, Accounting, a

          会計士はAIより無形資産を恐れるべき:『会計の再生』を読んで

          RPA外資Big3日本子会社の登記を調べたら面白かった

          RPA業界ではBig3という言葉がたまに使われます。 グローバルで大きな存在感のあるAutomation Anywhere, Blue Prism, UiPathの3社のことです。 Forresterによる評価でも3社が右上に固まっていますね。ちなみにBizRoboがベースにしているKofaxは第二集団にいることが分かります。 で、3社ともに近年日本に子会社を設けて顧客拡大に努めている状況ですが、この子会社について気になったので登記を調べてみたところ、中々面白い結果だったの

          RPA外資Big3日本子会社の登記を調べたら面白かった

          何が変わった?「次世代の監査への展望と課題」 その2

          前記事の続きです。 修正(4)草案:さらにRPA の導入には一般的に高度なシステム技術が必要であり、一度導入されるとインプットからアウトプットまでのプロセッシングについてはブラックボックス化するケースがある。 最終:削除 この部分、「RPAの導入」が、 「会社へのRPAソフトウェアの導入」 なのか、 「ロボの作成」 なのか、分かりづらかったところです。 でもどちらにしても、 (実態はどうあれ)「ノンプログラミングでお手軽にロボット作成!」とか宣伝されているし、デスクト

          何が変わった?「次世代の監査への展望と課題」 その2

          何が変わった?「次世代の監査への展望と課題」 その1

          2019年1月31日、個人的に待望だった、 日本公認会計士協会 IT委員会研究報告第52号「次世代の監査への展望と課題」 が公表されました。 60ページにわたる中身は、 ・AIが会計や監査に及ぼす影響 ・20年来の「監査人の見果てぬ夢」であるCA(Continuous Auditing) ・2030年頃の公認会計士像 などなど、会計・監査の視点以外にも、最新テクノロジーが社会にどのように浸透していくかという視点でも楽しめる読み物となっています。 で、その中に4ページほ

          何が変わった?「次世代の監査への展望と課題」 その1

          商社も悩むRPAと内部統制

          先週、日本内部統制研究学会のシンポジウム 「内部統制報告制度の実効性確保について―制度導入10年を経ての教訓と課題―」 というものを聞きに行きました。 監査業界で知らないものはいない八田進二先生や、以前(内部統制というテーマでありながら)メチャ面白いお話が聞けた日立製作所監査室の蓮沼さんがパネリストとして登壇するとのことで参加したのですが、RPAの話も出てきました。 商社の業界団体である日本貿易会の方が同じくパネリストとして参加されていたのですが、同会の内部統制連絡会(こ

          商社も悩むRPAと内部統制

          RPAについて会計士協会に意見を送った(6:意見 その3)

          (3) RPA の利用が監査に与える影響 監査において、内部統制の有効性を検討する場合に、手作業による内部統制の場合は作業が継続的に実施されているかどうかといった運用状況の確認に主眼が置かれることが多かったことに比べて、デジタルレイバーにより実施される作業の場合は、デジタルレイバーへの指示が適切か、または、指示を適切にメンテナンスできるかといった整備状況の確認を重視する必要があると考えられる。また、従来のIT業務処理統制の評価に比べて、業務への適用に関するデザインの評価がより

          RPAについて会計士協会に意見を送った(6:意見 その3)

          RPAについて会計士協会に意見を送った(5:意見 その2)

          (2) RPA における内部統制 会計業務へのRPA の適用の拡大により、内部統制は大きな影響を受けることが想定される。RPA には、決められた指示に対してその指示に準拠して均質に作業を実施するという特徴があるが、この特徴から、RPA が有効に機能するには、決められた指示が正しいということが大きな前提となっているものと考えられる。すなわち、RPA は決められた指示が正しいかどうかを自ら判断することはできず、指示されたとおりに作業を実施することしかできないからである。人であれば

          RPAについて会計士協会に意見を送った(5:意見 その2)

          RPAについて会計士協会に意見を送った(4:意見 その1)

          長々と前記事までに書きました日本におけるRPAの状況を考えた上で、公認会計士協会に意見を送付しました。以下、草案を引用しながらコメントを付けていきます。あまりにも長いので何個かに分割して投稿します。 ※送付した意見は硬い文章にしましたが、適宜柔らかくしています。 3.RPA の活用 (1) RPA の活用が会計業務へ与える影響 RPA とは、これまで人が行っていた作業を機械学習やAIを含むコンピュータによる認知技術の活用により、自動化することをいう。ある部分について人の労働

          RPAについて会計士協会に意見を送った(4:意見 その1)

          RPAについて会計士協会に意見を送った(3:どうなる2019年のRPA)

          前回は色々と散らかっているRPAの状況と、草案に欠けている(と思っている)統制法についてお話ししました。 次回からようやくタイトルにある「会計士協会に意見を送った」内容をご紹介します! ただ、最後にちょっとした未来予測を。 2018年現在、効果を上げ続ける少数の会社がある一方で、最初の方で書いた通りマクロ的には幻滅期を突き進むRPA。それでは2019年はどうなるでしょう。 2019年、RPA不祥事が遂に発生? あえて悲観的に予測してみれば、幻滅期は継続し、2019年中盤あ

          RPAについて会計士協会に意見を送った(3:どうなる2019年のRPA)

          RPAについて会計士協会に意見を送った(2:散らかってる日本のRPA)

          前回の話をまとめると、 「RPAの機能・使い方は色々。それに対して会計士協会の草案は書くべきことを網羅できてないんじゃないの?」 ということでした。 では、何でRPAの機能・使い方は色々散らかってるのか。そもそもRPAはインドのアウトソーシング請負会社において単純作業の効率を向上させるために生まれたものです。であれば、もうちょっと標準的な機能が揃っていても良いはずでは? 2つ理由が思い当たります。 1つ目は、RPAは先端技術じゃないということ。10年以上前に完成している

          RPAについて会計士協会に意見を送った(2:散らかってる日本のRPA)

          RPAについて会計士協会に意見を送った(1:幻滅期のRPA)

          幻滅期のRPAと公開草案ガートナーによると、新しいテクノロジは黎明期→「過度な期待」のピーク期→幻滅期→その後安定へ、というサイクルを辿るようです。 これをRPAに当てはめてみると、 ~2016年:黎明期 2017年:「過度な期待」を駆け上る 2018年前半~:幻滅期 と言うのが個人的な感覚です。 https://www.gartner.co.jp/press/pdf/pr20181011-01.pdf 2013~16年の一部金融機関を中心に導入していた黎明期から、RPA

          RPAについて会計士協会に意見を送った(1:幻滅期のRPA)

          RPAについて会計士協会に意見を送った(前書き)

          もはや注釈が要らなくなったRPA。毎日のようにリリースやニュース記事がアップされ単語として社会に定着してきた感があります。そんな中、日本公認会計士協会が「次世代の監査への展望と課題」という研究報告の公開草案を公表。その一部でRPAが会計や監査に与える影響を考察しています。 (https://jicpa.or.jp/specialized_field/20181025dtw.html) RPAに関する部分は3ページほどですが、この切り口で包括的にRPAを論ずる考察は存在しなか

          RPAについて会計士協会に意見を送った(前書き)